外国のチョコならみんなカサカサなのか
私にとって「粉っぽい」イメージの輸入チョコレートだが、ひとくちに外国といってもそりゃ北から南から西から東からいろんな国や地域があってそれぞれにチョコレートメーカーもあって、さらに価格帯も違えば味や食感は全然違うだろう。
以前もらって食べたことのあるゴディバ(ベルギーの高級チョコレートブランド)や、ベルナシオン(同フランス)のチョコレートはあの独特の味はしなかった。高級であればあの味はしない、ということなのだろうか。
さらに、私が食べたことのない国のチョコレートはどうなんだろう。
疑問にまかせ、外国のチョコレートを探して街を練り歩いてきた。
板チョコやガナッシュなど種類はさまざまだが、気にせず1カ国1種類を目安にたくさんの国のチョコを買い集めることにこだわった。
私の「あの独特の」というイメージはいったいどこから来ているのか。明らかにしたい!
集めたチョコは全部で17カ国18種類(うっかりフランス産を2種買った)。
これだけのチョコレートを今から食べると思うと心おどる反面その後の体重を思って恐ろしい。いや、でもやっぱ嬉しい。
エントリーチョコをざっとご紹介
国別にたくさん買えたのはヨーロッパ。ヨーロッパ以外はアメリカ、オーストラリア、韓国、中国(あと日本も)が集るにとどまった。
さあ、あとは難しいことは考えずにチョコを楽しもうじゃないか(あっ、たった今この企画の化けの皮がはがれましたよ!)。
なお、試食会場は雑木林です
というわけで、近所の雑木林にやってきた。
なんで。
これにはちゃんとした訳がある。私は外国産のあの独特の味わいを「カサカサだ」と思って生きてきた。
カサカサといえば、そう、枯葉だ。
食べたチョコについては、今回は枯葉を積んでカサカサ度を示したいと思う!
……。
と息巻くも、開始直後にやっぱ家で食べればよかったと思うことに私はなったのだった……。季節は冬。相当寒い。
なんだ「そう、カサカサといえば枯葉だ」って!
逆に日本のチョコレートが独特なんじゃないか
雑木林で立ったままメモをとりながら全18種を食べた。分かったのは
・雑木林で立ったままメモをとりながら水とチョコレートを交互に食べて飲むのは大変だ
ということが主だったわけだが、今までイメージでしかなかったあの独特の味の正体がちょっと分かった気がする。
今回食べた外国のチョコレートは、どれも粉っぽいか粉っぽくないかにかかわらず日本のチョコにはない外国のチョコレートの味がした。
それって逆に日本のチョコレートが独特の味なんじゃないか?
日本のチョコレートは他の国にはないコクがあり、口当たりがねっとりしている。
急に雑木林の地面で表してすみません。ここから「かさかさ度」を地面でお伝えしていきたい。
かさかさ度0は、このガーナ以外にもみられた。日本のチョコは独特の味ではあったが、かさかさ度でみると、韓国、スイス、ハンガリーからのエントリーチョコレートもあまり粉っぽさがなかった。
紹介していこう。
JEJU ORANGE 韓国
お土産のため値段不明
リンツ
ミルクチョコレート
スイス 1g 約3.57円
ボンボネッティ モーメンツ
ハンガリー 1g 約4.75円
韓国のものが各国のチョコレートと一線を画す、「薄い」味で驚いた(個人的にはかなり好き!)。
今度から誰か韓国に行く人がいたら海苔じゃなくてチョコを買ってきてもらおう。
三拍子はそろわないが、二拍子まではそろう
さて、では残りのチョコはどうだったのか。改めて整理すると
・カサカサと粉っぽくて
・ キーンと強烈に甘く
・ ちょっとケミカルな後味
これが私が求める“海外チョコの独特の味”の三拍子である。この中でも特に「カサカサ」が一番重要だ。
この条件が揃っているチョコレートはそうそう無かった。
それでも、ほとんどのチョコレートがこの条件の1つか2つには当てはまる。
食べたとたん「そうそう、これこれ!この味!」とは思わないものの、味わっていると、ああ、外国のチョコレートだよなあと感じる、そんなチョコレート。ご紹介しましょう。
プーラン ミルクライト
フランス 1g 約3.99円
ファツァー
ミルクチョコレート
フィンランド 1g 約4.2円
ドロステ
パステルロール ミルク
オランダ 1g 約3.15円
リッタースポーツ
アルペンミルク ドイツ 1g 約3.15円
ココアデリ
ロリートリュフ イギリス
1g 約5.13円
トラパ セレクション
スペイン 1g 約10.92円
以上が、ドンピシャとまではいかないものの輸入物のチョコレートらしいチョコレートたち。
さて、ここまでで13種類のチョコレートを紹介した。そろそろ口のなかが甘あまになっている頃かとは思いますが、ここは強気で続けたい。
ここからが本丸、例の独特の味のチョコたちの登場なのだ。
やっぱり「ハーシー」だった
粉っぽい食感、強い甘み、食後にケミカルな後味。私の心の中の「ザ・外国のチョコ」。
心のなかで薄っすら感ずいてはいたが、今回人生で初めて外国のチョコレートを食べ比べるということをして身にしみて分かった。
このイメージとは、ハーシーチョコレートのイメージだったのだ。
ハーシーズ
ミルク チョコレート
アメリカ 1g 約2.66円
もしかして読んでいる方のなかには「えーっ……そんなの分かってたよ!!」と思っている方もいるかもしれない。
実は今回、リサーチのために企画についていろいろな人に聞き取り調査を行ったのだが、私が求めるチョコレートの特長を言うと多くの人が
「ああ、ハーシーみたいなやつね!」
と言うのだった。
外国のチョコ独特の味、というのはハーシーチョコ独特の味と言いかえちゃってもいいかもしれない。
ちなみにハーシーの板チョコほどではなかったが、いかにもという味のチョコレートは他にもあった。
キャドバリー
デイリーミルク
オーストラリア
1g 約2.31円
一件落着、、かと思われたが
というわけで、独特のかさかさを味わいたいならハーシーの板チョコを買うべし! と、一応のまとまりを見せたかに思えたチョコレートたちだったが……ひとつちょっと例外タイプの商品を忘れていた。
ハーシーブランドのキスチョコだ。
これが、なんとほとんどカサカサ感のない日本ぽい味だったのだ。パッケージからして完全に日本市場用に開発した商品のようだったので、配合も日本向けになっているのかもしれない。
カサカサしたチョコレートを食べたい場合は、アメリカで作られた本場のハーシーチョコを選ぶといい、ということのようだ。
ちなみにさりげなく商品名のあとにグラムあたりの値段を書いてみたが、外国産についてはグラムあたり3円以下になると味わいが独特になるという傾向にあるようだ(サンプルが少ないのであくまで参考です)。
あー、外国を感じたいわと思ったらぜひ参考にしてみてください。
それでもやっぱり外国のチョコのイメージは変わらない
食べた。食べに食べた。胸焼け上等だ。ある程度食べると「あー、もう1年はいいや」と思うのだが、中1日あけるとまた食べたくなるのが不思議だった(でも本当、1年以上分は食べた)。
結局、ハーシーやキャドバリーといった世界的なチョコレートや駄菓子系のチョコに例の味を強く感じただけで他はそこそこだったのだが、それでもやっぱり私にとって「外国のチョコ」といえば、“あの独特の味”であるというイメージは変わっていない。
たまに思い出して食べることにしよう。ハーシーの板チョコ。