どういうことなのか、問い質したい
バンダイの発売した路線図のガシャポンとはこれである。東京メトロの地下鉄路線図を再現したフィギア「東京地下鉄立体路線図」だ。
(東京メトロだけのやつの商品写真)Amazonの画像を使用
残念ながら、現在はすでに販売されていないが、今年(2018年)の1月に発売された当時、SNSなどでバズりにバズった。
「ありそうでなかった!」と書いてあるが、おおかたの人は「ありそう」という部分に疑問を感じたかもしれない。「路線図のフィギアってありそうだよねー」なんて誰も思わなかったはずだ。
さらに、このフィギア、東京メトロの路線だけだったところに、
都営地下鉄の4路線を追加した「東京地下鉄立体路線図 フルコンプリートセット」を受注生産するという。
路線図などというニッチすぎるジャンルのマニアであるライターを二人も抱えるデイリーポータルZとしては、話を伺いにというか、いったいどういうことなのか、問い質しにいかなければならない。
というわけで、バンダイにやってきた。
右から筆者の西村、路線図好きライターの井上さん
はっきりいって「やられた」とおもった
問い質したのは、バンダイの大塚さん(左)と松原さん(右)。
大塚さん(左)と松原さん(右)
はっきり言おう、このガシャポンをみたとき、路線図好きとして「やられた」と思った。これは、おれが思いつきたかった。思いついたとしてもガシャポンにはできないんだけども。
ずいぶん前に、色付きそうめんや、
焼きそばの麺に色をつけて路線図をつくったりしていたので、その発想に近いところまではいっていたと思いたいが、なんだかくやしい。
これでもがんばったんですよ!
問い質す、などと鼻息荒くやってきたものの、現物をみせてもらえるとなり、うっかりテンションがあがってしまう。
ダンボールの中にうやうやしくしまわれた路線図……
うわー、でたー
まんなかに皇居の穴が空いている
盆栽の枝ぶりを褒めるじいさんとそんなに変わらないことにお気づきだろうか。路線図好きを自称するライター、ふたりともすでに初老だ。
海に向かって緩やかに傾斜している
なにがなにやらさっぱりかもしれないので、地名を入れてみた。
池袋や新宿よりも、新橋の方が低い
地下鉄は、なるべく地面にちかいところを通りたい。そのほうが、乗り降りもしやすいし、工事の費用もそんなにかからない。だから、支障がなければ、地面が高いところは高い場所に、低いところはそれなりの場所にトンネルを掘ることになる。東京の地表の、だいたいの位置がこのフィギアでわかるのだ。
そう思うと、上の写真でいうところの左側に伸びている青色の東西線と、緑色の新宿線がグイッと上に上がっているのもおもしろい。これはつまり、高架を走る部分が上に上がっているわけだ。
支柱と土台で美しく組み立てられるように
スタイリッシュ支柱(まっすぐの棒)と台
とにかくすごい路線図の再現度
銀座線(山吹色)と半蔵門線(紫色)、副都心線(茶色)の落差
渋谷駅は銀座線がビルの三階に部分にホームがあるが、一番深い副都心線は地下五階だ。その差八階。乗り換えできる同じ駅で八階も差がある駅、なかなかない。
好景気のグラフっぽい
日比谷線(灰色)と浅草線(ピンク)が、人形町の辺で上下が変わってる
半蔵門線(紫)が東西線(青)にまきつくように……
路線図にエロさを見出す大人たち。路線図、ジェンダー的に大丈夫だろうか。
高さのデータを調べるのが大変だった
基本的に、駅の高さが再現されている
現実の縮尺に合わせてもっと正確にすることも、できなくはないかもしれない。しかし、そうした場合、トンネルはそうめんみたいに細くなる上に、勾配のメリハリもあまりないものになってしまうらしい。
微小な違いを、増幅してみせる仕組みと考えれば、トランジスタのようなものかもしれない。
10年前で自分自身と技術が成長し実現できることに
自分自身のレベルと世の中の技術が進歩していた
やはり、3Dプリンタの登場は革命的であった。路線図のガシャポンは、3Dプリンタがあったからこそ世に出た商品ともいえるかもしれない。
路線図はダンゴムシみたいに全国区ではない
路線図のフィギア、よくぞ出してくれた!
大阪の地下鉄路線こちらです
売れてほしい
大阪、名古屋、福岡、はては、ロンドン、パリ、モスクワ、ニューヨーク。立体路線図の題材は無数にある。それが出るかどうかはこのコンプリートセットの売れ行き如何だ。
モスクワ地下鉄の立体路線図。欲しいでしょみなさん。
そう思うひとは、すぐに予約しよう!
「路線図ナイトin大阪」開催します!
デイリーポータルZ発のイベント『路線図ナイト』ですが、毎回満員御礼(本当に)で、大変ありがたいこってすが、このたび、大阪でも『路線図ナイトin大阪』を行うという無謀な挑戦を致します。
はたしてひとはくるのか。以下詳細です。
「路線図ナイトin大阪」
とき:2018年10月14日(日曜)18時スタート
ところ:ロフトプラスワンウエスト
料金:前売り2800円/当日3300円(飲食代別)※要1オーダー500円以上
出演:井上マサキ、西村まさゆき、スズキナオ(大阪在住ライター)、古賀及子(デイリーポータルZ編集)
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購入ページURL(パソコン/スマートフォン/携帯共通)
ロフトプラスワンウエスト電話→0662115592(16~24時)
※ご入場はプレイガイド整理番号順→ロフトプラスワンウエスト電話予約→当日の順となります。