ファストフード特集 2021年5月25日

SUBWAYの推しカスタマイズを募ったら、めちゃくちゃ美味しいサンドイッチに出会えました

長年愛好していた、SUBWAYの「バルサミコソース」が廃止になってしまった。

何をどう注文したらいいか途方に暮れ、推しのカスタマイズを募ったところ、なんと272名から知見を得ることができた。さっそく試してみようじゃないか。

日本ソムリエ協会認定ワインエキスパートの花屋。花を売った金で酒を買っている。

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SUBWAYほど、注文時にワクワクするファストフード店もないだろう。

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SUBWAY公式 サンドイッチメニューより

すでにご存知の方が大半だろうが、ご覧いただきたい。このカスタマイズの幅である。
店頭で種類豊富なサンドイッチを選び、パンもトッピングも、野菜の量までその場で選べるのだ。しかもガラス越しに、店員さんが作ってくれるのを眺めることができる。

こんな楽しみ方ができるのはSUBWAYと、アイス屋さんのコールドストーンくらいのものではないのか。すでにエンターテインメントの域だ。

しかし、カスタマイズの幅がこれほどまでに広いとはいえ、やがて「お気に入りの1つ」が出てくるものだ。
かくいう筆者も、以下のカスタマイズが気に入り、長年これだけを食べ続けていた。

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生ハム&マスカルポーネの公式おすすめドレッシングは「バジルソース」だが、バルサミコソースの甘酸っぱさにマスカルポーネチーズのクリーム感が絶妙にマッチし、いくらでも食べられるおいしさだった。チェーン店にも関わらずピクルスやオリーブが増量できるというのも嬉しいポイントだ。
しかしこの「バルサミコソース」、最近廃止になってしまったのである。

バルサミコソースだけを何とかの一つ覚えのように注文していた筆者にとって、これは由々しき事態だ。次回SUBWAYで何を頼んだらいいのか。

インターネットの知見を集めよう

全国に店舗を持ち、世界規模でみるとマクドナルドと数の競い合いができるほどの超大手チェーンである。筆者よりもはるかに精通し、カスタマイズを極めた方がいるはずだ。
こんなときこそインターネット集合知を頼るべきと考え、アンケートフォームを設置してみた。

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ご協力いただいた皆さま、その節はたいへんありがとうございました。

Twitterで宣伝し、約1週間ほど回答を募ったところ、なんと272通りのカスタマイズが集まった。
気になったものをいくつか紹介させていただこう。

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募集を開始して間も無くいただいたこちらの回答。

「SUBWAYでの食事は食事でなく瞑想」、強すぎる。いったいどういうことなんだ。
こちらの方もそうだが、ドレッシングを「オイル&ビネガー 塩&こしょう」にするという回答は予想よりも多かった。飽きずに頻繁に食べることを考えると、シンプルで素材の味を生かした組み合わせに収束していくのかもしれない。

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ドレッシング、「塩こしょうのみ」…!?

と思いきや、さらなる強者が現れた。トッピングにベーコンを追加し、食べごたえを補強する代わりにオイルとビネガーを抜く。素朴そうに見えて隙のない組み合わせだ。
(ちなみに、にんじんのカスタマイズも少し前に廃止されてしまったようだ。筆者も復帰を切望している。)

そして、注目すべきはコメント欄。「野菜上限」。この魔法のフレーズ、以前に一度だけ目の前のお客さんが使っているのを見たが、何かローカルルール的なものだろうと推測し、実行には踏み切れていなかった。
しかし今回集まった回答では、このフレーズでカスタマイズを行うという記載が散見される。どうやら全国的に使われている裏技のようなものらしい。
公式のQ&Aを確認したところ、野菜の増量の上限は通常の約2倍とのこと。あのサイズのパンに2倍の野菜を盛ったらどうなってしまうのか。店頭で試す価値はありそうだ。

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また、今回のアンケートでは元従業員の方からの情報も複数寄せられた。
「働いていた人が美味いというならそりゃあ美味いんでしょうよ…」という安心感とともに、「テイクアウトにはターキーベーコンエッグがおすすめ」という超お役立ち情報も。

270件超のカスタマイズを1つ1つ眺めていたらお腹がすいてきたため、実際にいただいたカスタマイズの中のいくつかを買ってみることにした。

気になった3種類を注文してみた

272件のカスタマイズを全て試してみたいところだが、筆者の胃は有限なため、今回は特に気になった3種を選んだ(どれも美味しそうで選ぶだけで2時間以上かかった)。
内容を暗記できる気がしなかったため、このように紙に書き出して、店員さんに渡すスタイルに。

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小心者のライフハック:各オーダーに適当な名字を添えると、「私は会社のおつかいで買いに来ただけです!別に私が1人でこんなに食べるわけではありません!」という顔ができる。

