最新テクノロジーに関わる説明が一番難しい
途中、先輩が「いま俺はスポティファイで音楽を聞いているんだけどな…」と言い過去から「それはなに?」と言われ戸惑っていた。
「まずはパソコンが手の中におさまるようになる」から説明していたので、ガジェットやネットに絡む情報を伝えたい時は工夫が必要だということがわかった。
憧れの人に会えた時、うそみたいな失敗をした時、いろんな場面で「おい!昔の私!聞いてくれ!いまこうだぞ!」と言いたくなることがある。
「あの頃の自分に伝えたい」というやつだ。
でも実際、昔の自分を前にして喋ってみるとどういう気持ちになるのだろうか?
もしもに備えてシミュレーションしてみることにした。
今回は「昔の自分に語りかける」練習をする。どうやればいいだろう。考えたのが
というデジタル腹話術方式(?)でやってみることにした。むかしの自分からビデオ通話がかかってきたようなイメージである。
あくまで影武者の方は見ず、PC画面だけを見て「むかしの私が喋りかけてきた」と思い込むことが重要だ。
大学の友人に、中学時代の写真データだけ持ってきてもらった。
早速「どうやって昔の自分と喋るのか」と疑われる。私もうまくいくかわからないので言葉につまる。
さて、ここで昔の自分とご対面である。
見ている方にはわからないが、先輩が見たことないぐらい取り乱している。
「おいこいつ本当に画面見てしゃべりはじめたぞ」と後輩と目くばせをした。
めちゃくちゃヤバい奴に見えるが大丈夫だろうか。
先輩がその気ならこっちも責任を持って、昔の先輩を演じなければならない。
高橋さん(過去)と高橋さん(現在)は初対面である。とてもきまずい空気が流れる。
その空気を怖そうと高橋さん(現在)が喋りだした。
対子ども向けの喋り方になるばかりか、めちゃくちゃ未来人として上から喋ってくるのでおかしくて笑ってしまう。
そんな後輩たちの目をよそに「弱かったから甲子園には出れないぞ」とありったけの情報を共有していく先輩。
さらに過去からの質問は続く「夢は叶えましたか」。
「これすごい体験では…?」と後輩が言う。
その間も先輩は「お金はあるから大丈夫だぞ。なんなら、お前の今の100円の感覚でおれはいま1000円を使うからな。それが幸せかどうかはわからないけどな」と喋り続けている。
笑いすぎて息ができない。なんだこれは。
「ぜひやりたい!」と後輩編もやってみることにした。
すぐにスイッチが入った。もうPC画面を前にすれば誰でもその疑似体験ができるようだ。
後輩は「いまサッカーの市選抜に選ばれて調子に乗ってるだろうけど高校で現実を見るぞ、世界は広い」
「あと今かわいいって言われて喜んでるかもしれないけど、この年になると『狙ってる』とか言われて少し苦しむことになるぞ!」
などと一人で喋り、なんなら少し説教調になってきた。伝えたいことがたくさんあるらしい。
ネガティブなことばかり言われた郡司さん(過去)が「今なにが楽しいの」と聞いた。
あまりに楽しそうにやるので自分も体験したくなってきた。先輩に声をお願いしてもらう。
話しかけられた瞬間、不思議と「2004年を生きる中学生に伝わるように喋ろう」という思考に切り替わる。
私(過去)「いまはどこにいるんですか」
私(過去)「いまはどんな仕事をしてるの?」
私(過去)「海外旅行とかいってる?」
過去の自分を目の前にし、ただまじめにアドバイスする人になってしまった。そのぐらい励ましたくなり、説教したくなり、いろいろあるけどとりあえずたのしいから大丈夫と伝えたくなるのだ。なんだこれは。
全員過去との邂逅が終わった。
感想をまとめると
などがあった。とにかく2時間ぐらいどっかんどっかん笑いっぱなしのすごい体験だった。
ご覧の通り、もう会話の後半には「ゲート」という単語すら出てきていた。こんなの「昔の自分に会った人間」からしか出てこない単語だ。そのぐらいの体験を私たちはした。
ぜひみなさんも、仲の良い人で集まる飲み会などで試してみてください。
途中、先輩が「いま俺はスポティファイで音楽を聞いているんだけどな…」と言い過去から「それはなに?」と言われ戸惑っていた。
「まずはパソコンが手の中におさまるようになる」から説明していたので、ガジェットやネットに絡む情報を伝えたい時は工夫が必要だということがわかった。
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