川崎フロンターレについて
川崎フロンターレとは川崎市をホームタウンとする、1999年にJリーグへ加盟したサッカークラブである。サッカーに詳しくない方でも、カタールW杯スペイン戦での「三笘の1ミリ」という言葉は聞いたことがあると思う。
張本人である三笘 薫選手や、そのパスを受けてゴールを決めた田中 碧選手らを輩出した強豪クラブ、それが川崎フロンターレだ。
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ただ、ワールドカップでの川崎勢の活躍と、妹がフロンターレを応援するのは無関係だったそうだ。
ことの一部始終を、妹夫婦宅で聞いてきた。
何があったの?
妹:ここに引っ越したからだよ、川崎に引っ越したらフロンターレにハマります!
北向:断言したなー。
妹:街がフロンターレ推しなんだよ、あっちもこっちも。
北向:へぇ〜、商店街とか?
妹:一番影響を受けたのは飲み屋が推してることかな〜。例えば飲みに行くじゃんか、そしたらフロンターレの何かが絶対飾ってあって。
北向:ポスターとか。
妹:とか、サインとかフラッグとか。フロンターレが根付いているんだ、というのを意識せざるを得なかったの。
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妹:で、「ここに住むんだったらフロンターレを好きになったら絶対楽しいんじゃないか?」って思ったのが2022年の夏頃。
北向:なるほど。
妹:試合終わりでユニフォーム着て飲んでる人たちが居酒屋でワイワイやっていたり、店員さんもユニフォーム着たりしているのを見ていると楽しそうで!
N君:奥さんは今までまるでサッカーに興味がなくて、何にあんなに熱狂してるの?という感じだったんです。
N君は妹の夫。イングランドのアーセナルというクラブが好きで、毎試合欠かさず深夜まで観戦しているそうだ(時差があるので海外サッカーは深夜観戦になってしまう)。
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そもそもN君と筆者がもともとサッカーが好きで意気投合をし、一緒に飲むたびにサッカーの話をしては横の妹が我関せずの顔、というのが今までの流れだったのだ。
てっきりN君の影響でフロンターレのことを好きになったのかな、と思っていたのだけれど、どうやら妹自らハマりにいき、N君は軽くその背中を押した、といった形のようである。
まず、歴史を知るところから入った推し活
妹:街ぐるみで応援していて…絶対楽しいよな、と思って「フロンターレを推そう」と決めた。
北向:「推そう」ってなったんだ。
妹:先に決めた!
北向:そんなことあるんだ。
妹:フロンターレを好きになろう、と思ったときに、まずフロンターレの歴史を知ろうということで、フロンターレの書籍を購入して。
北向:順番、すごい!
N君:すごいですよね、普通は「好きだから歴史を知りたい」なのに順番が逆。
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元々読書家の妹らしいと言えば妹らしい。書籍にはたくさんの付箋がつけられ、印象的な一文には線が引かれていた。
この人は真面目だ、真面目にハマろうとしている。
妹:読んで、「いいじゃん…」になった。
北向:「いいじゃん…」になったんだ。
妹:歴史を知るとね。
北向:フロンターレは歴史があるよね。
川崎は”プロスポーツ不毛の地”と言われていたらしく、フロンターレができた当初は地域の人からあまり歓迎されていなかったそうだ。
このあたりは他クラブの流れなども複雑に絡んでくるので詳細は割愛するけれど、とにかくいろいろあったそうです。
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妹:で、この川崎の地域の人たちに愛されるにはどうすればいいのか、ということをめちゃめちゃ考えて頑張って来たからこそ、いま愛されるべくして愛されている。というのが本を読んだら分かって、改めて「推そう」って。
N君:いきなり宣言されたんですよ、「私フロンターレ推すから」って。
すごい濃度だ 推し活手帳
北向:初シーズン(2023年)はどれくらい観たの。
妹:現地に行ったのは8試合くらいじゃないかなあ。
2022年の夏頃に興味を持ったときはすでにシーズン終盤だったこともあり、初観戦は2023年から。
今シーズンを含めると12試合ほど観たそうで、本拠地で開催される試合数を考えるとけっこうな試合数を観にいっているんじゃなかろうか(N君はそのうち半分くらい一緒に観たとのこと)。
N君:観戦記録をつけてるんですよ、それを見てほしい。
妹:観戦記録じゃないよ、推し活手帳。
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北向:わ、丁寧だなぁ仕事が。目次付き!
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N君:最初は誰が出てる、結果がどうだった、くらいだったんですけど、どんどん洗練されてきて。
北向:すごいなあ、すごいよ!毎試合でしょ。
北向:これ普通にプリンターで印刷してるってこと?
妹:そう、このためにプリンター買いまして。
北向:やたら画質いいもんね。
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北向:ようやるなーこんな。
妹:手帳が好きなの、そもそも。フロンターレを推そうと思った時にこれだけはやろうと思って。
妹:天皇杯の決勝とか大フィーバー!写真が大容量になってる笑
北向:最後のPK戦、盛り上がってたよね。
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延長含め120分で決着がつかず、PK戦は10人目までもつれ込み、川崎のキーパー(チョン・ソンリョン)が自分でシュートを決め、相手のキーパーのシュートを止めて決着、という壮絶な試合。
妹:天皇杯は最高だったなー。
サポーターになって1年目でタイトルを獲れたことは彼女にとっても大きかったようだ。
妹:新体制発表会も当たったんだよね。
北向:発表会見るのはガチだよね。
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北向:新体制発表会って何をするの?
妹:今季加入メンバーのあいさつとか、メンバーをどうやってスカウトしたかという話とか。おもしろかったよ。
北向:へぇ、かなり裏側まで!
妹:「名前の長い日本人選手をスカウト頑張ってる」みたいな未発表の話とかしてて。
その後発表されたのが「ファンウェルメスケルケン・際」選手の加入で、サポーターは盛り上がったそうだ。確かに名前が長い。
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川崎は昨年のACL、残念ながら中国の山東泰山に敗れベスト16という結果に留まった。ACLへの挑戦権があるだけでも充分すごいのだけど、この大会を勝ち抜けなかったことが彼女の心境に変化を与えたみたいだ。
N君:この試合で負けた時に初めて「悔しい」って言ってたよね。今までは負けてもそこまで悔しそうではなかったけど、その時は「受け入れがたい」って。
北向:負ければ終わりの大会に敗れたことで気持ちに変化があったんだ。
妹:去年の天皇杯は優勝したから。
N君:今までは”好きな選手がいる”とかだったのが、競技として勝った負けたにフォーカスにしている奥さんの様子を見て、サッカーファンになったなーって。
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アルバムをどんどんめくる。気になるページで手を止めては試合や印象的だった選手について話す。確かにこれ、見返すのおもしろいな。
妹夫婦の家から等々力のスタジアムは歩いて行ける距離。そりゃそこに好きなクラブがいたら楽しいよ。