夏休み最終日、いかがお過ごしかな?
この記事が公開されるのが8月31日の午前11時。地域によって違うかもしれませんが、多くの小中学生は夏休み最終日を迎えているのではないでしょうか。
計画的に学校の宿題を片付けてきた子は、長かった夏休みを思い出しつつ、最後の休日をのんびりと過ごしているんでしょうけど、イヤなことは後回しにしてホントにギリッギリにならないと動き出せない子にとっては8月31日はまさに正念場。「デイリーポータルZなんて読んでるヒマないよ、宿題やらなきゃ!」という状態になっていることでしょう。
かくいうボクも、昔っから締切ギリギリにならないとやる気がまったく起こらないタイプだったので、夏休み最終日は毎年ホントに地獄でした。
だいたいが、この原稿も泣きそうなくらい締切ギリギリで書いてますからね、成長してない……。
まあそんな感じなので、ちょいちょい擬似的に夏休みの宿題追い込み気分にはなってはいるのですが、今回は実際に夏休みの宿題をやってみて、アレを一晩でやっつけるというのはどれくらい大変だったのか、検証してみたいと思います。
ボクへの夏休みの宿題はコレ
さて、夏休みの宿題を一晩でやっつける……といっても、もはや完全なる大人と化してしまったボクに宿題を出してくれる人なんて誰もいないわけで、苦しくてイヤでイヤでしょうがなかった宿題を自らに課すというセルフSMプレイ的なことをやらなくてはいけないわけです。
えーっと、夏休みの宿題……といって思い出すのは大体こんなところでしょうか。
・夏休みのドリル
・絵日記
・読書感想文
・自由研究(工作?)
買い集めてきた宿題セット
いやあ、自主的に、しかも自腹を切って宿題をやろうとしてるとは……なんてエライんだ、ボクは。先生や親にほめてもらいたい! でも現実は、35才の独身男が「夏休みの宿題をやってるんだ!」なんていい出したら白い目で見られるのがオチでしょうね。
まあ気を取り直して、買い集めてきた夏休みの宿題セットを紹介していきたいと思います。まずは、夏休みの宿題の超・定番である学習ドリル!
なんで表紙ワニなんですかね?
夏休みの宿題に使うドリルって「夏休みの友」みたいな名前がつけられていて、漫画『ちびまる子ちゃん』の中でも「夏休みの友なんて、全然“友”じゃないよ!」みたいな突っ込みをされていました。
できれば今回もあの「夏休みの友」を手に入れたかったんですが、アレって各都道府県の教育委員会が独自に作っているもので、市販されているわけではないようです。
仕方ないので、本屋さんで「夏休みの宿題っぽいドリルはありませんか」と選んでもらったものを購入してきました。
ちなみに今回は宿題を選ぶに当たって、小学六年生を想定することにしました。「さすがに大人がやるんだから、あんまり簡単過ぎてもね……」という気持ちと「中学生レベルの宿題はちょっと自信がない」という微妙なラインということです。
つづいて、コレも小学生の宿題としては定番でしょう、絵日記!
なつかしい! ジャポニカ学習帳
実は今回、この絵日記帳を探すのが一番大変だったんですよね。どうせやるなら専用の絵日記帳でやりたかったんですが、どの文房具屋さんにも「ジャポニカ学習帳」のコーナーはあるものの、絵日記帳の在庫は皆無だったんですよ。
確かに、絵日記帳って宿題用として学校で配ってはいたものの、自主的に買って日記をつけるような子供なんて滅多にいないでしょうからね。
ちなみにコレは探しに探して、小岩の文房具屋でやっと見つけたデッドストック品です。
そして、夏休みといえばなくてはならない読書感想文!
原稿用紙も100円で売ってるダイソーはホントにすごいと思います……
今年の青少年読書感想文全国コンクールの小学生高学年向け課題図書に選ばれていた『こども電車』という本を買ってきました。課題図書はいくつかあったんですが、何となく面白そうだったので……。
ちなみに小学生低学年向けの課題図書には『アリクイにおまかせ』『がっこうかっぱのイケノオイ』『ものすごくおきなプリンのうえで』……など、かなりエキセントリックな題名が並んでいて、すごーく気になりました。
あとは自由研究なんですが、まあコレは自由なんであとあと考えていきましょう。
よっしゃ、やんぞーっ!
分数の計算・おぼえていますか
それでは早速、宿題をやっていくことにしましょう。まずはドリルから……。
あっ!
表紙を開くといきなり禁断の誘惑……。そういやドリルって答えが付属してましたね。学校ではあらかじめ先生が回収して保管してたような記憶があります。
今は、答えを見ながらやったって誰も怒る人はいないんですが、さすがに大人としてのプライドがあるのでしまっておきましょうね。
ああ、なつかしい!
