実写化の波が来ている、俺に
3つの街のカントリーサインを実写化した。それぞれ別の方法で実写化できたのではないだろうか。まさかカントリーサインに自分が登場(手と足だけだけど)するとは思わなかった。実写化とは自分が出演できるかもしれない、という夢のあることなのだ。

カントリーサインというものがある。市町村などの境に設置された標識の一種で、北海道ではほぼ全ての市町村でカントリーサインが設置されている。その街が1枚のイラストで表現されていて、名物や名勝等がわかるのでワクワクする。
カントリーサインはイラストで構成されている。その街に多くの場合、本当にあるものだけれどイラストなのだ。ということは、実写化することができるのではないだろうか。
北海道を走っているとカントリーサインをよく見かける。それを見つけると新しい街に入ったんだと実感できるし、その街がどのような街なのかも理解できる。シンボルとなるものがカントリーサインには描かれているからだ。
たとえば、上記は紋別市のカントリーサインだ。1982年の「紋別流氷アートフェスティバル」の会場で展示された「カニの爪オブジェ」と、流氷の海を進む砕氷船「ガリンコ号」が描かれている。紋別を代表する二つだ。
紋別の街を走れば、その2つが確かに街にはあり、カントリーサインで見たものだ、という感動もあるし、紋別について知らずに来れば、描かれたものを見に行こうとなる。今回はそんなカントリーサインを実写化したいと思う。その街を紹介しつつ、実写化するのだ。
実写化の1つ目は網走市。網走と言えば網走監獄を思い浮かべる人が多いのではないだろうか。そのような映画もたくさんある。また毎年9月にはオホーツク網走マラソンも開催される。私も出場したことがある、2回も。
カントリーサインは2つのもので構成されている。一つは流氷だ。網走は岩礁が少なく、季節になり流氷が接岸すると近くで見ることができる。網走流氷観光砕氷船「おーろら」もあり毎年1月から4月頭まで走っている。
もう一つが「ニポポ」だ。網走の郷土玩具として全国的に知られているのではないだろうか。こけしのような形状でニポポは「小さな木の人形」を意味する。この2つを集めて合成すればカントリーサインは実写化できるわけだ。
天都山に大きなニポポが設置してある。それを撮った。問題は流氷である。季節は夏であり、どう考えても流氷は網走の海に浮かんでいない。実際浮かんでいなかった。綺麗な青い海だ。
でも大丈夫、網走には「オホーツク流氷館」という一年中流氷を展示している施設があるのだ。そこに行けば流氷を見ることができるし、クリオネを見ることもできる。ちなみに先の大きなニポポもオホーツク流氷館の横にある。
これで網走のカントリーサインに必要な素材は揃った。これらをパソコンを使い合成する。私がその作業をしている間に、網走の他の見所を紹介したいと思う。網走は魅了に溢れているのだ。
能取岬は航空会社のCMでも使われた場所だ。卯原内交通公園には、大正9年度に製造された機関車が展示されている。セイコーマートもあり、北海道らしい美味しいものを買うことができる。それでは完成したカントリーサインをどうぞ。
原作に忠実に実写化されていると思う。世界はいま実写化ブームで、マンガ原作の映画やドラマが多々制作されている。その一つとして、カントリーサインの実写化はいかがですか。作っていても、なかなか面白いのだ。
次は市町村の面積としては全国で9番目に広い「遠軽町」のカントリーサインを実写化したいと思う。2005年に遠軽町、生田原町、丸瀬布町、白滝村が合併し誕生した、比較的新しい自治体と言える。
カントリーサインには「瞰望岩」がメインに描かれ、その下にコスモスが置かれている。ただコスモスは簡略化され色だけだ。花がそれぞれ描かれているわけではない。これを実写化する。
瞰望岩は地上から約78メートルあり、アイヌ語では「インカルシ」と言い、見晴らしの良いところという意味になる。高く目立つという意味でもカントリーサインに描くにはいいかもしれない。
コスモスは私が訪れた時は完全に時期ではなかったので、とりあえず蒸気機関車を見に行った。どちらにしろコスモスは色として描かれているだけなので、とりあえず蒸気機関車なのだ。丸瀬布森林公園いこいの森に行くと乗ることもできる。
国内唯一の動く森林鉄道蒸気機関車だそうだ。実は2005年に合併する前、丸瀬布町が一つの町であった頃のカントリーサインは蒸気機関車だった。今は遠軽町になったのでそのカントリーサインを見ることはできない。
遠軽町にもセイコーマートは存在する。もれなく美味しい。幸せは買うことができるのだ。セイコーマートに行けば幸せを買うことができる。だって食べると幸せになるんだもん。自分が何をしに来たかも忘れるほどの幸せ。でも思い出す。実写化だ。
コスモスは色で表現されていたので、色画用紙で作ることにした。もう合成はしない。その場でカントリーサインと同じ景色を作り出すのだ。瞰望岩の前に作った色画用紙を持って行き、写真を撮れば、カントリーサインが実写化されるのだ。
美しき実写になっている。瞰望岩の直下にはコスモス畑はないので、このようにするのがベストな方法なのだ。カントリーサインでしか見ることのできなかった景色を実際に作る喜び。実写化は素晴らしいのだ。
最後は佐呂間町のカントリーサインを実写化する。佐呂間町は名前からもわかるようにサロマ湖がある街だ。さらにかぼちゃの生産も多い。麦や甜菜、大豆なども生産しているけれど、栽培面積が最も多いのがかぼちゃなのだ。
今までの傾向ではサロマ湖とかぼちゃの組み合わせで来ると思っていた。サロマ湖にかぼちゃが浮かんでいる感じ。でも、違う。黄色い手と黄色い足を生やしたかぼちゃがこちらを向いて微笑んでいる。カントリーサイン、いろいろあって面白い。
サロマ湖は美しかった。日本最大の汽水湖だ。ただカントリーサインにはサロマ湖の要素はない。サロマ湖は佐呂間町だけではなく、北見市や紋別町にまたがっているからかもしれない。
やはりかぼちゃなのだ。9月にはかぼちゃをメインに据えた「シンデレラ夢まつり」というものも行われている。もちろん佐呂間町にはかぼちゃ以外の魅力もある。
やっぱり蒸気機関車だ。カッコいい。函館市にあったものを展示しているそうだ。国鉄湧網線の歴史を地域に残す目的だ。偶然だけれど、今回実写化する3つの街には全部蒸気機関車があった。
もちろんセイコーマートもある。北海道にはセイコーマートがあるのだ。嬉しいことだ。美味しいのだ。ありがとう。ではいよいよ佐呂間町のカントリーサインを実写化したいと思う。
かぼちゃは佐呂間町産を見つけることができなくて、メキシコ産だけれど、カントリーサインを実写化できている。このカントリーサインを見た時は頭を抱えたけれど、実写化できるのだ。
非常に腹筋を使う撮影ではあった。それが実写化だ。一応、サロマ湖をバックに撮ってはいるけれど、微塵もサロマ湖を感じないと思う。それはなぜか、佐呂間町はかぼちゃの街だからだ。
3つの街のカントリーサインを実写化した。それぞれ別の方法で実写化できたのではないだろうか。まさかカントリーサインに自分が登場(手と足だけだけど)するとは思わなかった。実写化とは自分が出演できるかもしれない、という夢のあることなのだ。
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