あぶなく忘れるところだった平成を思い出す 2019年5月3日

たまごっちじゃない、デジモンじゃない。ヨーカイザーと歩く

平成だった

さて、『あぶなく忘れるとこだった平成を思い出す』である。

なんだか平成の記憶がほとんどなかったので何の記事にしようか悩んでいたが、編集部から「ハナウタさんがもう一度触りたいものでいいですよ」と言われ、ふと思い出したのだ。

ヨーカイザーともう一度歩きたい。

※この記事は2019年のゴールデンウィークとくべつ企画のうちの1本です。

埼玉生まれ、神奈川育ち、東京在住。会社員。好きなキリンはアミメキリンです。右足ばかり靴のかかとがすり減ります。(インタビュー動画)

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Amazonですぐ買えた

さて、さっそくだがこれがヨーカイザーだ。

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ひぃ、懐かしい

昔の商品だし見つかるだろうかと思ったがAmazonで普通に売っていた。なんとなく、もう少し苦労したかったな。便利な世の中になった。

とは言え実際に届くとテンションが高まる。「BANDAI 1998」とある、まだバンダイナムコになる前の商品だ。21年前…

と、ここまで読んで「いや、まったくヨーカイザーなんて知らないけど!?」という読者の方もいると思う。というより大半だと思う。はじめにちょっと解説したい。

あの頃ぼくらはみんな育てていた

平成と言えば、たまごっち、である。キャラクター育成ゲームに触れなかった人はいなかったのではないかと言うほどの社会現象ともなった。

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どちらも平成8年のころでした。バンダイの生み出した超ヒット作

だいたいの女の子がたまごっち、男の子がデジタルモンスター(通称:デジモン)を育てていた当時、携帯ゲームがさらなる進化を遂げる。それが"万歩計と連動させる"というものだ。

代表的なものはポケットピカチュウ。持ち歩くことにより歩数がカウントされどんどんピカチュウと仲良くなる、というものだ。
先に挙げたデジモンも、振動のカウントによりキャラが強くなるデジモンペンデュラムを発売。もはや「歩く」とかではなく完全に「振る」だった。みんな腱鞘炎になっていた。

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大手メーカーが次々参入。あるくんですは面白かったなー

その中で生まれたのが、今日の主役、ヨーカイザーである。

歩くことで妖怪に遭遇し、捕まえて図鑑を完成させる、というものだ。これが、ぜんぜん流行らなかった。悲しいくらい流行らなかった。

販促に手を抜いていた訳ではない。男子のバイブルだったコロコロコミックに大々的に紹介され、たまごっち、デジモンに続けてバンダイが送り出した次の刺客だったはずなのだ。

ただ流行らなかった。それでも筆者は好きだったのだ。今日は、ヨーカイザーのことを少しでも覚えている、当時小学生だった仲間たちにこの記事を贈る。

3人くらいはいると思うのだ。

まずはカッパを仲間にしよう

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裏面に描かれたカッパのキャラクターがこのヨーカイザーのメインキャラ

21年前もこのカッパのキャラクターと一緒に歩きたくて銀色の「怪機道」バージョンを選んだ。※金色の「幽機道」もある。こちらはコロボックルがメインキャラ

久しぶりにボタン電池を買って起動させると、聞き馴染みのあるへろへろした電子音が鳴った。

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妖怪のシルエットだ!

そうそうこの音、懐かしいなぁ。時間などを設定してゲーム開始。すると最初に仲間になる妖怪、カッパのカパールが現れ…

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カッパじゃない!

「違う!」と叫んでしまった。なんだこのボサボサしたやつ!
そうだ、しまった、最初に設定した地域によってパートナーが変わるのだった。どうしよう…

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オールリセットボタンを押した

ゲームはリセットできるから便利だ。地域を関東にして再スタートしたら無事カッパが仲間になった。さらば、ごめんな、ボサボサしたやつ。

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画面に「2,497」と表示がある。2,497歩を歩けば妖怪に遭遇するぞ、ということだ

今回は、せっかくなので当時ヨーカイザーと一緒に歩いた筆者の地元を歩きたい。

あの日歩いた道をカッパと歩く

というわけで、田園都市線という、田園なのか都市なのかよくわからないアンビバレントな電車に揺られ筆者の地元まで来た。

ちょっとここからは筆者の思い出メインになる。

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思い出の東急田園都市線 青葉台駅

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 旅のお供はヨーカイザーと、

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撮影役の実父である。家でのんびりしていたところむりやり協力してもらった。

