稲わらではなく麦わらでなくては飲めない
麦わらのことを英語で「straw(ストロー)」と言います。飲み物を飲むのに使うストローは「drinking straw」と言いますが、省略してストローでも意味は通じます。
麦わらは中心に穴が開いている。
稲わらと違って、麦わらは中空になっているので、節を切り取れば1本の筒になります。乾いた麦わらは硬さや耐水性もあるので、液体を吸い上げるのにちょうど良かったのでしょう。
節を切り取り麦わらストロー完成。節の間の長さも使い勝手のいい長さになっている。 以前ジブリ美術館内のカフェでは、この麦わらストローを出していたらしい。
しかし、時代と共にストローとして使える麦わらの入手が難しくなり、安く均一な物を入手しやすいプラスチック製に変わっていきました。今回、たまたま麦わらを入手することが出来たので、麦わらストローを試すことが出来たのです。
飲むなら海辺がいいだろう
麦といえば麦わら帽子。麦わら帽子といえば海。かなり無理やりな関係性を見出して海まで来た。
それでは、入手した麦わらストローで実際に飲み物を飲んでみましょう。
麦だから麦茶という安易な選択。
フツーに麦茶だな。
何の感動もなく、普通に麦茶です。プラスチックの硬く無機質な口当たり。冷たい麦茶を口まで運ぶ管というイメージ以外何も出てきません。では、麦わらストローで飲んでみます。
おっ、何か清涼感の有るような、無いような。どことなくオシャレなイメージ。
色合いの影響でしょうか。麦わらストローを刺したグラスは、プラスチックのストローを刺したグラスよりも清涼感を感じます。味はどうでしょう?
おっ!香ばしい香りと爽やかさが2割り増しな感じだ!
麦わらストローで飲むと、麦わらの香りの影響なのか、同じ麦茶でもより爽やかに感じます。プラスチックストローに比べて、口への当たり方も柔らかく温かみがある。
そして、飲み物に浸けたらフニャフニャになってくるのかと思っていたのですが、凄くしっかりしていました。洗ってまた使えそうなぐらいの強度があります。
麦わらストローいいですね。なんとも夏向きな道具だ。
夏だね。(麦わらストローで飲んだときの気持ちを表すイメージ映像)
強度があって、麦の香りがすれば同じになるのか?
麦わらストローはなかなかいい物です。沢山作って特別な時用にストックしておきたいぐらい。しかし、ストロー向きの麦わらなんてそんなに手に入るものではありません。
ということで、こんな物で麦わらストローのようにならないか試してみました。
ブカティーニ。イタリア食材のお店とかで探せば売っています。
ブカティーニというパスタです。このパスタはやや太めで、中心に穴が通っています。
アルデンテの状態が長持ちして、ソースとよく絡みます。
麦が使われていて硬さもあるので、麦ストローと同じ効果が期待できます。これで同じく麦茶を飲んでみました。
飲みづらいな・・・
パスタストローで飲んだ麦茶は麦の香りというよりも、粉っぽい感じがしました。粉を練った物だから当然か。
ついでに穴がかなり細いので、飲めることは飲めるものの吸うのが大変です。香りも清涼感も増さず、麦わらストローの代用には向かないようです。残念だ。
こりゃダメだニャー(パスタストローイメージ映像)
麦ならばこれも試しておかねば
麦わらストローは清涼感を増してくれる物であることが分かりましたので、最後にこれも試してみます。
麦だからビールという安易な選択。
ビールです。ビールを麦わらストローで飲むとより清涼感が増してくるのか。試してみました。
麦の汁を麦わらで飲むわけです。海とビールと麦わら。
グビグビッとではなくチューッとね。あれ?なーんか違うな。なんだ?飲んだ気がしない・・・
そんな飲み方したら当たり前だろうが!何やっているワン!(麦わらストロービールイメージ映像)
気持ちの問題です
麦わらストローで飲むビール。一応、香ばしさが増したような気はします。しかし、全然飲んだ気になれません。酔うとか、酔わないとかそんな話ではなく、ビール風の何か苦い液体を飲んでいるような気分になってきます。(
ストローで酒を飲んで酔うのかについては古賀さんの検証をどうぞ。)
これがウイスキーのような強い酒なら麦わらストローでも飲んだ気になれたかもしれません。ビールはグイッとのど越しも楽しみたい。いくら麦わらストローで雰囲気が出ても、味の感覚にとってはマイナスでした。
麦わらストローで気分が出るのはお茶やジュースまで。酒は止めたほうがいい。
やはりビールはグイッといきたい。ストローで飲むのは麦茶止まり。