ファストフード特集 2021年5月24日

ピクルスの代わりにマックのハンバーガーに合う漬物を探す

マクドナルドのハンバーガーにはピクルスが入っている。

ピクルスとは古代メソポタミアで作られた漬物だそうだ。

一方、日本にも漬物は沢山ある。

これを試してみない手はない。

平成元年生まれ。令和から原始まで、古いものと新しいものが好き。

前の記事:英国有名レシピサイトの人気レシピなら、イギリス料理も美味しいのか

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今回用意したのは16種類

マックのピクルス、今でこそ好きだが子供の頃はなぜ入っているのか理解できなかった。

これだけ国民的な食べ物でありながら、あの独特の酸っぱさは結構とがっていると思う。

日本人の口に合う、ハンバーガー向けの漬物はもっと他にあるんじゃないか。

そんな期待を胸に食べ比べしよう。

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近所のスーパーだけでこの種類。日本は漬物大国だ
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ピクルスをそれぞれの漬物に入れ替えて食べていく
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健康を考えて4等分(途中から6等分)して食べ比べた
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まずはピクルスを単体で食べてみる

マックのピクルスは、ガーキンという短いキュウリの漬物だそうだ。

単体で食べてみると、思った以上に酸っぱく、その奥に甘みもある。

パサパサしがちなマックのバンズとパティに、凝縮されたみずみずしさをプラスしていることがわかる。

当たり前だがハンバーガーに合っている。

はたして、これを超えるものがあるんだろうか。

ハンバーガーに日本の漬物は全然違和感がない

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種類が多いので、先に総評をしたあとで特に良かったものを紹介したい

全体としては思った以上に違和感がなかった。おおむねすんなり馴染んでいた。

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特に最初のたくあんを食べた時は、違和感がなさすぎて笑ってしまった

中には微妙なものもあったが、合う合わないの境目は味よりもまず塩分濃度の問題が大きいようだ。

ご飯が欲しくなるしょっぱい系の漬物はハンバーガーに加えると塩っ辛さが前に出て合わない。

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例えば仙台南蛮味噌漬は白米と食べるとピリ辛でたいへん美味しいのだが…
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ハンバーガーに加えると味噌の風味が塩っ辛さに隠れてしまう

つぼ漬け、紅生姜、梅干しあたりもこのパターンだった。

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一方、糠漬けキュウリは味や塩気はいいが、生野菜っぽさがいまいちだった
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また、芝漬は紫蘇の風味が馴染まず、クラスのBBQパーティに混じれない黒髪パッツン女子って感じだ
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成功例としては、東京名産である大根の麹漬「べったら漬」は自然な甘味がよく合った

塩気が強くないこと、ある程度水分が抜けて風味が凝縮されていること、適度な歯ごたえがあることがハンバーガーに合うポイントのようだ。

それを踏まえて、ピクルスを超えてるかも…と感じた5つの漬物を紹介したい。

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5位…しょっぱい系の中で爪痕を残した高菜漬

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高菜はとんこつラーメンだけでなくハンバーガーにも合うのだ

高菜のパンチのある風味と程よい歯ごたえがアクセントになって、牛肉にマッチしつつ、うまいこと味を塗り替えている。

塩気よりも風味が前に出てくれる。

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ケチャップとの相性もよく、ちょっと工夫すればご当地バーガーとして活躍できそうな味だ

パンチのある風味といえばザーサイも似た傾向があったが、高菜に比べてちょっと塗り替えすぎというか、中華風味が強すぎた。

4位…漬物の王道、ふつうのたくあん

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最初に食べたからこそ、インパクトが強かったたくあん

口に入れると、あれ…まったく違和感がないぞ…!とびっくりして2枚目も食べてしまった。

シャクシャクとした歯ごたえがやや硬めのパティと馴染んでいいアクセントになっている。

ピクルスに比べて酸味が穏やかだし、さっぱりとしてむしろ日本人には馴染む味かもしれない。

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たまたま選んだのが甘口だったのがよかったようだ

べったら漬けとの比較は好き好きというか、最初に食べてインパクトの強かったたくあんを推した。

3位…ガーリックステーキの面影が見え隠れする、ニンニク醤油漬け

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瓶詰めのスタミナにんにくしょうゆ漬け。ちょっと変わり種だが、これも立派な漬物だ
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照り照りして食欲をそそる外観
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予想以上にしっかりガーリックステーキ風味になる

