特集 2020年4月13日

「同じものを一緒に味わう」オンライン飲み会が盛り上がった

外出自粛が広く求められる今、家にいながらにして飲み会気分が味わえる「オンライン飲み」が流行っている。ビデオ通話サービスを利用しながら、みんなが各自の場所でお酒を飲むというものである。

確かに、家にこもってたまっていくストレスが、友達の顔を見ながら飲んでいたら少し緩和されるような気がする。しかし、本物の飲み会と違い、同じ空間にいないから同じ料理を味わえないというところがやはりちょっと寂しい。わがままですみません。

じゃあ、現在も通常営業されているコンビニで事前にそれぞれ同じおつまみを買い、オンライン飲みをしながら一緒に食べてみたらもっと楽しいんじゃないだろうか。「酒の穴」の二人にゲストのディスク百合おんさんを加えて検証した。

日常的な生活の中にぽっかりと現れる「今ここで乾杯できたらどんなに幸せだろう」と思うような場を探求するユニット。なんでもない空き地とか、川沿いの原っぱとか、公園の売店だとか、そういったところに極上の酒の場があるのではないかと活動中。

前の記事:閉店してしまった木場の名店「河本」その後の話


居酒屋に行けないという苦しみ

パリ:もう、おれなんて、飲むためだけに生きてるようなもんなんでやばいっすよ、今の状況。

ナオ:やばいですね。

パリ:こんなに居酒屋に行かなくても死なないんだって驚いてるくらい。

ディスク百合おん(以下、百合):軟禁状態。

ナオ:なんとかなってますか?

パリ:いや、辛いです。

ナオ:辛いですね。

パリ:よく発狂しないなっていう。

百合:ギリ。

パリ:3週間くらいすか、酒場で飲んでないの。

百合:うわー、刑罰ですね。

パリ:でもまぁ、なんで耐えられるかって、そうしてるのが世のためだからで、自分が飲みたいからって自暴自棄に飲んでたら人様に迷惑かけるわけで、じゃあどう飲むか、という話。

ナオ:そうそう、難しい状況ですよね。現時点でも飲食店を営業している方もいて。

パリ:本音は応援したいし。

ナオ:ねー。お店側も営業しないと売り上げが一切なく、死活問題だから。好きなお店を支えようと今も利用しているお客さんもいるけど、基本的には外出自粛要請ということで、できるだけ家にいましょうということになっていて。で、家にいるとなると、家でできるだけ楽しく過ごすしかない。

百合:この耐え難き期間、自分の精神のためにも。

パリ:「今何ができるのか」ならぬ「今どう飲めるのか」ですね。

ナオ:お酒も適度に飲んでストレス解消したいというね。

百合:何かしら無いとやってけないですよ!

パリ:あと、酒飲んだり楽しむことにまでうしろめたい気持ち持つことないし。

ナオ:そうですね。ありがたいのが、今こうしてネットが割と手軽に使える時代で遠隔でもコミュニケーションがとれるじゃないですか。それがなかったらさらに辛かったろうな。

百合:確かに。

ナオ 例えば今日、キャベツの千切りにベビースターをふりかけたものが昼ご飯だったんですが、そんなこともこうして誰かに言えない。

パリ:はは。

ナオ:誰にも知られずひっそりと。

パリ:ひっそりとむなしい。いや、むなしかったとは聞いてないか。大満足だったかもしれないのに失礼しました。

ナオ:いや、こうして言えたのに、それでもむなしいほどです

オンライン飲み? WEB飲み? ……オン会?

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こういうやつの話です

ナオ:今みんなネット上でお酒を飲むというのをやってるみたいですね。「WEB飲み」? なんていうんだろう。

パリ:「テレ飲み」なのか。

百合:「オンライン飲み会」?

パリ:あ!「オン会」

百合:オフ会ならぬ。

ナオ:いいですね。「オフ会」のオフはオフラインか。だからオンライン飲み会は「オン会」。

パリ:オフ会ってなんだそもそも。こちとら生まれてからずっとオフ会だったよ。

百合:アハハハ!