もうない町のおもちゃ屋

ヨーカイザーをどこで買ったかは忘れてしまったが、この町には当時おもちゃ屋が二軒あった。

ひとつは「ドンキー」。たまに店先でミニ四駆やベイブレードの大会を開いたりしていた、小学生をメインターゲットにしたおもちゃ屋だった。

新しいミニ四駆の発売日ともなれば町の小学生男子はみんな朝からドンキーに並んだのだ。

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確かここにあったはずなのだけど

そんなドンキーも10年以上前に閉店。いまは保険の乗り合い代理店になっていた。

もう片方のおもちゃ屋は、「ジャンボ」。どちらかというともう少し年齢層が上の店だった。

当時小学生の自分にとっては近寄りがたい雰囲気もあったが、謎のジャンケンゲームが置いてあり、よく遊びに行っていた。

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負けると「ズコーッ」って言われるメダルゲーム

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そんなジャンボもやがて閉店。いまは、なんだかいじりづらい食パン屋になっていた。なんか最近の食パン屋、変な名前多くないですか。

今の小学生、どこでおもちゃ買ってるんだろうな。

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ヨーカイザーはあと1,000歩ほど歩けと言う。

携帯ショップって増えましたね

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ご馳走だったマクドナルドは今も変わらず営業している一方、100円のクレープ屋はなくなって携帯が売られていた。
そういやここ10年くらいで携帯ショップって増えたなー。

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コロコロを買っていた小さな本屋は、駅前にできた大きな書店に太刀打ちできずに今は不動産屋
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なぜか待ち合わせ場所として定番だった焼き鳥屋

「とりたつ」は今も変わら…や、変わった!なんか改装して綺麗になってる!!もっとオレンジだったじゃん!

取り乱してすみません、今日一番驚いたことだったので…ちょっと落ち着くためにいったんヨーカイザーのおまけとしてついてきた妖怪カードを見ますね。

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ヨイショパ。全然知らない

Google検索しても出てこないしエピソードが子泣き爺とかぶってるしなんなんだヨイショパ。

実は、本当のことを言うと、筆者はヨーカイザーのゲーム自体の記憶はおぼろげなのだ。なぜならクリアする前に大破させてしまったから。

それは忘れもしない小学生5年生のころ。
筆者が自転車で坂道を急スピードで駆け下りるも制御がきかず、そのまま草むらに突っ込んで大事故になりかけたことがあった。

ただ、筆者はなぜか全くの無傷で、お腹につけていたヨーカイザーだけがバリバリに壊れていたのだ。今でも妖怪たちが筆者のことを守ってくれたのだと思っている。

言うなれば、今日は、当時ヨーカイザーと歩けなかった道を歩く旅。弔いの旅でもある。
(格好をつけて言った、ただの筆者の不注意による事故である。坂道はブレーキをかけて下ろう)

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ミトミスポーツはずっとこのまま
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変わらない風景もある

さぁ。さあ、もう思い出の場所はあらかた巡ってしまった。2,500歩って意外とある、と言うより、小学生の行動範囲って自分が思っていたより狭い、ということを思い知らされた。

こんなに小さい世界で生きてたんか己は。もう思い出も弾切れだ。とりあえず、もう少しだけ歩こう。

ついに出現、妖怪第1号

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出た!

ペロレロリ〜、というへろへろした音が鳴った。妖怪とエンカウントした合図だ。

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捕獲か逃げるか問われる。もちろん捕まえるとも。

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 妖怪のビジュアルが表示される。なんだ?いかついヤツだ。とにかく捕まえよう。

このゲーム、捕獲のシステムは簡単で、妖怪が現れたらAボタン(左端)かBボタン(その隣)を押す。すると、50%の確率で攻撃があたり、妖怪をゲットできるのだ。

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Bボタンだ!頼む!
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勝った
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ジューニ?

よくわからないまま捕まえた。戦略も何もないのであっけない。

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次は4,000歩以上歩くのか…地味に大変だな…

ジューニは、天狗の仲間らしい。山の動物を守っているのだ。とりあえず他の用事を諸々済ませてからもう少し歩こうかな…。

あやうく忘れかけていた平成を思い出した

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出た

次に妖怪が現れたころにはすっかり日も暮れていた。1日2匹がいいところだ。妖怪は100匹以上いるらしい。

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なんだ、かわいい、火の妖怪だろうか。

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あれ!?
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マケ
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あ…

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おお、つぎは4,500歩か…


大変だった

結局その日は15,000歩ほど歩いて4匹に遭遇し、2匹捕まえた。説明書にも書かれていたけど捕まえられる確率は本当の本当に50%みたいだ。とにかくひたすら歩くこと、勝ち負けに一喜一憂しないこと、くらいしか攻略する手段はないようだ。

妖怪をテーマにした妖怪ウォッチも流行った、歩いてモンスターを捕まえるポケモンGOもまだまだ人気だ。ヨーカイザーは出る時代が早すぎただけなんだ!と思っていたけど、20年ぶりにこのゲームに触れ、「このシステムでは…さもありなん…」と少しさみしい気持ちになった。

それでも、自分にとっては思い出深いおもちゃだったのだ。このゲームのことを、あぶなく忘れるとこだった。

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1週間肌身離さず歩いて8匹くらい捕まえました
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