あなたはこの写真の違和感に気づけるだろうか?
正解は「銃」を持っているということだ。日本ではありえない光景なのだ。
日常で「武器を持つ」ということはありえないことだ。日本には銃刀法というものがあるから。射撃などをやれば持つことになるが、やったことがない人のほうが多いだろう。もしあなたがドラクエの世界に行ったらきっと「ぶきや ぼうぐは かならず そうびしてください! もっているだけじゃダメですよ!」とローレシアの兵士に怒られるはずだ。
これも一見普通に神社でお参りしている写真に見えるかもしれないが…
振り向くと腰には日本刀が刺さっているのだ。イッツビューティー!イッツアメイジング!!
武器を持った人がいるというだけで、一気にそこだけ別世界のように感じる。すれ違う人は「あれ?今の人って武器持ってたよね?ここ異世界じゃないよね?」と脳が混乱すること間違いなし。今であればVRの世界に自分がいるんじゃないかと勘違いする可能性すらある。街で武器を持つというのはある種でAR(拡張現実)と言ってもいいのかもしれない。
「武器を持つ」という簡単な行為だけで、現実とファンタジーな仮想世界との境目が曖昧になるのだ。VR、ARに続いてFR(ファンタジーとリアルを曖昧にする)と名乗ろう。いやこれ絶対流行らないな。語呂が悪すぎる。
これもパッと見ただけだと普通っぽい写真だが…
女の子 【E 伝説の剣】という状態だ
この日常の違和感がたまらない。良くないですか?ねぇ!ねぇ!?
本当にこんな子がいたら、二度見どころじゃなく七度見はすると思う。ゲームのやりすぎを疑う。上上下下左右左右BAという裏技コマンドをやると日常に武器を持った女の子が現れるのかもしれない。
このちょっとしたことで異世界感が出るのが本当にたまらないのだ!!一気に漫画やアニメの世界に来たような感覚になる。
こういうポーズを決めた写真も悪くはないし……
これもたしかにカッコいいのだが、今回の趣旨としてはNGなのだ。
あくまでも日常に武器を紛れ込ますのが僕は良いと思っている。武器を構えたりしたらそれはもうただのおふざけだ。日常に溶け込んでいて、現実なのかどうかわからない絶妙な塩梅がいいのだ。ファンタジーとリアルの中間を見いだせたときに脳汁ブシャーとなるのだ。
机に銃が置いてあるだけで日常と虚構の狭間が作られる。これが僕の中では正解なのだ。
女の子から「え?この国では武器を持っちゃいけないの?そんなの知らないわよ!!」といった雰囲気が出ているのが大事なのだ。わかります?わかりますよね?いや今日この記事を読んでわかっていけばいい。あなにもいずれわかります…そうです…目を閉じて…欲望を解放するのです…武器を自然と持っている女の子を想像するのです…どうですか…?素晴らしい世界へようこそ…(洗脳)
余談だが、Amazonから武器が自宅に届いた時点でもうそこは異世界。現代に武器屋があったとしたら「最近はAmazonにほとんど客をとられてるよ…うちも経営が厳しいよ…」という感じで次々に廃業していくというサイドストーリーが頭に浮かんだ。
「べつに男が武器もってもいいんじゃない?」と思うかもしれないが、それは違うのだ。か弱そうな女の子が武器を持っているというギャップがたまらないのだ。そのアンバランスさが魅力なのである。あと僕のやる気がでなくなる(これが90%を占めている)。
今回も「街中で武器を持ってほしいんですけど大丈夫ですか?」という、時空がねじれ曲がっているかのような依頼を吉岡さんにしたのだが、即レスで「大丈夫です!」と全力ストレートスマッシュな返信がきた。お願いしている僕が言うのもなんなのだけれど、仕事は選んだ方がいいと思う。
ちなみにこの日は武器を持ち運びながら撮影をしていたため、僕は常時こんな感じで武器がカバンから飛び出している状態だった。トルネコかよ。
街中で風景に武器をとけこませて異世界感を演出する
まずはこの写真から見ていこう。ちょっとした違和感に気づけるだろうか?
少し角度を変えてみるとこんな感じだ。まだわかり辛いかもしれない。
違和感の正体はこれだ。待ち合わせに剣を持ってきているのだ。
こんな女の子が駅前にいたら確実に見てしまうだろう。この「武器持ってますけどなにか問題でも?」という空気感がたまらないのだ。
ちなみに設定としては「僕がゲームをやっていたらテレビの中から彼女が現実世界にやってきた。初めはこの世界に混乱していた彼女も、僕と過ごすうちにだんだんとこの世界に慣れていく。しかし未だに聖剣だけは手放すことはなく、デートにも持ってきてしまうのだ。(トホホ…)」といった感じだ。
もう一度確認しておこう。こういうポーズで決めた写真もいいのだが…
あくまでこの自然体な感じが最高なのだ。
これだよ。僕がやりたかったのは。この街中に武器がある感じなんだよ!普段あまり使わないこの言葉を心から言おう。「尊い」…!!