ナオ:なんでオンラインを前提にしてんだと。そもそも「ライン」がなかったからただの「会」だった。それが今や普通に家にいながらにして、顔を見合わせながら一緒に飲めるという。私もたまにバンドメンバーとその時間に集まれる人だけでやってみてて。

パリ:いいですね。楽しそうだな~。

ナオ:今なんか特に不安なことも色々あるから気軽に話せるだけで落ち着くんです。

パリ:だから話戻るけど、これずーっと家で、WEBがなくてラジオとかTVで一方的にニュース聞かされてたとして、しかも、近所の人とか友達と集まっちゃダメ。気が狂いますよすぐ。

百合:無人島みたいなもんだ。

ナオ:確かに。ネット環境が無い方は今もいるから、みんなどうしてるんだろう。なんかこういう状況になってみると、要素として何が大事なのかも見えてきますよね。

百合:本当だ。

ナオ:他愛もない話ができる場が大事で、それはオンラインでもなんとかなるんだけど、やっぱり実際に一緒の空間にいるからこそできることがあるじゃないですか。同じ皿のつまみを取り分けて「うまい」だの「まあまあ」だの、あれができないのが結構寂しいんですよ。

パリ:だってうちら、店行ったら「これ、うまいすね」しか言ってないっすもんね。

ナオ:そうそう。

パリ:その共有が重要。

百合:共有する安心感。

ナオ:「これうまいですね!」以外の話をしてないから、オンライン飲み会した時、話すことがないのね。

パリ:「それ、うまい?」「うん」「……」

ナオ:シーン。

パリ:グビグビー。

百合:どよーん。

ナオ:そこがネックだなと思っていたので、今回、オンライン飲み会、オン会をしながらみんなで同じものを食べたらどうだろうっていう、それが発端でしたよね。

百合:なるほど!

ナオ:で、コンビニやスーパーは今のところ通常通り営業していて、そこでは全国どこでも同じ商品が手に入ったりするんだから、離れた場所でも同じものを食べながら一緒に話せるなと。

パリ:そして、ならば適任は、コンビニで売っている商品2品以上をかけ合わせて新たなる美味を生み出す「コンビニかけ合わせグルメ」界の大御所、ディスク百合おんさんであろうと。

ナオ:そう。

百合:大御所! ありがとうございます。

パリ:普通に「これうまいね」もいいんだけど「え~、これとこれ合わせるの?」「わ、うまい!」みたいなのね。

ナオ:その一喜一憂が楽しそうじゃないですか。

百合:お任せください。買い出しにスパイスを!

ナオ:そうそう、簡単にできる範囲でね。

パリ:買い出しもさ、必要なものだけになっちゃいがちなんすよね、当たり前だけど。

百合:確かに。

パリ:「この新商品買ってみよ~」という気持ちが「あ、今日はトイレットペーパーあるぞ」に圧迫されて。

ナオ:そうですね。なかなか余裕が持てないですからね。

パリ:ましてや「これとこれかけ合わせてみるか」はない。

百合:今こそチャレンジを!

飲み会に特化したビデオ通話サービス「たくのむ」を使ってみる

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飲み会開始3時間前に準備を終えたパリッコさんのデスク

ナオ:買うものを決めて、無理のない範囲でお互いがあらかじめ買っておいた。

パリ:コンビニで買えるものっていうくくりでね。これが意外と苦労しましたね。

百合:苦労しちゃった。

ナオ:目当てのものが無かったりしてね。でもまあそこは、似てるものでいいかと。

百合:まあ今回は何品も作りますからね。その気持ちも大事!

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ずいぶん華やかなテーブルになったな
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ディスク百合おんさんのオン会セッティングには洗濯ばさみの工夫が

ナオ:なきゃないでいいんです。だいたいで。だって、現実のほうでもパリッコさんがお店で頼んだつまみを私が一切食べないという時はありますからね。

百合:自由!

パリ:そう。それぞれの円が重なってる部分さえあればいい。という、妥協。

ナオ:そうです! ということで事前に色々用意したものをテーブルに並べて、約束した日時にいざオン会をスタートしようということに。

パリ:最近いろいろそういうサービスがあるんすよね。主流なのがZOOM。そんなかでも「たくのむ」というものが、飲みに特化したサービスらしくて、こりゃあ使ってみようと。

百合:あからさまなサービス名!

