三脚を失ったがおいしいグルメを見つけました。
地元の人に愛されるかしわバター丼。東京でも手軽に食べられる場所ができてほしい。
ちなみに三脚を買うために安さの殿堂に行ったが売ってなかったです。高松の三脚情報でした。
想像をしてください。あなたの目の前にはほかほかでお米の粒がたっている白いご飯があります。その上にはバターとこしょうが効いた鶏肉がこれでもかとのりました。
どうでしょうか。口の中によだれが出てきたのではないでしょうか。これがメンタリズムです。
讃岐うどんで有名な香川県。でも、うどん以外にも有名なものがある。それが鳥だ。町の中を歩くと骨付鳥ののぼりを見かける。
休みの時と仕事をさぼる時には見ちゃうでおなじみウィキペディアによると「塩とコショウとニンニクで下味付けした鶏もも肉を焼いたもので、丸亀にある居酒屋「一鶴」の創業者が、ハリウッド映画に出てきたローストチキンをヒントに1953年から売り出した。その後、一鶴が横浜市、大阪市に進出し、うどんに次ぐ香川県の名物として注目されるようになった」と載っている。鳥ってうまいからなー。
そんな鳥の名物が有名な香川県だが、スーパーの鶏肉の売り方も違う。普通、もも肉やむね肉など部位別で売っているが、
香川県では、うま味の強い「親鳥」と食感が柔らかい「ひな鳥」の区別がある。そんな鳥にこだわりの強い地域で食べたいものがある。それがあるのが高松駅から徒歩10分弱の「武内食堂」だ。
ここで提供しているという「かしわバター丼」を食べるために深夜バスで10時間かけてやってきた。昨日の夜からなにも食べてないのだ。もう、我慢できないと思って扉を開けようとしたが、全然開かない。
11時開店だが8時に行った。時間を確認することも大事だが、好きなことに前のめりな姿勢も大事にしていきたい。
時間になったので行ってみる。お店の近づくとこれだけでご飯を食べられそうなにおいがしてくる。
またお店の前に貼ってあるメニュー表に迫力がある。家の掛け軸に「かしわバター丼」と書いてあったもいいぐらいの迫力だ。キャッツアイが狙いに来る。
チャーハン好きとしてはかしわバターチャーハンも気になるが、ここはかしわバター丼を頼もう。5分ほどで来た。早い。
見た目からしておいしい。そして、においもおいしい。食べたらもっとおいしい。鶏肉がプリっとして、噛むたびにうま味が出てくる。
味はバターとしょうゆに、こしょうとニンニクがガツンと効いており「ご飯が多いかな」と思っていたが濃い味でモリモリなくなっていく。チェーン店のどんぶりの2倍ぐらいの量があるがペロリである。お店にいる人たち全員がこれを食べていたが、理由がわかった。
このメニューをできたきっかけを聞いてみた。
「先代(2代目)が鶏肉をしょうゆで蒸し焼きにした料理を食べたのがきっかけです」
「で、それがおいしくて、自分なりにしょうゆをにんにくしょうゆに変えたり、バターを入れてアレンジしたのが今のメニューです。生まれてから40年ぐらいになりますかね」
40年間、高松の人に愛されてきたかしわバター丼。この味を求めて地方からもお店に来るそうだ。
「高松以外ではあまり知られていないメニューなのですが、自分たちのオリジナルメニューというわけではなくて、もっと他の地域でも真似して「高松の名物と言えばかしわバター」となってほしいです」と教えてくれた。
これだけでもおいしいのだが、卓上にある花山椒をかけるとまた違った風味になる。たくさんかけたい気持ちをグッとこらえてかけよう。
おいしそうだろう。ただ、これだけではない。夢を見せてあげよう。全員、ここに来たくなると思う。
カレーがなんと無料である。辛口のカレーをかしわバター丼にかけたら、夏なんて余裕で乗り切れるスタミナがつくだろう。
かしわバター丼だけでもおいしいのにカレーをかけられるなんて、スクエアとエニックスが合併したときぐらい興奮する。