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久々にSUBWAYに来てみたら、看板に大きく「野菜のサブウェイ」と書いてあって頼もしかった。野菜が食べたくなったらいつでもここにかけ込めばいいのだ。

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テイクアウトで3つ買ってきました。後ろのビールはよくわかりませんが勝手にあきました。

内容の紹介とともに、さっそく食べてみよう。

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①わさび醤油に大量のピクルスとオリーブ!「ターキーブレスト」

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まずは1つめ。こちらも元従業員さんにご提供いただいたカスタマイズで、微調整の末考え抜かれたであろうバランス感に惹かれて選んだ。
(今回の3つのオーダーについて、特に「〇〇抜き」など記載のないものは通常通り入れていただいた。)

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それが、こちらである。

封を開けてからしばらくの記憶がないくらい無心で食べてしまった。
これは永久に食べていられる。全てのバランスが美しく調整されていて、立ち止まる暇がないのだ。
ハニーオーツのほの甘さに、わさびの爽やかな香りとハラペーニョの辛さ。ピクルスの酸味がターキーの旨味を引き立て、お互いを邪魔するものが全くない。
何も食べたくないほどヘトヘトに疲れていても、これが目の前にあったら完食してしまうだろう。そのくらいの自然さで食欲を高められる。
おそらくイートインであれば、焼いたハニーオーツの食感があいまってさらに美味しくなるだろう。ここからさらに?恐ろしいことだ。

②野菜のカスタマイズでサルサを表現「アボカドベジー」

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続いてはこちら。「遠くにタコスを感じる」という記載をみて、その手があったか…!!と膝を打った作品(カスタマイズは突き詰めると作品としか呼べなくなる)。

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はじめて「オイル&ビネガー 塩こしょう」を頼んでみたのだが、テイクアウトだとこのようなパウチに入れてくれるらしい。なんという優しい配慮だろう。

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封をあけた瞬間、ブラックペッパーのスパイシーな香りが広がり、なぜか「やっと会えたね」という気持ちになった。
そして肝心の味。しっかりタコスに近づいているのだ。
アボカド、トマト、オニオン、ハラペーニョ…言われてみればこの組み合わせはサルサだ。
ハラペーニョが足されたことでかなり辛くはなっているが、オリーブとアボカドのまろやかさがそれをカバーしている。
個人的にまた頼みたいなと思わされる1品だった。

③エビにさらにエビを追加。ソースも2種がけ「えびアボカド」

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最後はこちら。「エビアボカドにさらにエビを追加する」という所業に、なるほど…と微笑んだ。カスタマイズにルールはないのだから、こういうのもアリなのだ。
しかし、ドレッシングの欄をご覧いただきたい。「バジルソースとマヨネーズタイプのダブル」、こんなことができるのか…!?
実は、他に寄せられた回答にも「ドレッシングを2種かける」というものはあった。おそるおそる店員さんにこのオーダーが可能か訊いてみたところ、笑顔で「できますよー!」とのことだ。すごいぞSUBWAY。そんな裏技があったのか。(※店舗によって差がある可能性もあります)

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そんなわけで、他2つと比べ物にならない質量になったのがこちらのサンドイッチである。カスタマイズの提供者さま曰く「えび」と「たまご」はその日の気分によって分けているとのことだったが、せっかくだから両方入れてみた。サンドイッチと思えないくらい重い。筆者の持ち帰り方が悪く、若干崩壊しつつあるがお許しいただきたい。

味わってみて気づいた。えびアボカドにえびを追加する行為、大正解である。
もともと野菜がたっぷり入っているサンドイッチであるが故に、どうしてもエビの風味は弱くなる。そこにさらにエビの援軍を送ることで、プリッとした歯ごたえを口いっぱいに感じながら巨大なサンドイッチを頬張ることができるのだ。
問題の「バジルソース」と「マヨネーズタイプ」の2種がけだが、これも素晴らしい組み合わせである。バジルの香りがエビとマッチして食欲をあおりつつ、マヨネーズのまろやかさが野菜を包み込む。今回はたまごを追加しているから、なおさらまろやかだ。

そして筆者も「生玉ねぎがあんまり好きじゃないから」という理由で抜いていたオニオンだが、増量してもらっても全く気にならないほど、甘くてやさしい味だということに気が付いた。
しっかり水にさらされているのだろうか。今後はオニオン入りのサンドイッチを注文しよう。


店舗限定サンドイッチという”沼”

いただいた回答のなかに、「秋葉原店限定でクラブハウスサンドがある」というものがあった。いままで気にかけたことがなかったが、どうやら店舗限定、エリア限定でしか食べられないサンドイッチがあるらしい。
そんなレアサンドイッチ情報、最推しカスタマイズ情報は、筆者個人的にまだまだ募集中である。

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