ナオ:はは。

パリ:アカウントを作らなくてよくて、サイトに行って「飲み会ルームを作成する」って押すと、すぐアドレスが発行されて、ブラウザ上でオン会できる。

百合:のびのび使える! 気軽~。

ナオ:こういうのって楽さが大事ですね。機能性よりシンプルさが大事かも。URLクリックしたらすぐに始められましたもんね。

百合:いいお店。

パリ:しかも、飲み会の時間を設定できる。

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あらかじめ飲み会時間を設定できる機能がある

パリ:ドリンクラストオーダーとかもない。

ナオ:時間を設定できるの面白いですね。

百合:ケジメが付く!

ナオ:実はオン会って、終わり際がめちゃくちゃ難しいような気がしてたんです。

百合:あー。

パリ:確かに。

ナオ:いつまででもできちゃうからこそ、「そろそろやめようか」がなかなか言い出せない。「終電だからそろそろ帰ります」が使えないので!

パリ:ははは。もちろんたくのむも時間無制限にも設定できるんだけど、とりあえあず2時間にしとくか~って感じがちょうどいいすよね。それぞれのソフトにいいところがあるんだろうけど、さすが飲み専門サービス。

ナオ:わかってるなー。というわけっで今回は「supported byたくのむ」です。

パリ:勝手にね。

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ようやく「オン会」を振り返ります

ナオ:ということで、その時の模様を振り返りましょう

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お酒はそれぞれ好きなものを
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遠く離れても乾杯はできる

パリ:最初は、いきなりかけ合わせるんじゃなくて、それぞれのおすすめのおつまみを食べながらゆるやかにスタートしました。

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オンライン飲み会って最初ちょっと照れる

百合:私は「チーズのうま味がクセになる堅揚げポテトチップス」を紹介しました。

ナオ:まずは百合おんさんのおすすめスナック。それにしてもこういう長い商品名、慣れましたねすっかり。

パリ:うん。

ナオ:だって「カール」なんか、「カール」だけですよ。「チーズのうま味がクセになるカール」ではないよ。

パリ:カールしてるから「カール」。それだけ。

ナオ:ははは。

パリ:「なげわ」とか「ポテコ」とか。

ナオ:その時代の上限、3文字だったのかな。今はもっと文字数使えるみたいな。

パリ:ポケベル的な。

百合:スグカエレ。

ナオ:「ポッキー? まあ小さい“ツ”と“ー”は合わせて1文字でいいか」

パリ ははは。「プリッツは、小さい“ツ”と大きい“ツ”が似てるから1文字でいいか」。

ナオ:はは。その判断は誰がしてるんだ。

パリ:バカの製菓大臣。「おいしければ許す!」

ナオ:それでいうと異例の長さの商品名の「チーズのうま味がクセになる堅揚げポテトチップス」ですが、これはセブンイレブンのやつですね。

百合:プライベートブランドです!

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三人とも同じものが買えた

パリ:そうそう。こういうの、普段あれこれ試さないんですよ。だからいきなり衝撃受けた。

ナオ:ね!

パリ:最近のお菓子、こんなにうまいの!? っていう。

ナオ:実際チーズのうま味がクセになる堅揚げポテトチップスでしたわ。

パリ:ほんとほんと。

ナオ:そんなに後味がしつこくなくて、ガリッとした食感が後をひく!

パリ:こういっちゃあなんだけど、カールが古き良きスナック菓子だとしたら、こっちはじゃがいもとチーズの一品料理。

百合:なんだか自分も嬉しい。

ナオ:お菓子お菓子してないんですよね。お菓子とおつまみの間ぐらい。いやおつまみおつまみしてるかもしれないほどだ。

パリ:おつまみおつまみ寄りかもしれない、うん。

ナオ:っていうようなことを同時に言い合いながら飲めるのがもういきなり楽しかったです。

百合:確かに!