さて、いよいよ問題に挑戦! 当時はホントに死ぬほどキライだった算数ですが、超・久しぶりのお勉強なので結構ワクワクしています。
脳が活性化しているような気分になれますな
さすがに分数のたし算、ひき算くらいは余裕で解くことができたんですが。
かけ算、わり算になっちゃうともうチンプンカンプン。分母同士、分子同士をかけるんだっけ? 約分って何……?
正直、ちょっと答えを見てしまいました
数学があまりに出来ないため、入試に国語と英語しかない大学を選んで受験するという戦法を取ったくらい数学はダメだったものの、算数時代はそれなりに大丈夫だったハズなんですが……。
まあ、分数のかけ算、わり算なんて普段生活してる中でまず使わないですからね。
ボクが店員だったら「1mのねだんが420円のリボンを6分の5mください!」なんていう子がやって来たら。「センチメートルでいえ!」もしくは「1m単位でしか売らない!」っていっちゃうと思う。
なんとかかんとか算数の項目が終わったのですが……なんとここまでかかった時間、まさかの96分! げげっ、この調子じゃ全部終わらせるのにどんだけかかるのやら。
はやくも心がモッキリ折れそうになっていますが、引き続き国語に突入。当時から算数よりは得意だったのと、職業・ライターなので、さすがにサクサク進んでいきます。
しかし、物語の一部を読ませて「作者の気持ちを答えなさい」的な問題は、いまだに納得いかない部分がありますな。
はやくもぐったり……
つーわけで国語も終了! かかった時間は52分。ドリル全体で2時間28分……うーん結構かかりました。
小学生の問題なんて、もっとひょいひょい出来ると思ってたんですが……ドリルの総ページ数が48ページなんで、1ページ3分くらい、まあそんなもんか。
ITの力で思い出を思い出せ!
さあつづいて、絵日記をやっていきましょう。日記なんてその日の出来事を記録するだけなんで、毎日きちんとつけてれば簡単この上ない作業なんですが……当然、そんなマメさはないので、夏休み最終日に一気につけてました。
こうなると簡単だったハズの宿題が、一月以上ある夏休みのメモリーをすべて思い出すというとんでもないプロジェクトと化してしまうわけです。日々の出来事はもちろん、その日の天気もあって……そんなん覚えてないよ!
Twitterのログを見れば日々の行動丸わかりですよね
しかし今回、絵日記を書くに当たってボクには勝算がありました。「TwitterとかiPhoneのスケジュール帳を見れば、毎日何をやってたか大体分かるんじゃねーの?」と。
さらに毎日のお天気なんかも「
夏休み天気」というサイトを見れば一発ですからね。ホント、インターネットって便利ですねぇ。
そういえばあった気がする
……というわけで、ITを駆使してガンガン絵日記をつけていこうと思うのですが、日々の項目に日付、天気の他に「温度」なんてものも。まあ、コレも天気のサイトを見れば無問題なんですが。
おきたじこく、ねたじこく!? こんなのあったっけ? さすがにコレはインターネットをいくら調べても分からないよっ!
案の定、Twitterを振り返っていくと毎日何をやっていたか分かるので、快調に書き進めていけたのですが。
さすがに毎日必ずTwitterをやってるわけでもないし、スケジュール帳をつけていない日もあるので、どーにもこーにも何やってたのか思い出せない日ってのがあるんですよね。
そんな時の裏技
小学生の頃も、絵日記に「なにもなし」「とくになし」とか書きまくって先生に激怒された記憶があります。
でもね……しょうがないじゃん、覚えてないんだもん……。
そんなこんなで、なんとか7月末~8月の絵日記が完成! かかった時間は76分。1ページ2分ってところか。まあ、ものすごく書き殴りましたからね……。
そのまんま小学生の絵日記として提出しても問題ないくらいの汚さ……
そして、改めてこの夏を振り返ってみるとボク、ももいろクローバーZ(アイドル)のライブ&イベントに行きすぎ……。大丈夫かな、35才の夏。
絵日記を裁断して
スキャンしました
ちなみに、この絵日記の内容を読みたい! という奇特な人のために、絵日記を電子書籍化しておきましたよ。絵日記の電子書籍化はおそらく世界初なんじゃないかと!?
……まあ、内容的にはホントに日々の出来事が記録されているだけのどーでもいいヤツなので、ホントにヒマな人だけダウンロードしてみて下さい。
読書感想文は書評感覚で
つづいて挑む宿題は、読書感想文! 何を隠そう、小学生時代のボクはこの読書感想文ってヤツがホントに苦手でした。
本を読むこと自体は別に嫌いじゃなかったし、文章を書くのも好きな方だったハズなのですが、そのふたつが組み合わさった読書感想文はホントにダメでダメで……。いつも一番後回しにし、夏休みの最終日は泣きながら本を読んでいた(感動という意味ではなく)記憶があります。
大体がね、本を読んでの感想なんて「面白い」「つまらない」くらいのモンじゃないですか。それをあらたまって原稿用紙に感想を書けってことになると、なーんにも書くことが浮かんでこないわけです。
……そんな小学生時代の苦手意識がいまだに残っている読書感想文ですが、そうはいっても今のボクの職業は……そう、ライター! 雑誌等からの依頼で書評を書くこともちょいちょいあるし、読書感想文なんてチャチャーッと書いてしまえるハズ!
