れんさい企画「お酢のいろいろを語り尽くしたい」
1. むせてこそお酢、お酢ってそもそも何なのか
2. バルサミコ酢は意外と万能
3. お酢を味わうためのコンビニ飯、冷凍五目焼きそばと煮たまご
4. 入れるだけでポテンシャルを発揮しまくるりんご酢
5. お酢メーカーのお酢レシピがすごい
……というわけで、
かけるだけ・入れるだけでお酢を楽しめる方法に絞ってみた。
なんで絞ったのかというと、ふだん自分自身があまり料理らしい料理をしない方だから、というのが大きい。
この前、知人数人の前で「昨日の夕食は、レタスをガッとちぎって、しょうゆやごま油を適当にばーってかけて、電子レンジで3分くらい温めたやつを食べました〜♪」っていう話をしたら、数秒くらい、静かな時間が流れたような気がした。
できるだけ手をかけずに、楽しめることが大切だ。……とちょっとかっこよさげに書いてみたが、要はめんどくさがりなのである。
私ひとりの味の感想だけだと「本当に?」と不安に感じる人もいるかもしれないので、今回は編集担当の橋田さんにも試してもらった。
牛乳にお酢を入れるとにわかにヨーグルト
まずはこれからいこう。牛乳にお酢を入れる。
合わせるお酢は、できればりんご酢などの果実から作られたお酢がいい。なぜならば、酸味の質がちょっと丸いのだ。果実由来のさわやかさもあって、ドリンクとして飲むのに向いている。
……とさらさら書いてみたのだが、なかには「へっ?牛乳にお酢?」と思った人もいるのではなかろうか。もしそうだったとしても、どうか引かずに読み進めてもらえるとうれしい。私も最初は驚いた。
初めて知ったのは去年の今頃。どうやら、お酢フリーク的には既に定番の楽しみ方で、なんら異質な合わせ方でもないらしい。
だけどそれはもう、驚いた。
牛乳にそんなことしていいの?本当に?ごくごく一部の選ばれし味覚を持つ者のみが楽しめる特殊な合わせ方なんじゃ?と思っていた。
でも、先人が熱く薦めてくれていることだ。とりあえずは試してみようじゃん!と決意を固めた。知ってから半年以上が経った冬の朝のことだった。
本物のヨーグルトと比べると、違うっちゃ違っていた。飲むヨーグルトとは、なんというか貫禄が違うのだ。飲むヨーグルトには、俺、本物!っていう揺るぎない強さがある。
でも牛乳+お酢は、これはこれとしておいしい。味を具体的に言い表すとすると、「ヨーグルトっぽい。ヨーグルトになりたがっている(でも完全になれているわけではない)牛の乳」といった感じで元も子もないんだが、味はそんなにへっぽこではないのである。
これはこれでひとつの選択肢であろう、という味がする。
ちなみに「ブルガリアヨーグルトプレーンにはまって食べていた時期がある。酸っぱいヨーグルトが好きなので、嫌いじゃないと思う!」という橋田さんにりんご酢で試してもらったところ……
予想を上回る大絶賛だった。
橋田さんは、牛乳とお酢の組み合わせに対しては何ら疑問はなく、「牛乳に酢を入れると分離するだろうという予備知識があったので、分離したのを見られたらいいな」と思っていたそうだ。
そうそう。そうだった。お酢と牛乳の組み合わせは、調理の仕方次第では、カッテージチーズも作れる。あたためた牛乳にお酢を投入し、分離がすすんだら、その塊をキッチンペーパーなどで包み、水気をきるとポロポロのチーズができあがる。
そしてカッテージチーズにするつもりなく、冷たい牛乳にお酢を入れるだけでも、ドロッとした感触になることがある。
橋田さん曰く「牛乳100mlにお酢大さじ1杯くらいを入れると、ドロッとした感じになった!」とのこと。
ただ、お酢の種類を穀物酢にするのは、よろしくなかったらしい。
納豆+お酢=ふわふわ!
