特集 2018年11月30日

理想郷が湯河原にもあった

理想郷、それはなんだ。

当サイトではライターの斎藤充博さんが伊豆半島で「理想郷」を見つけている(記事)。

それから数年、今度は私が理想郷を見つけてしまった。しかも、伊豆半島とは別の場所に。

1986年生。大人げない大人を目指し、日夜くだらないことを考えています。ちぷたそ名義でも活動しています。

前の記事:横浜中華街の中心は昔「前橋町」だったし、「大坂町」「函館町」もあった


当サイトはそろそろ「定期的にライターが理想郷を見つけるメディア」と名乗っても良いのではとすら思っている。

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理想郷があった

私が見つけた理想郷は、神奈川県・湯河原にある。

湯河原駅から不動滝行きのバスで理想郷に辿り着くことができるのだ。しかも今回の理想郷もバス停の名称だ。またバス停か! もしかして、「理想郷」って名称のバス停はメジャーだったりするのだろうか。

理想郷を目指そう

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JR湯河原駅

さあ、いざ理想郷(ユートピア)へ。理想郷というぐらいだから争いも苦しみもない、さぞかし平和な世界が広がっているのだろう……。「理想郷」のある湯河原駅だ。最初に訪問したのはハロウィンの前だったので、狸がおめかししていた。

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ハロウィン仕様でおめかしする狸

狸というのは湯河原温泉伝説に関わる動物で、二匹の狸が温泉で傷を癒したところからはじまったという説がある。

湯河原温泉伝説

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万葉公園。滝もある広さ

湯河原の奥には万葉公園という中に滝があり、足湯施設もある森のような公園がある。その公園の中には、狸福神社という湯河原温泉伝説の狸当人(狸だが)が祀られる神社がある。

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万葉公園の中にある狸福神社

説明看板によると、土地の人が狩猟の弓で雄狸を傷つけた。傷つけられた雄狸は、温泉を見つけ、傷を癒してるとやけどを負った雌狸もやってきた。二匹は来る日も通うようになり、やがて恋仲になり、晴れて夫婦になったそうだ。二匹は人に化けてはこの温泉の良さを人に説き、旅人の願いを叶えて福をもたらす神の使いになったということだ。人に傷つけられたのに、人に温泉の良さを説くなんてなんていじらしい狸なの…!?

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祠の近くに二匹の狸がいるのだが……

恋愛成就にもご利益があるということだったが、何故か狸の像が3つあった。

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でも反対側にも狸がいるのだ。お前は誰だ……?

ふたつはつがいの狸として、もうひとつの狸の正体は一体……? 間男(狸だけど)だったらどうしようなどとついいらん心配をしてしまった。

「理想郷」へ

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理想郷です

さて、問題の「理想郷」バス停だが、万葉公園の近くの落合橋よりは駅寄りにある。理想郷!

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理想郷 Risokyo

バス停の名称にはばっちりと理想郷と書いてある。ほー、これが人類が夢にまで見た理想郷ですか。

で、この理想郷だけど、何があるかというと……。

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廃業していた

なんと! 目の前の店は現在廃業しているのである。ここに広がるはずのユートピアは??? かなりツタがはっていたので、廃業してから長い時間この状態だったんじゃないかと思われる。

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千歳川

理想郷のバス停のすぐそばには川が流れている。そしてこの川、県境なんだという。神奈川県と静岡県を分ける千歳川なのだ。

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いい川(しかも県境)

実はこの川が県境というのは、会議で西村さんと顔を合わせた時に聞いたので、訪問時は知らなかったことだ。果たして西村さんが「ぼくたち県境マニアにとっては理想郷ですよ」と言ったかどうかは知らない。

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現在地は「理想郷」

バス停の中に入ると、現在地の表示が「理想郷」なのがたまらなくいいと思う。とにかく既成事実として、私は今理想郷にいる。今、人から電話かかってきたら「今? 理想郷にいます」と出れるなとソワソワしてみたが、電話が震えることはなかった。

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湯河原理想郷

この先に湯河原温泉理想郷があるという。もしかしてこの先に理想郷の秘密が?

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理想郷周辺は傾斜のきつい坂と温泉宿などがあった

理想郷案内板のある傾斜のきつい坂を上がると、温泉宿や別荘などがあった。このあたりは一等地で芸能人やセレブの別荘も多いのだそう。ハッもしかしてだけど、「理想郷→ユートピア→湯~とぴあ」みたいなかんじで、温泉地だから湯をかけているのでは??

理想郷の秘密が知りたくて

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駅前にある湯河原町立 図書館で調べた

実際、気になって湯河原駅前にある図書館で文献を調べてみたのだが、理想郷という名称に関することは何も分からなかった。

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“理想郷”の真相は?

図書館で調べてもわからなかったので、このバスが通っている伊豆箱根鉄道にも問い合わせをしてみた。

すると……。このバス路線は1943年ぐらいからあるのだそう。1943年というと、終戦前だ。そして伊豆箱根鉄道さん自体合併して作られた会社さんで路線を通した時のことは文言で残っていなく、路線を通したその当時のことをわかる人間がいないんだとか。というわけで理想郷は謎の中に……。

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足湯施設・独歩の湯があるよ

理想郷という大層な名称の謎は謎のままだが、湯河原は足湯施設があり温泉を気軽に楽しめる。でも、足湯もいいが個人的には日帰りで温泉を楽しむのがおすすめだ。奥湯河原では日帰り入浴を受け入れている宿も多く見かける。湯河原の温泉はにおいがなくて、肌がすべすべする。

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途中立ち寄ったカフェ『一二一』で食べたとうふぷりん

あと、湯河原で食べたとうふぷりんも美味しかったし県境マニアにとっては神奈川県と静岡県を分ける県境がある。もしかしなくとも、理想郷ってここにあったのではないだろうか。幸せって気付きにくいけど実はそばにあるのかもしれないよね、とか言ってみる。

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“源泉郷”もいい名前

ちなみに理想郷よりも奥に行くと源泉郷もある。これもすごくいい響きだ。補足事項として、私は湯河原からバスではなく、不動滝まで歩いた。歩いていたからこそ「理想郷」を見つけることができたのだ。湯河原から不動滝まで距離にして5キロほどあったが、途中には神社もあるし(五所神社)軽く旅気分も味わえる。途中カフェに寄って適度に休みを取って、楽しく歩ききることができた。

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温泉街っぽい街並みもイイ

ただ、楽しく歩きつつも帰りにバスに乗ったらあっという間に駅についたので驚いてしまった。湯河原~不動滝間はバスの本数が結構多くて、私達が歩いている横を何本もバスが走っていった。もちろんバスでも楽しめるから、長距離歩くのに自信がない人はバスで回ってみることをオススメする。もちろん車でもいいよ!

 

今回歩いた道のりをマップに記しておいた。理想郷探しの指標になると嬉しい。

 


湯河原いいとこですね。理想郷もあるし

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理想郷は写ルンですでも撮ってみた。お気に入り
というわけで、理想郷は実際行ってみてもいいところで理想郷だった。ちなみに、記事を書くために調べていたら千葉にも別の理想郷・「鵜原理想郷」を見つけてしまった。きっとこの理想郷についても、忘れた頃にたどり着いた誰か違うライターが書いてくれるんじゃないかと思っている。
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