これ! この人たちです
どうだろう。
いや、どうだろうといわれても困るかもしれないが、ここまで大きくて幸せそうな男女の写真というのもなかなかないのではないか。
ビル側面の一角で大きく抱き合う男女。満面の笑み、そして交わされるプレゼント。
紳士服店にはほとんど縁がない私だが、街にあるのをよく見かける。無関係でありながら割と身近な存在だ。
思えば過去ふれ合ってきた多くの紳士服店の店先にこのように幸せそうな男女がいた。
気持ちは分かる、が、でかい
「なんで幸せそうな人を?」と疑問を投げかけてはみたものの、こういった写真を店にあしらう気持ちは分かる。雰囲気が幸せな方が、いいだろう。
外国人が多いのは日本人モデルよりも匿名性が高いこともあってより純粋にすてきな感じだけを出すことがでるんだと思う。
気持ちはわかるが、こうもでかいとやはり気になるじゃないか。
階段の一段一段にはってある……!
使われている写真としてはこれまで見てきたもののなかでもかなり多幸感が高い。
こうまでするのか。幸せで飾るという文化がかなり極まっていることがわかる。
「洋服の青山」だけじゃない
上記にあげた3店はすべて「洋服の青山」だが、調べたところ「コナカ」と「AOKI」の店頭にも巨大幸せ看板はあった。
青山、AOKI、コナカと横断しているとなると、この巨大幸せ看板は業界文化といっていい。
4つのチェーンの東京23区内店舗をチェック
ここであらためて腰をすえて調査してみよう。
青山、コナカ、はるやま、AOKIの4つの紳士服チェーン店の23区内の店舗を洗い出した。
すべて自力で回るのには無理があったのでGoogleストリートビューで店頭に幸せそうな人がいるかどうかをチェック。
ストリートビュー上でうまく店頭の様子が見られなかったり改装中だったりした店舗などもあったりしたのだが、見られた範囲での結果がこちらだ。
見るとどうやら青山がぶっちぎりで幸せそうなようだ。
コナカやAOKIではむしろ幸せな人のいる店舗のほうが少ないらしい。
はるやまはサンプルが2軒と少なく、その2軒とも幸せそうな人々の写真は見受けられなかった。
また調査では
・巨大な幸せ看板はロードサイドの大型店舗にみられる
・商店街や繁華街にある小型の店舗でもできるぎりギリギリまで大きく幸せを飾っている
ということもわかった。可能なサイズで幸せを掲げよう、ということのようだ。
ストーリーまでつむぎ始めた
勢いで写真をばんばん並べてしまった。
なんでこんなに紳士服店の幸せを追っているのか自分でも分からなくなってきているが、見失いそうになりながらも次々と電車で移動して幸せを確認していくうちに、一歩踏み込んだ店舗を発見したのでお知らせしたい。
練馬駅近くの青山 練馬区役所前店だ。
思いをはせすぎて輪廻を転生させてしまった。
高島平周辺は紳士服激戦区
さて、なんとまだ続く。
今回の調査で気づいたが板橋区の高島平周辺はどうも紳士服激戦区のようだ。
青山、AOKI、そしてコナカかなり近距離に集まっている。どんだけ紳士がいるんだこの辺りはと思う拮抗ぶり。
幸せ度はどうか。
青山、AOKIの幸せは確認した。残るはコナカだ。
事前に確認してある住所のあたりをうろうろするのだが、それらしき店舗がない。
なんと、どうやらなくなってしまったらしいのだ!
紳士服業界もシビアな世界だ。ディスプレイの人々は幸せそうだが、最後にその厳しさも知ったのであった。
気付くと不思議だ 大きな写真
紳士服の店頭の巨大な幸せそうな人々は、思った以上に幅をきかせていた。
気付かなければ、一生彼らを「幸せそうよねえ」と思うことはなかったと思う。
今回の調査中、パチンコ店など他にも幸せそうなでかい看板がないか気にしていたが、あまり見受けられなかった。
紳士服の独自文化だ。気づいて見て回れておいてよかった。
※あらためてこちらは2008年11月の記事の写真を大きくして一部修正した再掲版です。ディスプレイの状況は現在はかなり違うものと思われます。こういう街の景色は10年でかなり古くなりますね。