ナオ:正直、「オンライン飲み会をする時、同じお菓子を買っておいて食べながら飲む」という、もうこれだけでもじゅうぶん楽しいので、余裕があればお試しあれ!

パリ:実際このあと失敗率が高くなっていくので。

百合:アハハハ! 逃げたくなってきた。

豆のおいしさでつながる瞬間

ナオ:私がおすすめした「プチポリ納豆」は自分自身が近所で見つけられなくて、二人が食べてるのを見ながら本物の納豆を食べました。

パリ:ははは、もはや別物ですよ。

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豆系のおつまみを食べ比べ

パリ:そもそもコンビニごとにけっこう品揃えが違うんですよね。

百合:迂闊でした。

パリ:で、最終手段として、実はけっこう家が近いのもあって、ディスク百合おん邸の最寄りのセブンイレブンにわざわざ行きましたからね。そしたら揃う揃う。

百合:もう会える!

パリ:つーか家の前通って帰ったからね。

ナオ:はは。

パリ:「今あそこでテレワークしてんだー」って。

ナオ:それもうさ、そっちは二人一緒でいいじゃないですか! それを自粛しないと意味ないけど。

百合:風刺四コマ?

パリ:家におじゃまして、別々の部屋で、持ち込んだノートPCでオン会をしてるっていう。

百合:アハハハ!

パリ:で、ナオさんだけずるずる納豆食ってる。

ナオ:プチポリ納豆、最初、友達が食べていて「美味しいよ。一口いる?」って言われた時に「いらないわ」って一回拒否して。

パリ:わはは。そんな経緯が。

ナオ:「いや、ちょっとマジで美味しいんで」っていうから。仕方ねーなって感じで食べてみたらもう、二度食い三度食い。

パリ:なくなっちゃう!

ナオ:全部食い。本当にそれぐらい衝撃的でした。

百合:食べたい~。

パリ:ぽりぽり噛んでると、だんだん納豆に戻ってくるんすよね。

百合:マジ食べやすい納豆でした。歩き飲みとかピッタリですよね。

ナオ:見つけた時は駅の売店で売ってたんですよ。新幹線乗りながらこれをつまみに一杯とかさ。そんなこといつできるんだろうー!早く平和になってくれ!

パリ:おれの「miino」。これもナオさんは見つからなかったんでしたっけ?

ナオ:すみません! 近所になかったです

パリ:黒豆と空豆があってどっちも甲乙付け難いうまさなんですよ。

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それぞれが無理なく買えたもので楽しむのもまたよし

ナオ:うまそうー。

パリ:ナオさんの予想の、たぶん5倍うまいですよ。

百合:私は食べました! 空豆ですが…今回のオン会で一番気に入りました。

ナオ:えー!

パリ:そらみたことか! 空豆もうまいんだよ。つけがたいんだよ、甲乙が。

百合:正直、悟空の食べた仙豆ってこれじゃないかな。

パリ:はは。miinoだった。

百合:ってくらい超越した旨さでした。

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「なんとかわけてあげられないかなぁ」
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一人だけ「リアル納豆」を食べる

百合:この3品で会場は温まりましたな。

ディスク百合おんさん提案のコンビニかけ合わせグルメを食べる

パリ:そしてかけ合わせへ。

ナオ:そう。そこでようやく今回のメインである、ディスク百合おんさん提案のメニューを。

百合:日夜研究を重ねている私から新作! かぼちゃサラダとおつまみカニカマで、春を意識した華やかな一品を考えました。

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セブンイレブンの「かぼちゃサラダ」と「おつまみカニカマ」を混ぜたらできあがり

パリ:あのね。おつまみカニカマが、美味しぎるのよ。大好き。

ナオ:そもそもね。

百合:かけ合わせる前に試食したんですよね、カニカマを。

ナオ:そう。ちょっとだけね。初めて食べましたけど美味しかった。

パリ:それが、カボチャサラダを加えることで、なんというかマイルドになるんですよね。

百合:ナオさんが「美味しさが半減した」と言ったのが耳に張り付いて寝れなくなりました。

ナオ:はは。いや、美味しいかけ合わせでしたよ。ただ、最初にカニカマ単体の美味しさを確かめないほうがいい。

パリ:ははは!

