鹿の監視カメラができたぞ
鹿の監視カメラを夢見て作ってみたところ、想像以上に本物っぽいものができた。私が住んでいるのが、洋館ではなく、一人暮らしの狭い部屋で使いどころがないのが残念だ。
ホラー映画に登場する謎の洋館には、不気味な鹿の剥製が飾られている。そしてその鹿の剥製はほぼ100パーセントの確率で、家主が来訪者を覗くための「目」になっている。
※2011年11月に掲載された記事の写真画像を大きくして再掲載しました。
覗き穴として一番定番なのは「鹿の剥製監視カメラ」だろう(次点が肖像画の目に穴が空いてるパターン)。この鹿の監視カメラが欲しい。しかし、売っていない。仕方ないので作ろう。
とはいえ、鹿の剥製はどこで買ったらいいのだろう。さらに、鹿に仕込めるサイズのカメラなんてあるのだろうか。
調べてみると、剥製はヤフオクで普通に売っていた。カメラもボタン電池駆動の無線小型カメラを見つけた。早速注文。すぐに届いた。
鹿の剥製は5000円くらい。顔立ちのいい鹿は1万円を超えていた。鹿によっても値段があるのか。こちらが届いた鹿である。
このカメラ小さいことはもちろん、切り離せる
分離したカメラから無線で動画データを本体に飛ばすことができるのだ。かっこいい。分離したカメラ部分はちょうど眼球くらいのサイズだった。
素材は揃った。剥製を加工していこう。しかし。剥製の構造がどうなっているのかよくわからない。
剥製の首には、背骨の代わりに角材が入っている。角材にはシュロ縄がぐるぐると巻かれており、肉に当たる部分には藁が大量に詰められていた。藁を取りのぞき、首側から頭の方へ手を入れてみる。すると、指先でなにかゴツゴツした硬いものに触れた。
頭骨だ!
剥製って中に骨が入っているのか。硬い骨に覆われていて頭の中にカメラを仕込むことができない。仕方がないので、目から直接カメラを入れることにする。鹿の目を外す。
どうやら骨の上に粘土がコーティングされているようだ。粘土を取り出していくが、ここでもすぐに硬い骨にあたり、これ以上掘り出すことができない。
このままではカメラを仕込むことができない。仕方がないので眼窩のあたりを削って穴を拡げよう。鹿には申し訳ないが、リューターで削る。
気分が悪くなったが自業自得だ。好奇心で手を出していいものではなかった。時間をかけてなんとか削り終えた。カメラを入れ込む。
想像していたよりも違和感がない。パッと見、普通の剥製に見える。来訪者にバレないレベルのものができてしまった。
鏡に向かって撮影すると、カメラが映り込まないので不思議な映像になった。完成して気づいたが、この鹿カメラで動画を撮っても、通常時は、鹿本体がカメラに映りこまないので特に面白くない。残念だ。
鹿の監視カメラを夢見て作ってみたところ、想像以上に本物っぽいものができた。私が住んでいるのが、洋館ではなく、一人暮らしの狭い部屋で使いどころがないのが残念だ。
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