特集 2024年8月7日

昔の小型ゲームは音がでかいし、今の小型ゲームはファッションアイテムになった

小学生の頃、キーホルダー型の小型ゲームを買ってもらったことがある。中身は妙に難しいブロックくずしで、事あるごとに持ち歩き、ちょっとした待ち時間などに遊びまくっていたものだ。

ああいう小型ゲーム、いいよな。また遊んでみたいな。遊ぶか。

1993年群馬生まれ、神奈川在住。会社員です。辛いものが好きですが、おなかが弱いので食べた後大抵ぐったりします。好きな調味料は花椒。

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メルカリにはなんでも売っている

かれこれ30年くらい前、「たまごっち」を筆頭にキーホルダー型の小型ゲームがそれはもうどえらい勢いで流行ったことがあった。

私は流行ドンピシャの世代ではないのだが、それでも先に挙げたブロックくずしやデジタルモンスター、たまごっちを模倣したなんだか良くわからない育成ゲームなどを熱心に遊んでいた覚えがある。

そういえば最近あの手のゲームを見かけないな、また遊びたいな、と思ったので早速メルカリで探してみた。

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あった。これだ。完全にこれ。

私が当時死に物ぐるいで遊んでいたブロックくずしと全く同型のゲームがあった。うわー、これだよこれ。

内容はブロックくずしではなくテトリスだけど、ありがたすぎる。もうこれだけで個人的にはノスタルジーで胸がいっぱいである。

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サイズはこんな感じ。キーホルダーにできるくらいなので本当に小さい

なんかさ、こういうおもちゃが沢山あったじゃん、当時。ピカチュウを育てる「ポケットピカチュウ」とかさ、ドラクエのスライムを育てる「あるくんです」とかさ。そういう記憶を大事にしていきたいよね。今日はね、そんな日。

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小型ゲームは目が疲れる

早速遊んでみよう。まともに遊べるだろうか。


ちゃんと動く!遊べそう!

おなじみのあの音楽が流れ、操作可能な状態に。

ちょっと左ボタンの効きが悪いけどまともに遊べそうだ。

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きちんとラインも消せる。味わい......

きわめてシンプルな画面をこねこねと動かすたびに「ボッ」「ボッ」と電子音が鳴り響く。

この冷たさすら感じる無機質な感じがいい。これが小型ゲームだ。

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数十分遊んでなんとか45ライン5800点。ちなみに今更ですが、この手の液晶のある小型ゲームのことをLCDゲームと呼んだりするらしいですよ

楽しい。あまりにも楽しい。ずっと遊んでいられる。

いや、うそだ。楽しいけど、ちょっと液晶もボタンも、全てが小さすぎるかもしれない。

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こうね、眉間のあたりに来るんですよ、辛さが

このゲーム、こんなに小さかったっけ?昔は疲れもせず一生遊んでた気がするけど?

ついそう思ってしまったが、これは明確に年月のせいである。

ゲームが小さいんじゃなくて、おれがでかくなってしまったんだ。

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切ない。あと単純にテトリスが得意じゃないから余計に疲れる
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音楽ゲームは小型でもしっかり遊べる

懐かしついでに気になるものが売っていたので併せて買ってみた。

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これだ。beat mania ポケット。

beat mania といえば昔からゲームセンターに鎮座している音楽ゲームである。音楽に合わせてリズムよく鍵盤を叩いたりターンテーブルを回したりするのだ。

それの小型ゲーム版である。そういうのもあったのか、初めて見たぞ。

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点けると早速豆粒のような点が流れてきた。これが一番下に到達するのに合わせて対応するボタンを押す
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ターンテーブルも「触ったら押したことになる」とかではなく、ギュッと回せるようになっているので、これまたタイミングよく回していく

あっこれ......楽しい!

基本的に音楽ゲームって「流れてくるアイコンに合わせてボタンを押す」ことがほとんど全てなので、こんなに小型でもゲーム性が損なわれておらず、しっかり遊べるようになっているのだ。

小型音楽ゲーム、かなりアリかもしれない。

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ベストタイミングでボタンを押すとKONAMIのロゴが光る。ゲーム機としての作りこみもすごい
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さらにさらにこの正方形の部分は音楽に合わせてムービーが流れるのだが、ボタン操作には一切関係ない。でも画面の半分を占めている。こだわりだ(ゲームセンターのbeat mania にも同様にプレイ中に流れるムービーがある)
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昔の小型ゲームは音がでかい

ただ、beat mania ポケットにも一つだけ難があった。

というかテトリスも同様なのだが、とにかく音がでかいのだ。

動画越しでは伝わらないが、結構容赦なく鳴っている。おれがお母さんだったら3曲目で怒ってる

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一応beat maniaの方には音量調節スイッチがあるのだが、あまり役目を果たしているとはいいがたい(一番小さい音量でも十分でかい)
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さらにさらにイヤホンジャックもあるのだが、イヤホンを刺しても音はでかい。しかもイヤホンを刺すと音量調節はできない。難しいことをおっしゃる......

確かに思い起こせば私が遊んでいたブロックくずしももっぱら音を出さずに遊んでいた気がする。皆もそうだったのかな。それともお母さんに怒られながら遊んでいたのかな。

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現代の小型ゲームはファッションとなった

しかしこの手の小型ゲームってもう現代には存在しないのだろうか。今の小さい子はもうNintendo Switch とか Play Station 5 とかにかぶりつきなのだろうか。

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試しにでかい家電量販店やにも雑貨屋をまわってみたが、さっぱり見つからなかった

まあ、きょうび他にいくらでも遊ぶものがあるしなあ。

そう思ってあきらめてPARCOなどでお買い物をしていたところ、それは唐突に現れた。

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えっ?これじゃん

思い描いていた通りの小型ゲームだ。ちゃんとキーホルダーにもなっている。

何?どこの何屋?

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服屋だ

服屋。つまりそれは、ゲーム機ではなくキーホルダーとして売られていたのだ。

キーホルダー型の小型ゲームはゲームとしての役目を全うし、「当時あったエモアイテム」としてファッションの一つとして生まれ変わったのだ。

いや、元々キーホルダーなのだから原点回帰なのかもしれない。ともかく現代においては「キーホルダー」の方に光が当てられ、生き残っていたのだ。

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慌てて2つ買った。よく見ると色も派手でますますオシャレアイテムっぽい
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一応電池を入れてみたが、うんともすんとも反応しなかった。本当にキーホルダーなんだ

その後も少し探してみたが、結局実際に遊べる形のキーホルダー型の小型ゲームは見つけることができなかった。

でもキーホルダーとしてこの現代に生きていることは分かった。今はそれで十分なので、引き続き30年前のテトリスで遊ぼうと思う。

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中をよく見たら基盤がだいぶ古そうだった。もしかしたら元々遊べたけど劣化して遊べなくなった在庫がキーホルダーとして流通している、とかもあるのかなと思った
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