ハンバーガーと合わさることで、ニンニク臭さが目立たず、逆にパティの牛肉らしさが際立つ。ハンバーグを超えて、ステーキの面影が見え隠れする。

無論美味しい。

ローストしたニンニクとの違いは、漬物の方がみずみずしさがある点だ。

今回は1瓶200円弱のリーズナブルなものだったが、青森名産の高級なニンニク漬をつかったらすごいことになりそうだ。

2位…スモーキーに垢ぬける秋田産いぶりがっこ

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スライスされて「おかずがっこ」という微妙にあやしい名前だが、ちゃんと秋田産のもの

いぶりがっこはたくあんに似た秋田の漬物で、囲炉裏に吊るして燻製にするのが特徴である。

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郷土料理感は消え、燻製の香りがハンバーガーをすっごく垢ぬけた味に変えている

完全に馴染んでいる。言われなければいぶりがっこと気付く自信がない。

スモーキーな風味としっかりした歯応えのいいとこ取りで、アメリカの洒落たハンバーガーショップなんかにありそう。

田舎の浅黒い高校球児が、アメリカ留学をしたら急に垢ぬけて黒光りツーブロックBBQ好きになったような感じだ。

1位…さすが洋食に合う漬物ナンバーワン!福神漬け

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これ、めちゃくちゃ合う!

栄えある1位は漬物の中でも甘口の福神漬けである。

長年カレーのお供をしてきただけあって、洋風の味付けとは相性ばっちりだ。

ハンバーガーの中に入れると、ふわっと味に華やかさが出てくるのだ。

甘酸っぱさがフルーティーに感じられ、どこか南国っぽさまでただよってくる。

はっきりいってダントツだった。

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福神漬けのあらたな生きる道を発見した気分だ

ここからは番外編その1…フィレオフィッシュにみそ漬を加える

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ハンバーガー以外にもぜひ試してみたかった組み合わせがある

こないだの月餅さんのGW記事で、みそ漬け+マヨネーズで即席タルタルソースが作れるというものがあった。

ならばフィレオフィッシュに入れてみたら美味しいんじゃないか…と番外編として試してみた。

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新潟県の名産、越後みそ漬
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細かく刻んでタルタルソースに加える

これ、粒感がアクセントになって美味しいことは美味しいのだが、漬物自体の塩分濃度が高く、思った以上にしょっぱかった。

甘めのみそ漬なら間違いなく合うと思う。

べったら漬なんかもちょうどよいかもしれない。

番外編その2…珍味、ベーコン野沢菜バーガー

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こちらも番外編として、ベーコンレタスバーガーのレタスを葉物系の漬物に替えられるんじゃないかと思ったのだが…
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見た目以上に強烈な匂いがする

珍味である。

チーズの臭みと野沢菜の臭み(もとい旨味)が、お互いのクセの強さを引き立てあっている。

だんだん慣れてくると、これはこれでアリな気がしてくるが…かなりピーキーな味。

口ひげの濃い食通フランス人とかなら、セトレボーンと珍重してくれるかもしれない。

むしろ、もっと癖のあるチーズを使えばミラクルが起きるのかも…そういう可能性のある味だった。


あとから知ったが、京都の創作ハンバーガーショップには京漬物を入れる店もあるらしい。

これだけ試した後だと、そりゃあ美味しいだろうなと思う。

日本の漬物はハンバーガーに合うのだ。

とはいえ、最後にもう一度ピクルスを食べてみたら、やっぱりこれが美味しいような気もする。

自分の舌だけだと心許ないので、読者の皆さんもぜひ試してみてください。

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