特集 2024年4月13日

ルンバを改造してファミレスにいるネコの配膳ロボットにする

ルンバを改造だ

そうと決まれば早速改造である。
先ほどの端子にArduinoというマイコンをつないであーだこーだすると、こうなる。

簡単に動かすことが出来た!なぜ早くやらなかったのか、というくらい簡単だ。
ついでにニンテンドースイッチのコントローラーで操作出来るようにしたので操作もわかりやすい。

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最高の巡り合わせ

ルンバがラジコンになったところで、今度は見た目をネコのロボットに寄せていかないといけない。

一番の問題は、ネコのロボットはたくさんの料理を一度に運ぶために背が高くなっているということだ。

お皿を置くトレイは4段もある。

まじめに作るとなると構造も考えないといけないし、ルンバに載せて動かすことを考えるとあまり重くは出来ない。

軽くて複数の段を持った構造のものが出来合いであれば、それを使うのが良さそうだが……。
そんな都合の良いものがこの世にあるだろうか?

ありました!!!!

ダイソーに売っていた!
アサガオを育てるのにつかうリング支柱だ。

ほら、こういう風に使うやつですよ。

プラスチック製だから軽いし、支柱にリングが付いていて構造としては最高じゃないか?
発泡スチロールのブロックに突き刺してみるとこうなった。

やった!!!

震えるくらいのハマり具合だ。
本来の用途ではないがぴったりハマる既製品を見つけたとき、僕が工作の醍醐味を感じる瞬間である。

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ハリボテ・ネコ・ロボット

ルンバがどのくらいの重さを動かせるかがわからないので、今回は軽量化が何よりも優先である。

なので、軽い画用紙を貼っていく。
画用紙を貼っていくとこのような形に。

だいぶネコのロボット感が出てきたのではないか。
僕の工作精度がひどいので近くで見てはいけないが、3メートルくらい離れて見るとそれらしく見える。

次は顔部分だ。ネコのロボットのかわいさの90%は顔が占めていると言ってもいいだろう。
本物の方は顔部分の画面を操作しやすくするためか、傾斜がついている。

そのため3Dプリンターで部品を作って、
リング支柱の先端に刺し、傾斜をつけたガイドにする。
そうしたら申し訳程度に猫耳をつけつつ、クリアファイルを半分に切ってポケットを作り、
見よう見まねで表情の紙を印刷したら、
紙をセット。

お!顔が入るとかなりネコのロボットっぽくなったんじゃないか。
クリアファイルの反射が、本物の顔部分の液晶画面の反射っぽくも見える。

最後にトレイの部分にも紙を貼れば外見は完成だ。

どうでしょう!

ハリボテ感はあるが、ネコのロボットのようになったのではないか。
そう見えない人は薄目で見るか、画面から10メートル離れて見てください。

ただしトレイ部分の薄さが尋常ではない。ラーメンを置こうものなら即沈没である。
怒り顔に差し替えることも出来る。怒る顔もかわいいな。
実際のネコのロボットでは商品が到着したら完了ボタンを押す必要があるのだが、そこでの完了ボタンから元の顔への画面遷移も再現可能である。手動だから。
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声も大事です

それから、ネコのロボットのかわいさを高めている要素として声がある。
いろいろなボイスがあるのだ。

どんなボイスをしゃべっていたかを確認するためにまたバーミヤンに来た。今回は台湾フェアメニューからパーコー麺を注文。
ネコのロボットが話す言葉を必死で聞き取りメモしたあとに、餃子を追加注文したらもう一度聞けるな?と思って注文したら店員さんが餃子を持ってきてくれたときの顔です。

ボイスの内容がわかったところで、もちろんルンバにもしゃべらせたいと思うのは自然な流れだ。
まずはボイスを用意する。

声優は僕です。

「おまたせしましたにゃん♪」などと一人で言う羽目になった。37歳にはきびしい。
これを女声ピッチに変換したりして、どうにかきびしくない感じにしておく。

見えないところにスピーカーを置いておく。ここからボイスを流すのだ。

あとはプログラムをちゃちゃっと書いたらいよいよ完成だ!

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いよいよネコのロボットが動く!

前置きがだいぶ長くなってしまったが、動く様子を見ていただこう。

コントローラーの十字キーでルンバを動かしつつ、ボタンを押すとボイスが流れるようにしている。
またネコのロボットはBGMも流していて、近づいてくると音でわかるようになっているのでそこも踏襲してみた。

なるべく本物の要素は拾うようにしてみたので、わりと再現度は高いんじゃないだろうか。

肝心の自動で運搬する機能を省略したので、後ろから操縦する人間が付いてくるという些細な差はあるけれど。
とはいえ、軽いスナック菓子なら余裕で運搬出来る。

ネコのロボット大好きなむすめに見せたところ、最初は「なぜ家にネコのロボットが……?」と固まっていたが、1分くらいで慣れていた。

なんならコントローラーを使って操縦していた。いいぞ!

「家にネコのロボットを出現させる」という夢が叶って満足である。
来たるべき一家に一台ロボットの時代を先駆けた気分だ。

とりあえずまたバーミヤンに行こう。


ビジュアルを追うな!

製作中は小学生ばりのハリボテ感が拭えず冷や汗モノだったが、顔を付けたらかわいさでごまかせるような気がしてラクになった。
これまでの工作はビジュアルをだいぶ捨てていたので、ビジュアルが必要な工作はやるものじゃないな……と改めて思った次第である。


これからもむき出しの工作でいきたい。

暗い部屋で撮ったらブレてだいぶこわい写真になった。
ささやかなおまけ
記事に使わなかった写真

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