ナオ:言葉選びが下手でした。美味しいんです。間違いなく。

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それぞれの自宅に同じおつまみがある不思議
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こちらはパリッコ作
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百合おんさんはおしゃれに盛り付け

パリ:あくまで、カボチャにカニカマを掛け合わせるというスタンスね。逆ではなく。でも本当、上品で美味しいおつまみでしたよ。例えばさ、会社の忘年会とかで、ひとり6000円のコースが予約されてたとして、お通しがカニカマだったら怒るけど、カボチャカニカマなら納得するみたいな。

百合:絶妙な表現!

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「なんか食べちゃうランキング」第1位が登場

パリ:次は問題作。

ナオ:私の提案で、名付けて「サッポロ一番塩キャベツ」。

百合:アハハハ!

パリ:名付けた。

ナオ:名付ける必要のないものに名を与えた。

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サッポロ一番塩キャベツをみんなで作っているところ

ナオ まず、コンビニで売ってる千切りキャベツを私は普段からよく食べていて、たいていポン酢かウスターソースかけて食べるんです。

百合:トキワ荘の苦労話?

パリ:「ンマーイ!」って。

ナオ:はは。最近ちょっと消化にいいもの食べたいムードで、キャベツをむしゃむしゃ食べたくて。そんなのもあってね。

百合:プレーンなのはかけ合わせしやすいですしね。

ナオ:そうそう。「無限キャベツ」って商品があるじゃないですか。皿うどんの麺みたいな揚げた麺とごま油風味のタレを千切りキャベツと混ぜ合わせて食べるやつ。あれが好きなので、あれみたいなのにできないかと思って。

百合:なるほど!

ナオ:それで「サッポロ一番塩ラーメン」の麺を砕き、袋の中で粉末スープと混ぜ合わせてシェイクしたものを千切りキャベツにふりかけて食べたら、「これは無限にいける!」みたいなになるかと思ったんだけど……だいぶ失敗でしたね。

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千切りキャベツに砕いた乾麺をザザッとふりかける

パリ:決して無限ではなかった。

百合:砕いた麺がクルトン的な。

ナオ:そう食感がパリパリしないんですね。

百合:ザクッ! ザクッ! 積もった新雪を踏み締めるような

ナオ:というかまず、袋の中で麺を砕く時点で難しくてキーボードに飛び出したり。

百合:アハハハ!

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ノートパソコンと乾麺の破片

ナオ:色味もかなり美味しそうでない。麺とキャベツの色と形、近過ぎですね。

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とにかく白っぽい食べ物
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こちらはパリッコ作。もちろん同じ感じに

パリ:そもそも、インスタント麺を砕いて食べるといえば、チキンラーメンならわかる気もするけど。

ナオ:そう! チキンラーメンだったらどうだったろう。ちなみに冒頭でも言いましたが、この失敗の先に何かを見つけたいと思ってベビースターラーメンを千切りキャベツにふりかけて食べたところ、そっちの方がよかったです。

パリ:おお!

ナオ:少しよかったです。

パリ:少し!

ナオ:少しですね。

パリ:またやりますか?

ナオ:うーん、どうでしょう。

パリ:長嶋茂雄!

