ウッドデッキを作りたい……!DIYに手を染めたものならば、一度は描く夢である。しかし、ウッドデッキ作りはとにかく面倒くさい。ざっと書き出しただけでめんどくさいことがこんなにある。
めちゃくちゃある。技術も根性もない人間でもなんとかなる方法を探ろう。
ここで心が折れる。唸りながら設計図を書いて、ホームセンターに行く前にどの木材が何本必要かメモして……大変すぎる。そこでおすすめしたいのがこちら。
気軽に木工の3D作図ができるソフト「もでりんクラウド」。筆者は3DソフトBlenderの講義を270分受けたがいまだに何がなんだがよくわからない。しかし、もでりんクラウドに関しては、使い方動画を10分見たらだいたい使えるようになった。操作画面はちょっと古めかしいが、できることの絞り方が絶妙でわかりやすい。
あらかじめセットされている2×4などの規格品を選択して、ブロックのように組み上げて行くだけで設計図ができてしまう。さらにワンクリックするだけで、どの木材が何本必要でどれぐらいの長さに切るか、いわゆる「木取り図」を自動で作ってくれる。この木取り図自動化機能がめちゃくちゃ便利。
これを持ってホームセンターに行けばいいだけ。お手軽すぎる。
ブラウザ上で動作するので何かダウンロードする必要もない。ID登録するだけで使える。運営のゼットソーさん、こんな素晴らしいソフトをありがとうございます。
ちなみにID登録を進める際「メールマガジンの登録を希望する」の選択肢がデフォルトで「不要」になっていた。どれだけいい会社なんだ!ゼットソーさん!株を!株を売ってくれ!「配信を希望する」を力を込めてクリックした。
もでりんクラウドの素晴らしさで1記事全然いけてしまうのだが、そろそろ話を元に戻そう。
今回の設計方針は「ノコギリを使わないウッドデッキ」
方針としてはこんな感じ
・サイズは、縦900mm×横1820mm×高さ219mm
・できる限り規格品(2×4 材1820mm)をそのまま使う
・カットが必要なところは全てホームセンターで切ってもらう。
「ウッドデッキとして小さくない?」と思われたかもしれない。確かにシングルベッドより小さい。しかし問題ない。小さいウッドデッキを必要な量だけ作ればいいのだ。我が家では4台作ることにした。
詳細はもでりんクラウドでどうぞ。他の人が作った作例を3Dで眺めたり、設計図や木取り図が簡単にダウンロードできてしまうのもすごい。自分で設計する必要すらない。
設計図ができたのでホームセンターへ材料調達に行こう。
ノコギリを使わず作る
作成した木取り図を持ってホームセンターに行き、木材カットをお願いする。自分ではやらずにホームセンターの店員さんにお願いする。なんと1回30円〜50円くらいでカットしてもらえる。
柱材は太く、自分ではまっすぐ切るのが難しい。ホームセンターの巨大なスライド丸ノコでズバッと一撃で切ってもらう。
今回使用する一番長い木材を「1820mm」としたのは別の目的もある。このサイズなら軽自動車でも載ることが多いのだ。
そして、ウッドデッキのモストオブめんどくさい「設置時の水平出し」だが、今回のように小型で可動式にするならばそこまで厳密にやる必要もないだろう。
台風の時などは飛ばないように注意が必要だが、日常的には束石の上に置くだけで充分に使える。
今回のウッドデッキは使用時に必要な形に並べなおすことを想定している。例えばこんな感じ。
通常モード
バーベキューモード
L字モード
1台なら大人2人で運べる。日影のある場所を求めて動かすなど気軽に場所を変えられるのも強みだ。
あと、ウッドデッキはペンキ塗りなどの定期的メンテナンスが必要だが、このウッドデッキは1台1台が軽いので手軽にひっくり返してペンキがぬれたりするのも利点。
正解がわからない材料選び
ここまでは割とすんなりときたのだが、材料選びが難しい。今後どれぐらいのペースで劣化していくかわからないからだ。材料は大きく分けると、ハードウッド・ソフトウッド・樹脂に分けられる。
ハードウッドは、ウリン・イペなど赤道付近に分布する広葉樹。雨の多い地域に生えている木なので水濡れに強く、桟橋などにも使われている。ぎちっと詰まっていてめちゃくちゃ重い。
ソフトウッドは、SPF(えぞ松・松・もみの略称)などいわゆるホームセンターでもよく見かける木材だ。
しかし、劣化がはやい。ペンキをかなり定期的に塗りなおす必要がある。ちなみにソフトウッドの耐久性を高めるために、防虫腐食薬剤を注入したものや、サーモウッドと呼ばれる加熱処理を施したものがあったりするが、お値段が2倍くらいになる。
樹脂材は、樹脂で木材を再現したもの。腐らず虫食いもなくお値段もそこそこ。これでいいじゃん!という気もするのだが、樹脂性のウッドデッキを放置したら謎の繊維が出るようになった例を見た(座ると服にくっつく)
何よりホームセンターで切ってもらえない気がする。ソフトウッドならウッドデッキひとつ作るのにおよそ6,000円(木材のみの値段)
ハードウッドだと3倍以上。立派な木材になるにつれてそもそも普通のホームセンターで取り扱っていない。値段で見ればソフトウッド一択なのだがすぐ痛んでしまう。悩ましい!
