特集 2025年5月3日

持ち歩ける石貨をつくる

昔に使われていた石のお金「石貨」は、持ち歩くには巨大だし重すぎる。

軽くて持ち運べる石貨を作ってみよう。

イカをこよなく愛する人形劇人。特にコウイカが好きです。

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GW特集『没ネタ交換会』

やりたいけど自分じゃできないネタを交換するのが没ネタ交換会。そこで受けとったネタを記事化して掲載します。(企画説明)

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思ってたよりでかい石貨

GW企画のボツネタ交換会で、べつやくさんから持ち歩ける石貨を作るネタをいただいた。石のお金なら、作っても偽造に当たらないらしい。確かに!

昔、石のお金が使われていたというのはなんとなく聞いたことがあるが、実際調べてみると、想像していたよりも巨大であった。

スクリーンショット 2025-05-01 17.33.53.png
「石貨」のGoogle画像検索結果

石貨はヤップ島で使われていたお金。巨大なものだと3mほどある。大きいと動かすのが難しいので、場所は変えずに所有権だけ移行するというシステムだ。物を購入する時に使うというよりは、冠婚葬祭の時に、贈答品として使われたらしい。通りすがりに、「あ、これ私の石貨だから」って自慢するためのもの……?持っていることがステータスだったのだろうか。持ち歩けないロレックスの時計みたいな……??

調べるほど謎が深まる石貨だが、持ち運ぶにはもう少し小さく、そして軽くする必要がある。出来るだけ軽い素材で作ろう!

出来上がったのがこちら。

片手で軽々持てる石貨
しかも本当にお金として使えます

持ち運べるし、現代でも使える石貨である。ヤップ島の人に自慢したい!見てよ、私の石貨!!

これから石貨の偽造方法を説明していきます。

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発泡スチロールを削る

軽量化のために、素材は発泡スチロールにすることにした。

この作業で一番大変なのは掃除

べつやくさんは石っぽい粘土で作ることを提案していたので、財布に入るぐらいの大きさをイメージしていたのではと思ったのだが、私は少し大きめに作ることにした。

なぜならスマホカバーにしたかったからだ。スマホの一部として石貨があれば、「スマホの電子決済で購入したもの=石貨で買ったもの」ってことにならないだろうか。どう考えてもなるよね!!

ってことで、石貨をスマホカバーにしていきます。

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カバーをつける

 まずは100円ショップでスマホカバーを購入。

自分のスマホがiPhone13か14か覚えてなかったのでこれにした

  スマホカバーがはめ込めるよう、部分的に掘っていく。

掘りすぎると埋まってしまうので、絶妙な深さに掘りたい
ぴったり!!

でもこれだとカメラ機能は使えなくなる。まぁいいか。 

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色を塗る

Amazonでストーン調スプレーを購入。これを塗れば石っぽくなるらしい。

「豪華なストーン調に仕上がる」と書いてある。お金なので出来るだけ豪華にしたい

これを塗ればもう完成!と思っていたが、塗ってみたら想像してた感じと違った。 

え?
呪物?

思っていたより黒い仕上がりになってしまった。注文した色が黒すぎた。

黒すぎてストーン調なのかもよく分からず

いや、でも黒曜石とか黒いタイプの石もあるし……。私は石貨を調べて先入観があるから違和感があるだけで、側から見れば結構石の可能性もある。うん、きっと客観的に見れば石だ。祈るような気持ちで友人に聞いたところ、3人中3人が「いや、黒すぎ(笑)」というリアクションだったため、塗り直すことにした。

上から薄い色を重ねる

石っぽいザラザラのテクスチャーはついているので、軽めに上から色を重ねることで石感が出てきた。なんなら地の黒もいい感じに生かされている。

できた〜!!!いいんじゃない!?
スマホもジャストフィット!!これでお買い物できる!!
充電式石貨。寝かせると石のルンバ感ある
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持ち歩こう

スマホだけ持ってよく散歩に行くのだが、今日は石貨を持ってお出かけだ。

石貨で通話

スマホが内蔵されているので、石貨だけど電話もできる。便利〜!!!アップルウォッチならぬ、アップル石貨だ。

スマホを見ているだけだが、石貨をじっと見ている感じに

石貨を長時間まじまじと見るなんて、学者しか有り得ない。知的な雰囲気を醸している私。

パッと見は石なので重そう
でも超かるい!!投げたら腕力ある人にも見える

ただスマホを入れたままだと危険なので、投げるときははずそう。 

買い物しよう

散歩してたら、日が沈んできた。

夕日に映える石貨

せっかくならお金として使ってみたいので、自販機で飲み物を買うことにしよう。 

PayPayで買えそう!!

QRコードを読み取るので、一回カメラ機能を使わなきゃいけない。 一時的にスマホを外すけど、見なかったことにしてください。

QRコード読み取り中

で、スマホをすぐ石貨に戻す。 

欲しいジュースを注文
石貨でジュース買えた〜!!
公園で、石貨と飲むジュース

石貨に存在感があるので、大きいぬいぐるみを連れているような安堵感がある。日が暮れた後の散歩でも、寂しくないぞ。お金に存在感を持たせると、こういう効果もあるのか。

人一人分ぐらいの存在感。石貨と語り合う夕暮れ
砂場にあった穴の近くに置くと、出土した感じに

相棒のような気持ちになってきたところだが、この後自転車の後ろのカゴに石貨を置き忘れてしまった。これが本当のお金だったら盗まれていたかもしれないが、石貨だったのでそのままカゴに入っていた。盗まれる心配がないお金は安心である。

石貨が使える店、ガスト

先ほどは一回スマホを外さなければ買い物できなかったが、画面を見せるタイプのバーコード決済なら、そのまま石貨の状態で払えるはずだ。

ということで、石貨が使えるお店、ガストでご飯を食べよう。

石貨と共に食べるからよし定食。からあげって美味しいよね

 ガストは確か、バーコード決済が使えたはず!!

ご飯を食べ終え、支払いに向かう。

ピ!
石貨で支払い成功〜!!!

今度こそ、ちゃんと石貨で支払ったという実感を得ることができた。 

石貨を持ち歩くと、お金に愛着が湧くという不思議な感覚を味わえた。ヤップ島の人も、石貨に愛着を持っていたのだろう。

ただ、持ち運べず外に置いていると、苔が生えたり、真ん中の穴に動物が住み始めたりしそうである。定期的にメンテナンスが必要だったのではと想像できる。

そういう意味では、持ち運べる石貨って管理しやすいだろう。当時のヤップ島の人に見せたい〜!!

キャッシュレスの貨幣を作れて満足である。


置くだけで、ちょっと遺跡っぽい

石貨をそこらへんに置くだけで、ちょっと遺跡っぽさが生まれる。

よく知らないけど、多分ヤップ島感が出てる
石に紛れる石貨
でも普通にこういうおもしにも見える
ささやかなおまけ
記事で使わなかった写真
編集部からのみどころを読む

編集部からのみどころ
没ネタ交換会でこのネタ大変そうだなーと思ってたら、サクッと完成していたので「渡るべく人に渡ったな」と思いました。さすがです。しかも電子決済対応。
個人的に好きなシーンは自転車に忘れるところ。こんなでかいもの忘れるんだ…っていう意外性と、石貨なので盗られなかったという納得感。(石川)

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