百合:アハハハ! 突然のミスター。

ナオ:自然にミスター。

百合:ただ、「なんか食べちゃうランキング」は1位でした。

ナオ:ははは。優しい。

パリ:そう、なんか食っちゃうんだよね、これ。

百合:絶妙に癖になるザクザク感。あの魅惑の粉末の力もある。

パリ:このあたりで、腹ふくれてきてたんだよな。

百合:すでに5品食ってる。

ナオ:オン会だから現実には一人で飲んでいるわけで、たくさん用意したおつまみ、自分が全部食べないといけないっていうことに、いまさら気づいて。

パリ:画としてあれこれやってみたかったのもあって、そもそもが大宴会の量なんですよね。

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お酒がドンドン消化されていく

三人がそれぞれペヤングを食べるひととき

ナオ:そうそう。それで次のパリッコさんのメニューが。

パリ:ここにきてのペヤングアレンジ。

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結成! ペヤング三銃士

パリ:本当に申し訳なかったんだけど、でも、最近すごい美味しいなって発見して、食べてもらわずにはいられなかった。

百合:あーでもペヤングちょっと食べたいという気持ちもありました。

ナオ:いや、すごい美味しかったです。これは「麻ピー」という花椒みたいな味わいのピーナッツを砕いて、普通に作ったペヤングにふりかけて食べるというメニューでした。

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UHA味覚糖の「麻ピー」という商品

パリ 最近「麻ピー」がすごい好きで。普通のペヤングが、あれかけると本格四川料理になるんですよ。

百合:最初はまさかあ! と思いましたが実際そうだった。

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おなかいっぱいなのにやめられない

パリ:なんだか麺まで、インスタントって感じじゃなくて、「あー、本場の麺ってこういうのなのね」みたいに感じて。

ナオ:いえ、わかります。麻ピーは砕けば砕くほどいいですね。

百合:馴染みますね。

ナオ:だいたいさ、ソース焼きそばにピーナッツをあてるところが、センスあるな。柔らかい麺の食感にカリッが混ざる。コンセプトはさっきの「サッポロ一番塩キャベツ」と同じなのにな。

百合:モリモリ食べちゃった。

ナオ:一人1個ずつのペヤングを食ってる時間。

百合:かけがえない3つのペヤング。

パリ:一杯のかけそばと三本の矢をかけ合わせた教訓「かけがえない三杯のペヤング」。

百合:アハハハ!

ナオ:特に学べる部分なさそう。

百合:お湯、沸かしてるのもいい時間でしたね。

ナオ:そうそう「じゃあお湯入れてきまーす」なんて、みんなカメラの前からいなくなってね。ちなみにその麺を茹でたお湯をさっきのサッポロ一番塩キャベツにかけてみたんだけど、それは不要な行いでした。

パリ:ははは。不要不急の熱湯。

ナオ:水分があればいいというんでもないんだなー。

パリ:ちなみにおれは翌朝、残った千切りキャベツと砕きポロ一を普通に鍋でゆでてみたんですよ。そしたら、味だけはサッポロ一番な、謎の料理ができあがりました。

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お湯で煮ても白い

百合:アハハハ!

ナオ:ははは。器をかえたらどこの国の料理にも見えそうな

百合:ハードボイルドグルメリポート感ある。なぜか極限メシ。

最後はディスク百合さん提案の、明太子ふりかけワッフル

パリ:そして最後にワッフルか。

ナオ 百合おんさん提案のメニューで、ワッフルに明太子のふりかけをかけて食べたんですが、なんでこんなことになったんですか?

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ワッフルに明太子のふりかけ?

百合:アハハハ! 詰められてる! 明太バターブレッドみたいな、サクッとしてアテにピッタリみたいなのを作りたくて。

ナオ:うんうん。

百合:明太子ふりかけまでは思いついたんですが、ブレッド側がどーしてもぴったりなものが見つからず、錯乱してワッフルを手に取ってしまいました。

ナオ:つまり、パン選びが難航してちょっと違ったものになってしまったと。

百合:そうです! 悪気は無かったんです……。

パリ:いやただ、おれも完全にニュアンスで、コンビニにあったものの中で、ドーナツとのりたま買ってかけ合わせたんですが、これがうまかったんですよ。みたらし団子みたいな味わいになって。二人とも「ははは」みたいな感じだったけど。

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もはや原作の影もない「のりたまドーナッツ」

百合:赤ちゃんが遊んだ後?

ナオ:ははは。「こういうことしちゃだめよー」って優しく怒られるような。「のりたまドーナッツ」。そうだ。響きが「マカロニほうれん荘」みたいだって思ったんだった。

パリ:ポップですよね。そんな漫画があってもおかしくない。

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見た目は結構しゃれた感じ

百合:ワッフルは、あのくぼみにちょうどふりかけが入るという目論見だったんです!