どんぶりにかけてもいいし、そのまま飲んでもいい。かしわバター丼は1度で3回も楽しめる素敵な食べ物だった。
また、武内食堂には「かしわのたけうち」という姉妹店がある。そこでもかしわバター丼は提供されているが、別のメニューも頂きたい。
中は食券方式だった。券売機には人気ランキングが貼ってある。これを参考にしてメニューを決めたい。ランキングの上位のやつって頼んじゃうからずるい。
やはり人気のかしわバター丼。大盛りを行ってしまおうかしらと迷ったが、人気3位のオムライスも気になる。
先にやってきた親鳥のタタキ。あぶられた表面と噛めば噛むほどに味が出てくるお肉、こしょうのピリッとした風味にポン酢をかけて食べたらビール1兆リットル飲める。
やってきたオムライスはまるでゴールドラッシュで見つかった黄金のような輝きをはなっていた。金運が上がりそう。
とろとろとかためのバランスが最高の卵にケチャップ、横に添えてあるかしわバターといっしょに食べたら、億万長者です。おめでとうございます。
中のライスもケチャップライスでケチャップ好きとしてはたまらない。そして、量だ。一般的なオムライスの2倍ある。幸せが2倍ということです。
そして、ここでもカレーが食べられる。カレーにオムライス。無敵だ。
香川に来たらうどんを食べたい気持ちがあるだろう。まかせてほしい。かしわバターうどんがあるから。
天ぷらなどのトッピングを自分で選び、うどんを注文する香川県に多いセルフ方式のお店。ここには限定でかしわバターうどんがある。
うどん用の小麦粉「さぬきの夢」を使ったうどんはもちもちした食感だ。そして、こちらゆでたうどんに卵をのせたかま玉という食べ方にかしわバターをたっぷりのせた逸品。
うどんってさっぱりしたイメージがあるが、これはかなりの濃い味。濃い味ファンにはたまらないうどんだ。
最後のしめはラーメンだ。
東京などでも見かけるホープ軒。それとは関係ないので安心してください。実は武内食堂もかしわの武内もこちらのホープ軒も同じ会社が運営している。なのでどこで食べても本家の味が味わえるのだ。しかもここならラーメンが食べられる。
かしわバターラーメン。名前を聞いただけで幸せな気持ちになれる料料理名だ。確実においしい。
それにしても色々なメニューがある。ラーメンだけでも10種類ほどあり、毎日来ても1種類食べられない。残念。
かしわバターラーメンを食べてみようと思ったが、違うメニューを見て心を奪われてしまった。
冷やしたくずきりを黒蜜やきな粉につけて食べるのが一般的なイメージだが、高松ではかしわバターと合わせてしまった。やりすぎじゃないか。
しかし、興味がわいてしまったので注文してみた。果たしてどんなものがくるのか。
来た瞬間「茶色だ!」と思った。透明なくずきりをイメージしていたので、あまりの茶色さにあわてふためいた。男の料理って感じだ。
ビーフンや春雨をもっとモチモチさせたような食感。そして、かしわバター特有の濃い味が白いご飯をバクバクと食べさせてくれる。くずきりもおかずになる、そうかしわバターならね。
おいしかった。かしわバター丼は中毒性のある味でたまに食べたくなる味だった。深夜に食べたらきっと幸せだろう。
そんなことを思ってふと、カバンが軽いことに気づいた。そして気づく。三脚がない。
どこを探してもないのだ。どこかに落としたらしいが三脚って落とすことってある?
このあと色々な場所を歩いて探したが、どこにない。あんなでかいものをなくした落ち込みが人を強くするのかもしれない。そう思わないとやっていけない。
地元の人に愛されるかしわバター丼。東京でも手軽に食べられる場所ができてほしい。
ちなみに三脚を買うために安さの殿堂に行ったが売ってなかったです。高松の三脚情報でした。
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