まずは本を読まなければ……。マジなアドバイスとしては気になったところにバシバシふせんを貼っておくとあとで感想書く時便利ですよ
ざっくり内容を説明しますと、純真無垢な心を持っている子どもの頃にしか乗れない「こども電車」ってのがありまして、それを通して友達とのいざこざや、クラス内の問題を解決していくというハートフルなストーリーです。若干、いい子ちゃん過ぎる感じもするものの、まあまあ面白い話じゃないかと……。
さあ、フリーダム・ライターの手腕を持ってこの本の感想文を書くとこんな感じになりました!
素直で無垢な心を持つ子どもの頃は、みんな夢の中で乗っているけど、大きくなると忘れてしまう「こども電車」。……この手の話は宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』を筆頭に、児童文学の世界ではもうイヤッてほど繰り返し描かれてきた、使い古された題材ではあるものの、本作『こども電車』では、この「こども電車」に乗れる子どもだけではなく、もう乗れなくなってしまった子どもたちの姿も描かれている。
主人公たちの年齢が小学五年生という、純真無垢にもほどがある、ほぼ野生の動物状態だった子ども時代を経て、ボチボチ股間のチョロ毛も生えそろって自我も芽生え、大人への第一歩を踏み出した時期に設定されており、大半の子どもたちはすでに「こども電車」の存在を忘れ、信じることが出来なくなっているのだ。
そんな中、幼少の頃よりずーっと「こども電車」に乗り続けているピュアネスな心を持つ主人公・慧(どーでもいいけど子どもたちの名前として、蓮、ルナ、夏帆、七海……などちょいとしたキラキラネームが続出するんだけど、今の小学生にとってはこれくらいの名前が普通なのかね?)が、『ドラえもん』がポケットから取り出す秘密道具で、『美味しんぼ』の山岡さんが料理で人々の悩みを解決していくがごとく、悩める友人や、クラスの問題を「こども電車」に乗せることによって解決していくというハートフルなストーリーが展開されていく。
さて、この「こども電車」に乗ると、「メルヘンの国」やら「恐竜の国」「お菓子の国」など、子どもだったら嬉ション漏らしちゃうくらい狂喜乱舞してしまうであろう、楽しい国に連れて行ってもらえるのだが、若干気になるのは「子ども電車には夜9時までに寝ないと乗れない」「テレビを見過ぎたりゲームをした夜には乗れない」などの、「オイオイ、大人にとって都合よすぎるんじゃないの? こんなことで子どもが言うことを聞くと思うなよな」的なルールが設定されているというところ。まあ、結局子ども向けの本を買う金を出すのって親ですからね。こういう教育的要素も入っていた方がいいんでしょうけど……。
さらに、おゆうぎ会でシンデレラの役をやりたかった女の子が、衣装のドレスをハサミで切り裂いちゃったり、いじめを解決しようと正義感を発揮してた子がヒートアップしすぎて気が付けばいじめの首謀者になっている、女の子が謎の奇病にかかる……など、いくらなんでも昭和の少女漫画すぎるだろうという展開をしまくりなのも気になるが、基本的には子どもたちのひたむきな感情が丁寧に描かれていて、物語にグイグイ引き込まれてしまい、最後には「ボクも乗りたいな、こども電車」なんて気持ちが芽生えてしまった。
でもまあ、「読書感想文の推薦図書に選ばれたらきっと、本もバカ売れして印税ガッポなんだろうな……」なんてことを考えてしまうボクは、もうこども電車には乗れないんでしょうねぇ。
えーっと……たぶんサブカル寄りな雑誌の書評だったらコレでオッケーなんじゃないかと思いますが、読書感想文としては……。誰か、コレを丸写しにして学校の宿題として提出してもらいたいですね。責任は全く持てませんが。
さて、この読書感想文ですが、読むのに94分、書くのに82分の計2時間56分かかってしまいました。
はー、もうホント疲れました、最後の自由研究(工作)なんですが……。
宿題は自分でやれ!
ちょいちょいズルをしていますが、最終的に宿題を仕上げるのにかかった時間は6時間40分! ……合間にぐったりしてる時間もあったので、実際には8~9時間くらいはかかってます。まあコレなら夏休み最終日の夜10時からはじめたとしても、登校時間までにはなんとかなる計算なんですが……いやあ、ホント大変でした。こんな大変なこと毎年やってたんだ。
ボクに子どもが出来たら、絶対に夏休みの宿題を親に手伝ってもらうような子にはしたくないな、と強く思いましたよ。
自由研究の参考になるサイトはないかな? と思って検索していたら「Yahoo!知恵袋に」こんなアドバイスが載っていました。ははぁー