こうやって見てみると、見た目はほとんど差がない。そしてほとんどが具なしで食べられる。
結局各社のルウの紹介か?というレポートでしたが、皆さんどうぞ参考にしてください。まったく食事を作る気力のないとき、まったく肉や野菜を買うお金がないとき、思い出してください。具なしでもいけるのだということを。
こうして、ほぼ1か月分はあろうかという「具なしカレー」ができあがった。いろんなことして食べよう。
カレーが好きだ、大好きだ。毎日でもいい、カレーが食べたい。食べたいからといって、毎日分のカレーの買い置きをしているわけでもない。もしそんなとき、たまたまTVなどでカレーを目にしたとしたら、待たずにすぐさま買いに走る、それくらい、カレーには人を(というか私を)動かす起爆力がある。
ある日、夜中にTVでカレーを見てしまった。自分のカレーボタン、スイッチオン。しかし外は雨、夜中だしちょっと面倒だ。そんなときふと、戸棚にカレールウの残りがあったのを思い出した。しかし家を空けていたため、野菜や肉類の買い置きがない。でもカレー食べたい。でも肉……。
もういいやと思って、ルウだけを煮て食べた。意外にうまかったのだ。それならと、いろいろ試してみることにした。
※2005年10月に掲載された記事を、AIにより画像を拡大して加筆修正のうえ再掲載しました。
カレー屋でも、「当店は肉や野菜を形がなくなるまで煮込んであるので、見た目はサラサラです」なんてところがあるだろう。野菜のうまみ、肉のコクが溶かし込まれていて、深い味わい。
今回自分が作りますものは、最初から具なんてない。たまねぎもない。お湯カレーである。といっても、元のルウにいろいろ入ってるんだから大丈夫だろうと期待して……。
基本的に中辛を、そしてなるべくバリエーションを持たせて買ってみた。まず作りますのは「ハウス こくまろ」。ふだん自分が使うことの多いルウである。「コクのカレーとまろやかなカレーをブレンドした」と書いてある。おお、コク。ならこのままでもOKでは?なんて裏を見ると、「作り方」にはまず「鍋で肉・野菜を炒めます」。
でもいいや、原材料には「オニオンパウダー」「野菜エキス」「チーズ」なんてのも見えるし。お湯を沸かして、鍋にそのまま投入。ぶっこめ!ぶっこめ!
…ぶっこんでから2分でできた。できた、というか溶けきった。超早い。レトルトより早い。普通に作れば30分はかかるところだ。さて食べてみましょう。
…これはこれでいいような気がする。具を入れたときとあまり変わらない気がする。
ナスやトマト、しめじやアスパラ、ヨーグルトやチョコレート、コンソメスープの素・・・今まで私が手間をかけて投入していた、あれらの具材はいったいなんだったんだ。
ということは、他のカレールウも、今は最初からいろいろと手間をかけられているわけだから、具なしでも十分いけるのではないだろうか。
二日酔いの翌日、私は甘口カレーがすごく食べたくなる。話がそれた。
で、具なしでもやはり「甘い」。ああ、甘い。カレーじゃないみたいだ。
これもけっこうふだん使う。何気なく買っていたが、パッケージには「深いコクと琥珀色のソテー・ド・オニオン」と見慣れぬ語が書いてある。原材料表示にも「ソテー・ド・オニオン」と、「ド」付きでお目見え。
確かに、匂いと味にはたまねぎを炒めた香ばしさがよく出ており、なかなかいい味だ。
ヨオロッパの人に「中辛」という概念があるかどうかわからないが、欧風カレーである。そして欧風ってことでか知らないが、かなりのコクがあり、具なしでは厳しい。ご飯とのバランスが悪い。
食べて「カクンッ」とこけた。具のために考えられたカレーなのだろう。
これもサブタイトルに「欧風カレー」とあって、またも「コク」が喧伝されている。
中に小袋が入っており、「材料を煮込む時に加えてください」と書いてあり、歯噛みする思いである。
お味は、たまねぎペーストがチャツネのような風味を出し、それによってかわからないがなぜかアジアっぽい、すっぱいような味がした。
これもまたこんなことを言ってくる。
魚介類も何も、うちには何もないんです。帰ってください・・・。
まあ、わざとこういうものを買ってきたわけだが。味は魚介を意識してか、地中海カレーという感じ。ソースがカレーっぽくない。カレーと言うより、何か他のソースっぽい感じ。あれ、何だか言葉がおかしいな。
「極」といい、「絶品」といい、グリコはいったいどうしたんだろう。でも昔から、練り状の「ワンタッチカレー」など変り種を打ち出しているメーカーならでは、という気もする。
チョコじゃないですよ。これルウ。2層ルウ。パッケージにもこのルウの図解があり、図解好きにはそそられるものがある。
ちなみに外側が「香り高いルウ」、内側が「コクを出すペースト」だそうだ。
外食で食べる欧風カレーに近い。このままでまったくOKだ。箱には「デュクセルソース」と書いてあって、なんとなく納得しておいた。
見たことないカレー。値段は他のカレーのほぼ2倍、そしてラップにくるまれて売っているという、やんごとなきカレー。
味は、えーと、ひなびた感じというか、一番本場っぽい味です。舌の上で、スパイスの身元をたどれます。
具ありきのカレーだと思う。
こうやって見てみると、見た目はほとんど差がない。そしてほとんどが具なしで食べられる。
結局各社のルウの紹介か?というレポートでしたが、皆さんどうぞ参考にしてください。まったく食事を作る気力のないとき、まったく肉や野菜を買うお金がないとき、思い出してください。具なしでもいけるのだということを。
こうして、ほぼ1か月分はあろうかという「具なしカレー」ができあがった。いろんなことして食べよう。
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