特集 2021年2月1日

プラモデルを走らせたい

買うだけ買って作っていないプラモデルがある。いわゆる積みプラだ。

まずこれを組み立てたい。

そして…組み立てたら飾ってるだけじゃなくて、外を元気に走らせたい!

1986年埼玉生まれ、埼玉育ち。大学ではコミュニケーション論を学ぶ。しかし社会に出るためのコミュニケーション力は養えず悲しむ。インドに行ったことがある。NHKのドラマに出たことがある(エキストラで)。(動画インタビュー)

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罪プラを崩せ!

ここのところ物欲が旺盛になってしまっていろいろな買い物をしている。そうした中、プラモデルもいくつか続けて買ってしまった。

……そして買っただけで組み立てていない。自分自身に「コラッ!」である。

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買うだけ買って組み立てていないプラモデルたち

上から「アメリカザリガニ」、「プレイステーション」、「セガサターン」、「ドラえもん」、「カップヌードル」である。気ままに買った感がでている。

これはどうしたものか。部屋の片隅に積まれて、どうも罪の意識にさいなまれてしまう。どうにかしないといけない。

そんな折、プラモデルをもくもくと作る会(7時間ある動画)が開催された。zoomで手元の映像を映しながら、3人で好きずきプラモデルを作るという会だ。

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もくもくとプラモデルを作る会を開催して作った

共同作業としてのプラモデル作りは集中することができて非常によかった。おかげで7時間ほどかけて、3つのプラモデルを組み立てる事ができた。

まずはそのときのプラモデルを紹介したい。

アメリカザリガニ(赤)

はじめはアメリカザリガニ。プラモデルといえばガンダムか戦車くらいしか視野になかったのだが、生き物のプラモデルの意外性にやられて購入した。

今回作るのは赤で、ほかには青とクリアー(透明)があった。アメリカザリガニにカラー展開があるのが、さらに意外である。

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はじめはアメリカザリガニの赤を作る。ちなみにオスであるそうだ。
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組み立て説明書の最後の部分、逆に分解していると思うとちょっと気持ち悪い
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ザリガニ一匹なのにけっこうたくさんパーツがある気がする
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広げるとこのくらい。同じザリガニの赤でも暗いのと明るいのがあることがわかる。細かい。

もくもくと組み上げていく。カニを食べるときに黙る、という話があるが、ザリガニを組み立てるときも同じように黙る。

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頭だけ完成。食べかけとしてもリアル!
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しっぽ部分はパズルみたいなパーツ郡だ
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組み立てるとこんな感じに。内側は透明の部品が設えられていて、いい意味で生々しくて気持ち悪い。

もくもくと作っていたが、心の中では「すげー、こんなふうにできあがってくんだ!」と感心しきりであった。

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頭と尻尾と脚をくっつけたら、
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完成! 立派なアメリカザリガニの男の子ですよ!

アメリカザリガニのプラモデル、やはり良いものだ。素組みのまんまではあるが、プラモデルを組み上げた達成感というのはなかなかだ。集中していいペースで作れたのも気持ちがいい。

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カップヌードル(プラモデル)を作る

気を良くしてつづいて手にとったのはカップヌードルのプラモデルだ。「ドラえもん」のエピソードでも登場したアレである(と言って通じるだろうか)。

本物のカップヌードルと違って、こちらは3分で完成とはいかない。

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次はカップヌードルをやっていきたい
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パーツはこんな佇まい

パーツ数はアメリカザリガニにより少ないから簡単そう、と思っていたが、後にそれは間違いだと気がつく。

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カップの上部と底部から作る
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カップヌードルのロゴがパーツになっとるんですな
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こうやってカップが完成。あっという間だった
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麺は2層になっていて工夫を感じさせる
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麺はカップにすぽっとハマる

だいたい組み上がったと思ったら、ここからカップにシールを貼っていく作業に入る。ザリガニにはなかった工程だ。

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わかるだろうか。濁点や半濁点にめちゃくちゃ細かいシールを貼る。

カップヌードルの場合、組み立て時間のあとに、シール時間があるのを覚えておいてほしい。プラモデルをランナーから切り取って組み上げるのとは別の集中力を使う。

カップ外面の細かいシール貼りが終わると、麺の上にかやくを散りばめる作業に入る。

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もちろん謎肉もあるよ
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エビは半透明シールを使ってかなりリアルに

エビにもシールを貼るので「またか…」と思ってしまった。でもリアル!