写真を撮っているときも楽しくて仕方がなかった。この日はずっと「いいねぇ~」「最高だよ」「これだよ!これ!!」の3種類しか言ってなかった気がする。ファービーでももう少し喋れるだろう。撮影が終わった頃に吉岡さんがゲッソリしていたのは僕が原因だったのかもしれない。
幼少から戦士として育てられてきたので、ミリタリーナイフは常に彼女とともにある。
感情を上手く出せない彼女が笑顔を取り戻す日は来るのだろうか…
こういう「過去になにかあった」系の、感情を表に出すのが苦手なキャラが個人的に大好きだ。エヴァの綾波とか、ハルヒの長門とか、ナデシコのルリとか。そのミステリアスな魅力にハマる。
ただミリタリーナイフの装備の仕方がこれで合っているどうかわからないのが唯一の不安だ。武器の知識をもっと身につけておけばよかったなと後悔した。その方が僕の妄想もよりはかどったことであろう。
「う~ん、この爪に合うTシャツってどれかなぁ…?」
「あ!!!!また商品に穴開けちゃった…!!」
シザーハンズの主人公のように人によって産み出された人造人間で、産まれた瞬間からウルヴァリンのような爪で生活することを余儀なくされている。ただし、彼女はそれに屈することはないのだ。一人の人間として、一人の女性として日常に溶け込むために生きていこうとしているのだ…。健気……!!
ちなみに撮影のときも僕の背中にはしっかりと武器が刺さっている。ある意味で僕も戦場カメラマンと名乗ってもいいのかもしれない。
……この記事書いてるの僕はめちゃくちゃ楽しいんだけど、読んでる人って楽しめているのだろうか。このまま書きつづけて大丈夫?正直、誰も読んでなくても書き続けるけどね!!!!
これで歩いていたら100%だれもが振り向くだろう。
彼女はおそらく戦国時代あたりから現代にタイムスリップしてきたのだ。女ながらに武士として育てられた彼女はなによりも刀が大切なのだ。
僕
「え?なんで刀を持っているの!!??」
吉岡さん
「なにか問題でもあるのか?」
僕
「日本じゃ刃物は持っちゃいけないと決まっているんだよ」
吉岡
「そんなことは関係ない…!武士は刀を捨てた時点で終わりなのだ!女の私が生きていくためにはこれが必要なんだ!!この父上の形見の…刀が…」
僕
「……」(彼女をこの時代で守ろうと静かに決心する)
というような会話が繰り広げられるに違いない。ああ、最高だ。もちろん吉岡さんは写真を撮られているだけなので、僕と会話をしているわけではない。僕が写真を撮りながら「いいねぇ~」「最高だよ」と独り言をつぶやき、勝手に妄想してアテレコしているだけなのだ。
決して僕は変態の類ではないということだけは言っておこう。ただちょっと人より想像力がたくましくて行動力があるだけなのだ。
公園で楽しそうに遊んでる風だが手に持っているのはクナイだ。彼女は忍者の末裔で一瞬のスキを狙って相手の命を断つ。これはその瞬間をとられた写真だ。
ちなみにアドバイスなしで「クナイを持って構えてみて」とお願いしたらこんな感じになった。なんだその左手は。忍者じゃなくてピッキングやる前のコソドロだ。
へっぴり腰のモデルとは思えないダサいポーズを誕生した。「寝起きドッキリ暗殺に行く忍者」という謎のシチュエーションが頭に思い浮かんだ。いや「突撃!となりの晩暗殺!」の方がしっくりくるかもしれない。いずれにせよ返り討ちに絶対にあうだろう。南無。
「あー遅いな…」
「どこにいるんだろう…連絡もこないし……」
「……」
「あ!!」
「おそ~~い!!マサカリ投げるよ~~~?」
「武器を構えたらおふざけになってしまう」ということを最初の方に言ったと思うが、これだけはやりたかった。
IT界隈ではよく厳しい質問や指摘を言うことを「マサカリを投げる」というような表現を使う。これを現実で眼の前にすると背筋が凍る恐怖があるということがわかった。ドタバタ系の恋愛漫画ではこういった武器を振り回す暴走女子がでてくることがあるが、現実にいたらただただ怖いだけなのだ。
ちなみに斧を持った一連の写真の構図は、伝説のトラウマ系フラッシュとしておなじみの「なつみSTEP!」のバールを持っているシーンを意識した。これ伝わる人がどのくらいいるのだろうか?自分で書いておいて時代を感じるなぁ…!
ということで、カフェで一休みする殺し屋を撮影して終了。撮影前は1時間くらいで終わると予想していたのだが、僕のテンションがあがりすぎて「30分くらい経ったのな?」と思って時計を見たときに3時間は余裕で過ぎていた。時間旅行系とか時間ループ系の異世界に僕が転生されたのかと思った。
街で武器を持つということの魅力が伝わっただろうか?いや伝わらなくても僕が最高に楽しかったからそれで満足だ。この記事が誰にも読まれなかったとしても、僕は今満たされている。
ちょっとしたものを加えるだけで現実と虚構が曖昧になるというのは、自分的にも発見であった。「街中で武器を持つ」というのは非日常の体験であり、言い換えれば世界一簡単なコスプレの味わい方なのかもしれない。
なんだかんだといろいろと言ってきたがとにかく「武器を持っている女の子」というのは最高にカッコいい。構えるだけで絵になるのだ。
ただ構え方を教えないとひどいことになる。一気に妄想から現実世界に引き戻される。剣を持っている吉岡さんには負ける気がしない。