小出し記事 2022年4月6日

お酢のいろいろを語り尽くしたい  お酢メーカーのお酢レシピがすごい

食品メーカーの公式レシピはのきなみすさまじい。

ハウス食品によるカレーのレシピは600近くもあるし、桃屋は「ごはんですよ!」でカルボナーラやピザなどを作る方法を提案している。自社製品を熟知した彼らは、時に狂おしいまでの熱情を発揮し、あらゆる手をつくしまくってくれている。

もちろんお酢界隈も例外じゃない。彼らはありとあらゆるものにお酢を入れようと日々励んでいる。

なかでもびっくりしたのが「デザート」である。

1981年群馬県生まれ。ライター兼イラストレーター。飲食物全般がだいたい好きだという、ざっくりとした見解で生きています。とくに好きなのはカレー。(動画インタビュー)

前の記事:お酢のいろいろを語り尽くしたい 入れるだけでポテンシャルを発揮しまくるりんご酢

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汝、ティラミスにもお酢を入れてよし

まずはチーズケーキのラインナップをみてほしい。

こんなふうにお酢メーカーさんらは、お酢を使ったデザートのレシピをこぞって紹介している。酢の物や煮物のレシピと同じようにさらっとさりげなく。種類は、スイートポテトやスコーン、フルーツサンド、チョコレート菓子などなど多岐にわたっている。

なかでも私が特に気になったのがティラミスだ。同じイタリア生まれのバルサミコ酢を使うでもなく、黒酢を使おうぜ!という強気なレシピがキユーピー醸造株式会社のサイトにのっていたのだ。

IMG_9629.jpg
で、ティラミスの材料はこんな感じ。黒酢は手元にあったやつを使います。
まずは生クリーム(100g)に砂糖(大さじ1)を加えて……
黒酢(大さじ2)を投入したところ……

入れた途端、我こそは黒酢である!といわんばかり、とがった香りが漂ってきた。 なかなか強烈だ。いいにおいかと聞かれたら悩む。ふだんお菓子作りの途中でこの匂いがしてきたら、たちまちに不安になる香りである。

だがひとつ、良いことに気がついた。お酢の効果で、生クリームが固まっていくのが心なしか早いのだ。5分ちょっとでクリームにツノが立った!
生クリームにマスカルポーネチーズ(100g)をまぜたものを、粉々にしたリッツとコーヒーを混ぜたものと交互に容器に入れ……
ココアをふりかけたら完成。ちゃんとおいしそうにできた!
スプーンですくった姿もおいしそう……。
お!味もちゃんとおいしいじゃないか!好き!

思いのほか、お酢の味への影響はさりげないものだった。遠くで聞こえる汽笛のように、静かに心地よく、黒酢の声が響いてくるのだ。

さっぱりとした味わいで、ヨーグルトっぽくもある。このまえサイゼリアで食べたティラミスの味とは全然違うんだけど、これはこれで、しっかり満足感のある味わいだ。甘さひかえめなのにもぐっとくる。

そのほかにもこんなのを作ってみたよ報告

せっかくなので、そのほかにも気になって作ってみて、衝撃をうけたメニューを2品ほど紹介したい。

まずは海苔の佃煮である。千鳥酢(成城石井とかで売ってる良いお酢)を製造している老舗・村山造酢の公式HPで見つけた。

海苔の佃煮って自作できるのか。しかもお酢を入れていいのか!

しけった海苔を消費するのにいいレシピらしいのだが、しけったものがなかったので、買ってきた。

……といそいそと作ってみたところ、ものすごーく簡単だった。 

海苔(10枚)を揉んで鍋に入れて、残りの材料を全部入れて煮るだけだったのだ
入れたのは、お酢、みりん、酒、醤油、しょうが、砂糖。味をみながら、レシピの分量よりも少し多めに入れてみた
黒々しい……
出来上がると、おなじみな感じの景色に
いいコントラスト

味は、ふだん食べ慣れている海苔の佃煮と比べると、ちょっとすっぱいなぁという感じ。でも、それがなんだかいい。朝ごはんにこれを食べたら、しゃきっと目が覚めそうな気がする。

 

「グラニテとはなんぞや……?」と思いつつ作ってみた「甘酒のグラニテ」も、労力に見合わないうまさだった。

なにせ材料を混ぜて凍らせるだけでできあがってしまう……。

ちなみにグラニテとは、主に果汁とシロップを混ぜてシャリシャリに凍らせた、フランス発祥の氷のお菓子らしい。

甘酒(150g)、りんご酢(50g)、ドライフルーツ(適当)、砂糖(大さじ1)を混ぜて……(ちなみに分量は、味見をしながら自己流に調整してる)
冷凍庫でしばし放置
 なにこのおしゃれな見た目!
あ、ちょっとすっぱかったかもしれない……。でも、これはいいものだ。うまい!

それでも湧き上がる疑念

……とここまで読んでくださったみなさん、今更そんなこと言うなよって思われるかもしれないのですが、あえて伺わせていただきたいことがございます。

うすうす思っていないでしょうか。

これらのメニューって実はみんな、お酢を入れなかったとしても、おいしいんじゃないだろうか?と。

……ごめんなさい。正直にいうと私は少し思っています。

でも同時に、もしそうだったとしても、それはそれでいいんじゃないかとも思っているんです。

だって、お酢を入れることで、入れてない時とは別ベクトルのおいしさに出会えてるはずだから。お酢メーカーのお酢レシピからは、その一歩を踏み出すための勇気をたくさんもらっている気がします。

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