まとめ
ということで、写真素材によっては沖縄を雪景色にすることも簡単にできてしまいそう。無理のある写真もあったが、今後のAIの進化でもっとそれっぽい写真ができるのかもしれない。
ちなみに、2月の沖縄ではこどもたちは冬どころか夏のような格好で遊んでいる。
これで雪が降ったら大変だ。
雪景色。それは沖縄人にとっての憧れの対象。
数年前に40年ぶり観測史上2回目のみぞれが降って大騒ぎになったことはあるが、一面に雪が降り積もることはないのが南国沖縄。
でもPhotoshopの機能を使えば、手軽に沖縄を雪景色にすることができるのだ。
見たことのない雪景色の沖縄をみてみよう!
昨年行われた「Adobe MAX 2021」というイベントで、Adobe社の製品(イラレとかフォトショップなどです)の新機能などが次々に発表されていたのだが、デモンストレーションを見ていて、思わず「うお!」と声をあげてしまったのがPhotoshopに追加された「ニューラルフィルター」の風景ミキサー。
ボタンひとつで、写真をまったく新しいものに生まれ変わらせるというもので、イベントでは青々とした山の風景が一瞬で雪に覆われた山岳になり、または夕焼けに包まれたりと、人の手でやるとしたら何時間もかかりそうなことが、ボタンひとつで一瞬でできてしまい、AIの技術すごすぎ!!と思わずにはいられないものだった。
この機能を使えば、雪の降らない沖縄を雪景色にできるのでは!?
ということで今まで撮り溜めた沖縄の写真を、フィルター機能だけで雪景色にできるのかをやってみた。
ニューラルフィルターには風景ミキサーだけでなく、いろんなものがある。まずはダウンロード。
やり方は加工したい画像を読み込んだら、プリセットで用意されている画像の中から加工後に近づけたいものを選び、下のスライダーで強度などを調整するだけ。
ふむふむ。
写真は竹富島にある旅館。
赤瓦の上にシーサーがいて、手前にはブーゲンビリアが咲き誇っている。
詳細な日にちは忘れたが、1月あたりに竹富島に行ったときに撮ったような記憶がある。
曇っている夏の写真だと言われたらそんな気もする。
この沖縄感満載の写真が、本当にボタンひとつで雪景色になるのか。
プリセットの中から左上の冬山を選ぶ。
え、あ、おお。え?
なんだろう。雪が降ったような感じは多少あるが、思っていたのと違う。色が抜けただけに見える。
要塞のようだと有名な名護市庁舎。
竣工したのは1981年(昭和56年)でその年の日本建築学会賞の作品賞も受賞している。
外壁のあちらこちらに花ブロックが使われていて2001年の沖縄サミットまではエアコンなしで、自然の風を取り入れて冷房代わりにしていたそう。
ああ。うん。
凍った感じはあるが、こういう加工をするという脳みそにフィルターがかかった状態なので凍っているように見えるだけで、何も知らずにこの写真を見たら廃墟にしか見えなさそうである。
建て替え工事が進む公設市場
沖縄観光におけるド定番スポットであったが2019年に建て替え工事がはじまった。写真は建て替え前のもの。
違う違う。
よく見ると文字のあたりに雪が積もってるような気もするが、屋内に雪景色にするのはAIでも結構至難の技っぽい。
ちなみに人間などは自動で加工対象から外される。
宮古島の海は本当にバスクリン色なのかで訪れた砂山ビーチ。
岩が侵食されてできた天然のトンネルがフォトジェニックな宮古島屈指の観光スポットである。
おお!初めて理想に近づいたぞ。
ただ天然のトンネルになっている岩部分は雪に覆われているように見えるが、後ろが青い海なので、どういうこと?と脳が混乱する。
改めて竹富島。
竹富島は「竹富島憲章」が制定されていて、建物を新築/増改築/修繕する際には、伝統的な様式を踏襲することになっている。
そんな街並みが一望できる展望台なごみの塔からの風景(以前は登れていたが現在は老朽化のため閉鎖中)。
おおおお!
沖縄感がなくなって、赤瓦屋根が茅葺き屋根のようにも見える。昔話の風景のようだ。
那覇市首里の赤田のみるくさま(平和と豊年を呼び寄せる神)ではどうか。
毎年秋頃にみるく様を先頭に一行が音楽を奏でながら集落を練り歩くお祭りが行われる。
石垣に雪が積もった!
ただみるく様は加工対象から外れたのでお腹が!かくして!冷えちゃう!
沖縄の夏の風物詩エイサー。
エイサーは説明するまでもないかもしれないが、旧盆に現世に戻ってくる祖先の霊を送迎するため、若者たちが歌と囃子に合わせ踊る伝統芸能。
猛吹雪!
最後は小浜島のシュガーロードにいたヤギ。
シュガーロードはドラマ「ちゅらさん」(20年以上前の朝ドラです)では、通学路として使われていたことで有名になったさとうきび畑をつき抜ける一本道。
ヤギは笑っていますね。
お顔が雪まみれ!
(被写体を保持にチェックを入れたら回避も可能です)
ということで、写真素材によっては沖縄を雪景色にすることも簡単にできてしまいそう。無理のある写真もあったが、今後のAIの進化でもっとそれっぽい写真ができるのかもしれない。
ちなみに、2月の沖縄ではこどもたちは冬どころか夏のような格好で遊んでいる。
これで雪が降ったら大変だ。
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