うぬぼれ厳禁
作文を除いて90%は取れた。うまくいけば150点満点の140点以上は取れるだろう。ところがこの本によると、上海の甘泉外国語中学校では毎年100人近くが日本語科目で受験し、平均点は136点ということだ。みなものすごく高得点で驚かされた。
また日本語で仕事をする中国人にこれを見せたら「簡単デスネ、日本語検定試験1級より簡単デスヨ。二級位デスカネ」ともいわれた。
頭のいい中国人はいくらでもいる。日本語能力すら、すごい中国人に負けかねない。うぬぼれてはいけないのだ。
中国にもセンター試験のような大学入試試験がある。「高考(ガオカオ)」といい、毎年6月に行われる。日本以上に受験戦争が激しい中国だから、学生にとって高考の結果は、のちの人生に大きな影響を与えるかもしれない。
ところで日本のセンター試験では、外国語の試験として英語ではなく中国語が選べる。同様に中国の高考でも英語ではなく日本語を試験科目として選択することができる。
受験科目が日本語ならば! 受験生がどんなレベルのテストを受けるかわかる。それに英語の試験もきっと同程度のレベルだろうから、アメリカ人やイギリス人などのネイティブの英語使いがセンター試験の英語を見た時のような気持ちが体験できるはず!
気になったら中国の書店にGo! 高考の日本語試験問題集をゲットした!
買った参考書は華東理工大学出版社の「高考日語模擬試巻」で、値段は36.8元(だいたい600円)。センター試験で「中国語」や「ドイツ語」などの科目の入試問題集がレアなように、高考での「日本語」の入試問題集もレアで、なかなか本屋では見つけづらい品物だ。確実に買うのならAmazonで買っちゃったほうが楽だろう。
この本には8回分の模擬試験があるので、8回分の「俺ってトップ合格ができるんじゃね!」が体験できるわけだ。大学入試の際、頭を悩ませ続けた経験しかない僕には精神清涼剤になりそうだし、ドラえもんの天才になる道具を使って気分がよくなるのび太のようになれそうだ。
本の裏表紙や試験用紙にはQRコードが印字されている。QRコードによる電子決済が普及しているという中国。リスニング問題もあるけれど、問題用紙の上に印字されているQRコードをスキャンすれば、アップされた音声ファイルへアクセスし、リスニング問題を再生してくれる。ありがとうQRコードを開発した株式会社デンソーウェーブ!
高考の日本語のテスト、時間は120分で満点は150点だ。点数の内訳と、この本に書かれた回答時間の目安はこうだ。
・リスニングが30点(1問2点×15問)、20分
・文法問題が40点(1問1点×40問)、30分
・読解問題が50点(1問2.5点×20問)、45分
・作文が30点、25分
長丁場だし、問題数が多いような気がする。日本語だからいいものの、外国語のテストをやるとなると大変だよなあ。
日本人の本気を出してみるべく問題をはじめる。ページをめくりQRコードをスキャン。スマホからの音声を聞きながら、問題を見て、ABCの3つの回答から正答を選択する。スマホから出てくる音声はネイティブではなく、どこかぎこちない。センター試験の英語もネイティブにとってはおかしく聞こえるのだろうか。
ここで問題を見てみよう。
ウィーチャットはLINEのようなチャットアプリのことだ。いきなり「ダウンロード」で「無料」で「相手がいないのにしゃべる」等と言われても、知らない人は「なんだこれは!?」となるけれど、当然知ってる前提だ。中国人は読めば誰でも理解できるのだろう。
ウィーチャットはLINEと違って、中国ではスマホに向かってしゃべって、メッセージを吹き込むような使い方で使われる。だから「相手がいないのにしゃべるって周りに変に思われる」と書いてあるわけだ。どうせ中国のソフトだからほめるのだろうと思うと間違える。答えはA「使い方になれません」なわけで。
問題はすすむ。はじめの7問までは音声ひとつにつき1つの問題だけだったが、途中から2問となる。
中国ならではの話題だけでなく、日本ならではの話題も出てくる。この大学入試に限らず中国の日本語のテストでは、この手の地名や路線名が次から次へ出てくる問題がよく出る。つまりは電車の乗り方問題は日本語テストの定番であり、日本語を勉強するなら駅のアナウンスくらい聞けるようになれ、ということらしい。
音声を聴いて答える第一部分は終わり、第二部分へ。
続いて文法問題となる。ABCDからカッコの中に入れるのに正しいものを選ぶ。
日本人だから、なんでかわからないけど答えがわかる。答えはこれしかないとばかりに、どんどん答えを埋めていく。センター試験の英語に、英語ネイティブが余裕でこたえられる気持ちはまさにこれだ。圧倒的学力を感じる…!
「交通ルールを守らない」とか「土豪とは」とか「中国では環境保護も重視」とか「金があれば何をしてもよいという考えを改めるべき」などといった中国らしい文が次々と出てくる。日本の外国語の試験も日本事情に即した英文が多いのだろうなあ。
第二部分の最後の問題では、日本の常識問題が問われる。ほかの模試の問題では「俳句の文字数は全部で何文字?」「日本の地形で一番多いのは、平野/山地/高原/低地のどれ?」とかいう問題があった。日本を知らなくてはならないようだ。
第三部分は読解だ。様々な文章について読まされ、カッコの中に接続詞をいれたり、「『それ』が意味するもの」を答えたり、「この文章の言いたいことはどれか」を答えたりする問題だ。小学校か中学校のテストでよく出てきた問題だ。英語の試験と違ってすっと読めてうれしい。
ところがたまに「?」となる問題がある。上の(ア)がそう。「「ごちそう」は、もともと「馳走」という(ア)から出た言葉です。」とある。この(ア)についての問題だ。
ここで僕は「漢語」か「古語」かわからず、Dの「古語」を選択。正解はAの「漢語」でパーフェクトを逃す。なんてこった。。。
ついでに下記の別問題でも間違えた。うーん、難しいのか、問題が間違っているのか。
最後の第四部パートは作文だ。300文字から350文字の間でお題に沿った作文を書く。
たとえば中国人留学生が台風の中でおぼれている日本人小学生を助けたというニュースについて、作文で描写し、日本人による評価を書き、最後に感想で締めるという内容で、かつ「です、ます」調で書くというものだ。
ほかの模試の回では、異文化交流についてや、中国の交通ルールの問題について、出されたグラフを分析して日本語で書くなど、様々なお題があった。英語の試験でも同様に書かされるだろうから大変だ。
作文を除いて90%は取れた。うまくいけば150点満点の140点以上は取れるだろう。ところがこの本によると、上海の甘泉外国語中学校では毎年100人近くが日本語科目で受験し、平均点は136点ということだ。みなものすごく高得点で驚かされた。
また日本語で仕事をする中国人にこれを見せたら「簡単デスネ、日本語検定試験1級より簡単デスヨ。二級位デスカネ」ともいわれた。
頭のいい中国人はいくらでもいる。日本語能力すら、すごい中国人に負けかねない。うぬぼれてはいけないのだ。
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