玉子のお寿司50貫を注文する
子供の頃からの夢であった玉子のお寿司だけでお腹がいっぱいになるために、お寿司屋さんに玉子のお寿司50貫を事前に注文し、撮影当日に受け取りにいった。
受け取った寿司50貫はずっしり重く、この重さがすべて大好きな玉子だけだと思うとうれしい。
そのうえ玉子のお寿司50貫は、想像以上に美しく二重にうれしかったのである。
玉子のお寿司50貫と記念撮影
玉子のお寿司50貫を前にして「食べるのがもったいない」と美しい料理を前にしたグルメレポーターのようなことを思ってしまい少し恥ずかしくなったが、思ってしまったものは仕方がない。
そういう場合、グルメレポーターの場合は、もったいないと言った直後に食べるのであるが、私の場合は食べる前に記念撮影をすることにしたのである。
玉子のお寿司は、ばえるわぁ。
さあ、記念撮影が済んだので食べることにしよう。
実食
いよいよ念願の最初から最後まで玉子のお寿司オンリーの食事の時間がやってきた。
まずはラップをはがそう。
全部ラップをはがすと…
よりいっそう鮮やかで美しい!
色鮮やかところへ、お寿司の香りが立ちのぼる。
玉子のお寿司50貫の香りは、刺身の香りの一切ない、助六寿司の香りである。
しかも大量の助六寿司。
その昔、職場の忘年会で幹事が突然立ち上がり
「この店は知り合いの店なんで、会費はあがりましたが特別に寿司を追加してもらいました」
「お店のご厚意に感謝していただきましょう!」
と挨拶し、一同が大歓声とともに拍手した直後、大量のいなり寿司が運ばれてきて、一瞬で宴席が静まり返ったときと同じ香りである。
さあ食べようと箸を伸ばしたとき、どの寿司から食べようかと考え、自分からみて手前、向かって右の玉子寿司から手を付けることにした。
どれから食べても同じなのに不思議である。
この勢いでどんどん食べ進める。
玉子寿司ファンはこのくらいではあきたらない。
まだまだいけるはずが
食べても食べても玉子。玉子寿司ファン至福の時、と言いながら食べる。
満腹をごまかすように、子供の頃、友だちと玉子の寿司を取り合って負けた日のことを思い出しながら食べる。
まだまだいけるぞーと思っていたが、13貫を超えたあたりからペースダウン。
ここへきて、玉子の分厚さが効いてきたようだ。
とにかく同じ味、しかも甘いものがつづくのでガリを挟んで味を変えながら食べ進む。
ここから先はもう、玉子寿司ファンとしての義務感で食べる。
このあたりになると、まぐろの刺身一切れでも欲しい、いくら一粒でもいい、と思えてくる。
ダメ押しの一貫を食べてこの日はフィニッシュ。
やれやれと思ったが、しかし、好きなものでやれやれと思えるのは幸せだよなあ。
回転寿司では一食につき三皿は玉子を食べる私だが、やっぱり他のお寿司を挟みながら食べるからいいんでしょうね。
声を大にして玉子の寿司が好きだと言おう
好きな寿司ネタを問われて、玉子と答える人は少ない。そのため、寿司ネタランキングに玉子がランクインすることもない。
しかし、それは玉子の寿司に人気がないのではなく、解答者たちに「いい大人が玉子と答えるのはちょっと」という思いがあり、格好をつけて「サーモン」などと答えてしまった結果なだけであって、本当のところは誰もが寿司では玉子が一番好きだと思っているはずである。
だから今後みなさんは、正直に、寿司では玉子が一番好きだと胸を張って言いましょう。そして玉子の寿司を50貫食べましょう。