太陽を見てやれ
すごく暑いとき、日食グラスでギラギラのない素の太陽を見るとちょっと勝った気になるかもしれない。もちろん直接見ないようにな。
そういえば日食じゃないときに太陽を見たことがない。
日食のとき、太陽が丸くなって日食が終わる。あーあ、終わっちゃった、なんて言うけど丸い太陽を見るのはあのときだけだ。
日食と日食のあいだの数年間、ずっと太陽はあるのに一度も見ていない。
なんてもったいない。
太陽観察用のグラスは日食じゃなくてもヨドバシカメラで売っていた。396円。
ヨドバシカメラにも日食じゃなくても太陽を見ることにロマンを感じている人がいる。そう考えると「♪まあるい緑の~」という歌詞は太陽のことを歌っているとも考えられる。
さて、そんな日食グラスでふだんの太陽を見て気づいたことがある。先に書いてしまおう、この4点だ。
1.小さい
2.丸い
3.笑える
4.ニセ日食はできない
日食グラスで見る太陽は、小さい。僕もそう思ったし、日食グラスを人に渡すとたいていの第一声が「ちっさ!」だ。
そういえばそんな話を聞いたことがある。
太陽と月の大きさはまったく違うが、太陽は遠く、月は近いので奇跡的に同じ大きさに見える。だからぴったり重なって日食が起きる。(そんな話を聞いたことがある、と民話みたいに書いたが科学の話です)
太陽は眩しくギラギラしているので大きく感じていたが、日食グラスを通して見る太陽は驚くほど小さい。ふさふさの犬が濡れたときかよ。
世界のどこでも、数千年前から気づいていることを平気で書くぞ。
太陽は丸い。
こっそり欠けてたりすることはなかった。丸い。おーい、太陽は丸いぞ~。
太陽を見ると妙におかしいのだ。
ギラギラ輝いていたものが急にシュンとするからだろうか。
太陽にはそういう力があるのか分からないが太陽はウケる。これは信仰されるはずだ。
日食グラスの前に僕が10円玉をかざしたら日食みたいな写真が撮れるのではないだろうか。
日食し放題だ。世界の秩序を見出しかねない放題である。
結論から言うと、できなかった。太陽とコインのピントがあわないのだ。スマホと、絞りがコントロールできるコンデジの2つで試したがどちらもだめだった。
コインと太陽の距離が違いすぎる。コインはレンズから10cmぐらいで太陽は1億4960万kmだ。さすがにピントが合いにくい。
ドローンなどで遠くに円盤をぶら下げて、カメラを絞ればニセ日食も可能かもしれない。
今後の課題である。僕はやるだろうか。
すごく暑いとき、日食グラスでギラギラのない素の太陽を見るとちょっと勝った気になるかもしれない。もちろん直接見ないようにな。
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