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ネギはお好みで切って入れよう

最後にフタをする。

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そしてフタを…え、フタ?

そう最後はフタのシールでふさいでしまうのだ。見えなくなってしまう。頑張ってエビにシール貼ったのにである!

1度や2度剥がしたところで粘着力がなくなってしまうシールではないが、基本的には貼っておくもののようだ。

強い気持ちでシールを貼ったら……

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完成! フタを閉じる透明のシールを貼るかはお好みで

セガサターン、しろ!

作り始めてからもう5時間以上経過していたが、興が乗ったので続いてもう一個ほど作ることにした。

次はセガサターンだ。

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ついでにセガサターン(2/5サイズ)を作るぞ!

 

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パーツ数はすくなめ

集中力が落ちてきたのでパーツは少なめだとありがたい。

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内部は基盤やレンズユニットが組み込まれていて、よい……見えないところなのに……
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コントローラーにも基盤が入っていて気が利いているなと思う
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あ、ボタン電池だ!

これが切れると本体データも消えるという、セガサターンの命と言ってもいいようなボタン電池も再現されている。

外側だけではなく内部のメカも再現されていて楽しいプラモデルであった。

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セガサターン、完成!

こうしておよそ7時間かけて、アメリカザリガニ、カップヌードル、セガサターンを組み上げることができた。

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素組みでも3つそろうと気持ちがいいですね
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プラモデル、家で飾るか、外で走らせるか

さて、完成したプラモデルなのだが、部屋の中で飾っていると、なんというか、力を込めて作ったものにも関わらず「静か」だ。プラモデルなのだから当たり前なのだが……。

とりあえずこれらプラモデルを外に連れ出すことにした。

プラモデルは、屋外に持ち出すとその存在感が増すのだ。以下の写真を見てほしい。

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ザリガニも元気な姿になって見えませんか
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カップヌードルも活発な姿に
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セガサターンもすっかりリラックス

プラモデルを外に持ち出して、それぞれ適当な場所に置いて撮影すると、なんというか存在感がぐっと立ち上がってこないだろうか。くるはずである。

プラモデルを走らせたい

これはこれでいいのだが、まだなんというか静物的だなという感じがいなめない。もっとプラモデルにダイナミズムを加えることができないだろうか。たとえば、走らせるとか。

いや、なんとかして外で元気に走らせたいと思う。走らせたいのだ!

どうやって走らせるのか。考えていると、ちょうど良さそうなものが売られていた。

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軽トラのラジコンカー

また物欲に注文ボタンクリックする指が負けてしまった(しっかりしろ、指)のだが、ラジコンカーである。

パッケージにはりんごを運んで走れそうなことが書かれている。

これをつかってプラモデルを走らせてみたい。プラモデルがより元気に見えるはずである。

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乗せた!
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ずり落ちないように両面テープで補強(くふう)

ちなみに軽トラのボディ部分を外してシャーシだけにならないかとネジを外したら、中でヘッドライトとテールライトの配線がシャーシにべっとりくっついたので、そっと元に戻した。

結果としてアメリカザリガニが軽トラックに乗っている。いったいなんの光景だ、とも思われそうだが、これはこれとして味わいがある。

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ザー
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ガタガタ、ガタガタ
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ブンブン

アメリカザリガニが元気に走り回っているのをみるだけで、なんだかこちらも笑顔になってしまう。

ボストン・ダイナミクスのロボットだとか、モルカーだとか、人々は無機物が動くのに目がはなせない。

そして、ぼくも無機物を動かすことに抗うことはできないのである。

続いてカップヌードルも走らせてみよう。

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なんとぴったりサイズでした
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ドドド
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ズーイ

 

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グルグル、グルグル

こうやって届くウーバーイーツがあったらほほえましいですな。

最後はセガサターンを乗せる。すると、はたらくくるまみたいになった。

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じゃっかん過積載感がある。
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ブーン
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スイー

ご清聴ありがとうございました。


無機物を動かしていきたい

プラモデルとラジコンカーという既製品を組み合わせるだけでも、とんでもない味わいが生まれた。

くりかえすが我々は無機物が動く姿を見ることに抗うことができない。だからこそこういう記事が生まれてしまうわけである。

これからもなんらかの形で無機物を動かし、その様子を愛でていきたい。

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