本稿のねらい
ぞうきんを通すことでお茶がまろやかになるかを確かめたい。
高級な布ではなく、実は身近なものが有効だったというパターンがあるだろう。それがぞうきんだ。おいしくなったりするんじゃないかな。
うん、だんだんそんな気がしてきた。
お茶界のコピ・ルアク(ジャコウネコのフンから取った豆で入れたコーヒー)かもしれない。
ぞうきん茶の手順
ぞうきん茶はやはり上司のお茶だ。だが、編集部では僕が上司なのであった。なので編集部の橋田さん、古賀さんにぞうきんのお茶を入れてもらうことにした。
入れる手順は僕が説明する(OJT)

ぞうきんは前日に100円ショップで買ってきたら妻が念入りに洗濯してくれた。いろんな人の気遣いでぞうきん茶はできている。


いまは手順の説明の乾いたぞうきんでやっているが、濡れたぞうきんでやればばっちりだ。

ぞうきんの絞り汁でお茶を入れるのは熱い
ではお湯でぞうきん茶を入れてもらおう。

このバケツも新品である。今回はいたずらではなく、意外性の中の美味を発見するのが目的なのでとにかく清潔にこだわる。



透き通ったお茶が出てきた。これはいいかもしれない……のだが


お湯に浸したぞうきんが熱いらしい。でも給湯室から汲んできて数分経っているお湯だ。そんなに熱いだろうか。

これは熱い。お湯の温度はそれほどでもないが、熱いぞうきんをぎゅっと握らなくてはいけない。それが熱いのだ。


テイスティング・ぞうきん茶
それではぞうきんで入れたお茶はどんな味わいだろう。


ついコント仕立ての写真にしてしまったが、今回はコントが目的ではない。ぞうきんで濾したお茶の味を確かめるのが目的だ。
コピ・ルアクは発見されるのか!

お茶である。ちょっとスッキリしているお茶だ。ただ旨みやコクがなく平板な味である。
なにか大きなものが味を隠しているような気がする。
それは言うまでもなくぞうきんだ。


などと思ってしまったが、普通に入れたお茶である。
ぞうきん茶を間に入れることで普通のお茶のコクを楽しむことができる。これは発見だ。
もしかしたら残り汁が旨いのかも
ぞうきんを絞ったバケツを見ると、そこにも色がついた液体があった。もしかしたらこれが旨いお茶かもしれない。


お茶っぽい色はついていたが、味は完全にお湯だった。サービスエリアにあるお茶の無料自動販売機が出がらしのときに出てくるやつだ。旅情の味である。
ぞうきん茶でぞうきん茶的な不和を避けられる
世界初の試みであるぞうきん茶を私だけが味わうのはもったいない。入れてくれた部下たちにも飲んでもらおう。



味の好みはあれど、ぞうきんで入れたお茶を飲むことでチームに一体感が生まれた。こんなチームであれば互いに嫌がらせをすることもないだろう。
敢えてぞうきんでお茶を入れることで、ぞうきんの絞り汁的な不和を避けられる。
お茶界のコピ・ルアクを発見することはできなかったが、もっと大事な宝を見つけた。
