缶詰ディナー
実は今回こういう記事を書こうと思いついたのは、僕が別のサイトでやらせてもらっている「つつまし酒」という連載がきっかけでした。
上のような思いに端を発し、家の備蓄ゾーンから賞味期限間近、および賞味期限切れの缶詰を3つひっぱりだしてきて、ベランダで「缶ベキュー」をしてみたら、非常に楽しかったというわけ。
以上、光文社新書note「酒場ライター・パリッコの『つつまし酒』」より。
で、これ、よく考えるとまだまだできるなと。
例えばあれですよ。もはや魔窟と化している、「冷凍庫の奥」!
冷凍庫の奥ディナー
いったん冷凍庫をひっかきまわし、「ほっとくと永遠にそのままだろう」と思われる食材をピックアップします。これだけでだいぶ冷凍庫がすっきりし、気分もいい。
ありがちなのが少し残った冷凍野菜に、凍ってしまって種類がわからない肉。
お正月に実家でもらった母手作りのモチも、1月過ぎると食べる機会がぐっと減ってしまったりして面目ない。
これらをどう消費しようかと考え、思いついたのが、鍋。
そこで冷凍庫ではなくインスタントラーメンの棚から、これも賞味期限が切れている「チャルメラあんかけラーメン」を発掘し、スープのベースとすることにしました。
では始めていきましょう。
家でいつも飲んでいるプレーンチューハイに、3種のベリーミックスを惜しげもなく投入。味と香りが一気に華やかになり、凍ってるからずっとキンキン! たぶん妻が買ったもので、今までの僕ならばまったく興味を抱かなかったであろう食品ですが、はっきり言って最高すぎます、これ。また買ってこねば。
しかし「秘伝の小袋」ってのもすごい言い様だ。
これ、たぶん牛肉だな。
モチしゃぶ感覚でいただこうかと。
子供用に買ったけれどもお気に召さなかったようで残っていた「5種の国産野菜のミニハンバーグ ひじき入り」は、つくね感覚で。
やがてすべての具材に火が通り、冷凍食品鍋が完成しましたよ。
これは……はっきり言って、今まで人生で出会ったなかで、いちばん美味しくはなさそうな鍋ですね……。
が、味が悪くなる要素はないはずで。
うんうん、当たり前だけど、美味しいですよ。ラーメンのスープで煮た牛肉。
鍋の具材としては初めて出会ったけど、これももちろん美味しい。
それ以外に入れた、ホウレン草や刻みネギは、こまぎれなのでスープのなかに散ってしまってますね。うまく食べられん。
くすんだ色だな……。
モチを入れ、火が通ったかな? というタイミングで引きあげようとすると、とろりと溶けて箸から落ちてしまい、一度もモチしゃぶとしては食べることができませんでした。モチしゃぶってこんなに難しいの? それとも専用のモチがあるの? それとも手作りモチだから?
最終的に、入れたモチはぜんぶスープに溶けてしまい、なんだか「天一のこってり」みたいな見た目になってしまいました。
以上、見た目はあんまり良くなかったけど、今回もしっかり大満足の晩酌になりましたよ。
冷蔵庫の自分ゾーンディナー
冷蔵庫のなかにA4ほどの大きさの「自分トレイ」を置かせてもらっています。
仕事がらたまりやすい、瓶詰め、酒のつまみ、なんらかの企画のために買い集めた同ジャンルの食品多数などを、他と混ざってしまわないように仕切るため。つまり家族から「そこだけは好きに使っていいよ」と許しを得ているゾーンというわけですね。
ここ、本当すぐパンパンになるので定期的に整理はしているのですが、引き出してみると、やっぱりいろいろありますね。
実は以前、「ふりかけで酒を飲んでみる」みたいな原稿を書こうとしたことがあり、あれこれ買い集めてみたはいいものの、最初は楽しくても、すぐにただただしょっぱいだけになってくることに気がつき、お蔵入りにしたという事情があります。その時に学んだのが、「ふりかけはご飯にかけるのがいちばん!」ということ。が、そんなに頻繁にふりかけご飯を食べる機会もなく、ぜんぜん減りません。
その他に、瓶詰めがふたつ。
これらをどう調理するか……あ、餃子の皮を使ったおつまみピザなんてどうだろう!?
というわけで、餃子の皮を買ってきて、ついでにレトルト食品棚から、古めだったパスタソース「ボロネーゼ」も持ってきて、
アルミホイルにオリーブオイルを塗り、餃子の皮を並べます。そこに刻んだ玉ネギ、チーズを少しずつ乗せ、ふりかけをぱらぱらとかける。左下ふたつは、「ごはんですよ」と「大葉みそ」を具材の下に敷いたもの。
ふりかけピザ、当たり前だけどそれぞれに味わいが違って楽しいです。特に「のりたま」が、海苔が効いてて和風な感じが前面に出るからか、てりやきチキンっぽいような感じで美味しい。
ごはんですよと大葉みそは、濃厚でうまいんですが、このクリスピーな生地に対してはちょっと味が濃すぎる。こんどは普通のピザで試してみたい組み合わせですね。
こちらは、ソースに玉ネギを混ぜてしまい、チーズを乗せて焼きあげました。
とりあえず3回、備蓄庫ディナーを実行してみましたが、ふだん「今日はこういうものが食べたい」みたいな感情をスタート地点に始める晩酌とはまた違った意外性が楽しく、新たな発見もある。なるべく家で過ごさないといけない昨今の状況の、ちょっとしたアクセントにとてもいいんじゃないかな、なんて思いました。
これで家の備蓄庫が完全に整理されたわけではなく、食材はまだまだあるので、これからも個人的に楽しんでいこうと思います。
あなたの「備蓄庫ディナー」も見せてくれませんか!?
今回記事を書いてみて強く思ったのが、それぞれの暮らしに、きっとその人なりの備蓄庫ディナーがあるんじゃないか? ということ。
もしよろしければ、TwitterなどのSNSにハッシュタグ #備蓄庫ディナー をつけて投稿し、見せてはもらえないでしょうか?
その際、「メニューが生まれた経緯」「味や実際にやってみた感想」などもあわせて書いていただけると、この上ない喜びです!
あ、もちろん、便宜的に「ディナー」と名付けただけなので、実際は朝ご飯でも昼ご飯でもかまいませんので~。