ナオ:くぼみに入りましたよ。そりゃあ入るけど。

百合:くぼみに入ったら高得点というルールじゃなかったでしたっけ?

ナオ:ふりかけを穴やくぼみに入れるスポーツ。私はビビりながら入れてしまったからそんなに得点とれなかった。

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なんとも言えない不思議な味わい

百合:アハハハ!

ナオ:でもこれもそんなに変な味じゃなかったな。一口もらうぶんにはいいかなっていう。百合おんさんは美味しそうな仕上がりになってましたね

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ディスク百合さんは、ワッフルの他にこんな組み合わせにもチャレンジ
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躍動感のある写真が撮れました

百合:あ、これ本当にギリギリでちゃんとしたパンを見つけて、一人で堪能してる妖怪ですね。

ナオ:これは美味しそう。

百合:これは美味かったです!

ナオ:ペヤング丸ごと食べた後ですけどね。高校生でもこんな食わないでしょう。

百合:頑張るおじさんたち。この日はよく寝れました。

ナオ:私はあれ以来、数日たちますが、満腹感が消えないんですよ。

百合:怖い!

ナオ:怪談みたいな。なんて言ってたら画面にこういう表示が。

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「残り10分」のお知らせ

百合:あっという間!

ナオ:10分前サインが出るんですね。

パリ:カラオケ屋。

ナオ:延長ボタンも実装して欲しい。

百合:ああー、いいですね。

ナオ:まあでもこのおかげで、「じゃあそろそろ」って楽しく終われましたね。

百合:楽しかった!

オン会のスタートラインに立っている

ナオ:振り返ってみて、「みんなで同じものを食べて飲むオン会」、どうでしたか?

パリ:同じ釜の飯、みたいな慣用句もありますしね。絆が深まった気がします。

百合:文字のやりとりとかじゃなくて、直接話せるのはやっぱりいいですね。

パリ:WEB飲みってただ単に楽しいものだと思うんですけど、課題が残るっていうのが新しいポイントだと思いました。そこがおもしろい。

ナオ:うんうん。次につながるような

百合:またやりましょう! もう少し品数減らして。

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みんなで同じものを味わうって楽しいな

パリ:「酒場道」みたいの概念があるじゃないですか。チェーン店から始まり、徐々に個人経営の酒場や、名酒場へと足を踏み入れていく感じ。

百合:うんうん。

パリ:それでいうとWEB飲みは、まだ第一歩目の段階だと思うんですよ。ここから無限の可能性がある。どう進化していくかわからない。

ナオ:これを機に研究していけると。

パリ:そうそう。

百合:新しいものが生まれていく!

パリ:そのスタート地点に、みんないっせいにいる。

百合:オン会、元年!

ナオ:同じことをするっていうのは一つポイントかもしれないですね。一緒に同じ映画を見る、みんなが好きな1枚のアルバムを同時に聴く、とかしている人もいるようだし、まだまだ色々できそう。

パリ:だんだんネットとリアルで会っている場の境目は薄れていくのかな。

百合:飲み会の代替品ではなく。

パリ:その一つのターニングポイントが今であると。

ナオ:そう思うと少しだけでも前向きな気持ちになれます。これからも色々試していきましょうー!


この逆境の中で、オンライン飲み会を楽しくするアイデアがどんどん生まれていく気がする。ビデオ通話サービス自体にも色々な機能が盛り込まれ、一気に進化のスピードが速まりそうだ。これはもう、みんなで上手に活用して少しでも楽しく過ごすしかないではないか。

居酒屋で気の合う仲間と顔を合わせ、どうでもいい話をしながらお酒を飲めたことのありがたみをこれでもかと感じつつ、でもまだ色々とやりようがあるはず! と、そんな前向きな気持ちになれた今回のオン会であった。

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みんなが自分が考えたつまみを作ってくれるのが妙に嬉しい

今後も酒の穴では「こんなことをしたらオン会がもっと楽しくなるんじゃないか」と試行錯誤を続けていくとともに、今このまとめ文を書いている私、スズキ個人としては、千切りキャベツに何を振りかけたら美味しいのかもしっかり検証していきたい。

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