キシラデコールは、防虫・防腐・防カビ・撥水・UVカットの効果がある。木材を覆うのではなく染み込んでいくタイプなので自然な木目が残るのも嬉しい。4Lで8,500円くらいと結構なお値段だが、ソフトウッドは弱いので装備品ぐらい豪華なものを選ぼう。さらに使ってない時はブルーシートをかける。これで雨と紫外線が避けられるのでだいぶ持つはず。
最後に作り方をご紹介
足で直接触れる床板は丁寧にやすっておくと幸せになれる。紙やすりだとめちゃくちゃしんどいので電動サンダーがおすすめだ。
キシラデコールは油性なので油性用の刷毛を使おう。使い終わったら、古新聞やボロ布で拭き取ってからシンナーで洗う。
木材を木工用ビス、コーススレッドを使ってとめていく(さびを防ぐためにステンレス製がおすすめ)。床板の固定は見た目を気にして、丸頭釘をトンカチで叩いて仕上げた。コーススレッドでとめる方式とくらべると格段にめんどくさいが、作業しているうちに「綺麗に仕上げたい……!」と愛着がわいてしまったのだ。
今回4台作ったが、作業時間としては、材料確保に半日。やするのに1日。ペンキ塗りに1日。組み立てに半日くらいかかった。だいたい4日くらいあればできるぞ(ゴールデンウィーク中に作った)
さっそく使ってみよう
できたてのミラノ風ドリアが美味しいのと同じく、ウッドデッキもできたてが一番いい。どういうことかと言うと、できたては足触りがめちゃくちゃ気持ちいいのだ。
ソフトウッドはその名の通り、柔らかくてとても足触りがいい。鉄のように硬いハードウッドや樹脂ではこの心地よさは得られない。直射日光をあびても熱くなりにくいのもいいところ。楽しめるのはできたての今だけかもしれないが、貧弱ソフトウッドデッキだけの特権だ。
面倒くさがりでも何とかなるウッドデッキ
面倒くさがりでも何とか形にすべく今回のウッドデッキは作ったのだが、それでも大変だったし、なんだかんだで木材、ペンキ、クギや束石など揃えると合計40,000円くらいかかった。しかし、出来上がったウッドデッキで寝転びながら飲むビールは、脳が痺れるくらいうまいのだ。
作っている途中でウッドデッキに愛情が生まれてしまい、ダボ加工(コーススレッドをそのまま打ち込むと見た目が良くないので円柱型の木片「ダボ」を打ち込み、はみ出た部分をノコギリで切って埋める工程)してしまった。
つまりノコギリを使ってしまった。記事の前提が崩れてしまって申し訳ありません。今はただ、末長くスベスベでいてほしい。
【告知】
BOVAという広告コンテスト用に映像作りましたので、よかったらご覧ください!(たまたまなのですがみんな大好きニフティの広告です)
いそめくんのヒミツ/ニフティ
(若干ホラー要素がありますので怖いのが苦手な方は閲覧注意です)
同僚の茗荷くんも作ったのでこちらもぜひ!
つけたり消したり山田くん/関西電力
結果は両作とも落選だったぜ!