魚は切り身よりも首尾のついているものがいい。気軽に用意できるのは鯖だが、余裕があれば鯛なんかを用意できると抜群だ。
魚を供えるときはお腹を神前に、頭を上位側に向けて供える。神様にとって食べやすく、また美しく見えるようにするのだ。
「海腹川背」といって海の魚はお腹を神様に向けて、川の魚は背を神様に向けるという話もある。ただ、筆者は海魚・川魚は区別せず腹を神様に向けると教わったし、手元にある書物も同様のことが書いてある。
しかし、神社界では上下関係が絶対だ。先輩神職や宮司が「海腹川背で供える」と言えばそれが10,000%正しくなる。この点だけは気をつけよう。
鳥については雉や鴨が一般的らしいが(今回調べてはじめて知った)、用意するのが難しいので卵で代用する神社も多いのではないだろうか。僕が知っている神社はそうだ。
野菜も魚と同じく、上下に気を配る必要がある。太い部分を上位としたり、地中に埋まってるほうを下位としたりと様々だ。ルールを考えて筋を一本通すといい。
また、ネギやニラなどの臭いの強いものは適さないとされる。可能ならば地場の旬ものがいいだろう。
菓は果物でも菓子でもいいが、果物で供えることが多いのではないか。こればっかりは外国産に頼らざるを得ない部分がある。
野菜にも言えることだが、できるだけ多くの種類を用意して盛るときには高さを出して華やかにしよう。果物と野菜はカラフルで形も様々なので工夫して盛り付けるのが楽しい。
塩と水は専用容器があるのでそれらを用いて供える。私と縁のある神社では塩と水を分けずに同じ三方に乗せるのが普通だ。
塩はいわゆる盛り塩のように成形する。しゃもじでも固められるが技術を要するので、専用の固め器を使うと簡単にうまくいく。
また、塩と水では塩のほうが上位になるので、塩を上位側に置いて供えることを忘れないようにしたい。
以上!これだけ分かっていれば神職顔負けの神饌の盛り付けができるだろう。
家の神棚や御札に神饌を供えるときも、このルールに従えばより丁寧な奉仕となる。
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