続いておすすめしたいのが納豆に入れること。
もしも「えっ??」と思った人がいたとしたらお伝えしたい。この組み合わせ、よくよく考えてみると、納豆に味ぽんや酢じょうゆをかける感じに近い。そこまで異質感はない組み合わせなのである。
ポイントは納豆が、ふわふわになることだ。ふわふわの納豆って少しだけ……いや。かなり気分がいい。味にもさっぱり感が増して気分がいい。朝から絶好調になれる納豆だ。
もちろん朝以外に食べてもいい。
こちらも橋田さんに試してもらった。
なんと、今回初めて知ったのだが、「納豆は好きじゃないけど、身体に良いと聞くので無理して食べるようにしている」という橋田さん。
そ、そうなのか……!
「短時間でささっと食べるようにしていて、ごはんにもかけない。皿にもいれたくないのでパックのまま食べて捨てる。酢を入れることで嫌いな気持ちが改善されるといいなと期待しています。」
ごはんにもかけない。相当強い思いがあるようだが果たして。
さらに穀物酢でやってみたところ「納豆自体がかなり強烈な味のはずなのに、穀物酢は負けじと主張してきました!」とのこと。
穀物酢、強い。
穀物酢とりんご酢だったら、りんご酢で試すのがおすすめだが、米酢や黒酢などで試してもおいしいのでぜひトライしてみてほしい。
酒を控えておきたい夜にはお酢を炭酸で割れ
最後に紹介したいのはお酢と炭酸水で作る、チューハイもどきである。お酢を水分で薄めて飲むと、カーッと喉奥が熱くなるような感じがある。これがどうにもお酒っぽいのである。
ここで大切なのは、本物と同時に飲んで味を比べないことだ。細かい違いに気がついてしまうから。お酢サワーだけ飲もう。それで、飲んでいる気分に浸りきるのだ。
お酒とは、気分なのである(と書いてみたが個人差はあると思う)。
さて。橋田さんにも試してもらおう。試す前の印象を聞いたら、「これは、普通においしいでしょう」と力強い。
当サイト内の「買ってよかったもの」のコーナーで、ウェブマスター林さんが勧めていた「ビネガークラフトワークス 桜色ベリー295ml(ビネガードリンク)(飲むお酢)」(現在は在庫切れのよう)を飲んだことがあって、それがおいしかったので、味の想像がしやすかったという。
休肝日を設けたい人、ぜひお酢に頼ってみてほしい。そしてその際には、飲んでも飲んでも酔わないな、おかしいな……と我に返らないことがなにより大切だ。
さいごに。そのほかにおすすめなのは
・揚げ物にかける
第二回の記事内でからあげにかけることを激推していたが、からあげ以外の揚げ物にもおすすめ。レモンだと思って適量ふりかけるといい。りんご酢のほか、黒酢、米酢あたりが旨みがあっておすすめ。
・お茶漬けに入れる
過去に書いた記事でも少し取り上げている。さっぱり味で朝の起き抜けにも食べやすい。
・カレーに入れる&かける
本気でお酢との調和を楽しみたい場合には、ポークビンダルー(「ポークビンダルー」「レシピ」で検索して好みのレシピを探していただければ……)を作るのがおすすめだけど、めんどくさいよ〜っていう場合には、出来合いのカレーに混ぜてみるのもあり。ルーじゃなくて、ごはんに寿司酢を混ぜるのもうまい。
あたりである。
それ以上手の込んだ料理については、料理家さんの作ったレシピ(特に自ら「お酢が好き!」と公言している人のレシピが超おすすめ)やお酢メーカーの公式レシピを物色するのが吉だと思う。
メーカー公式はとにかくいろいろ最高だ。次回は、公式のレシピをいろいろ試してみつつ、公式たちの純粋すぎるがゆえの発狂についてお伝えしたい。