二酸化炭素(CO2)モニターが僕に換気を迫る
部屋の冷気がもったいないのなら換気をしなければいいのだけど、換気扇を止めると人間2人と猫2匹の代謝により、数時間でCO2濃度がレッドゾーンになってしまう。するとどうなるかと言うと、眠くなるし頭痛がしてくる。
たったひとつの冴えたやり方は換気だ。冷房を入れていても暖房を入れていても、年中換気している。
ただでさえ換気をしているのに、更に料理で火を使うともっと換気が必要となり、冷気をどんどん捨てなければいけなくなる。まことにもったない。
しかし素麺を食べたい
夏といえば素麺だろう。冷たい素麺をツルッと食べるのは夏の醍醐味である。暑いうちに積極的に食べたい。
素麺を食べるには火を使ってお湯を沸かして茹でねばならない。IHでオール電化なら火を使わないのだろうけど、家は都市ガスなので火を使う。火は熱とCO2をガンガン生み出す。
だから、火を使わない方法を考えることにしたって寸法です。
水戻し素麺はどうだろう?
「水戻しパスタ」ってあるだろう。パスタを水に漬けて柔らかくしておけば、短時間の加熱で美味しく食べられる。燃料を節約したい登山者にも好まれている方法だ。生麺の様なモチモチ食感になって美味しい。
それを素麺に応用できないかと試してみた。
素麺を水に漬けるとすぐに柔らかくなって、3分程度でフニャフニャになった。
漬けた水はやや白く濁り、素麺は粘土のような感触になった。触って分かる「このままじゃ食えない感」。
食べられないなって雰囲気がビンビンに伝わる感触なので、お湯を掛けてみることした。
お湯を掛けて素麺をほぐすと、ちょっと色が変わって透明感が出た。これなら食えそう?
火が通ったっぽいのでお湯を切って水で洗って、一応完成。
氷水を張った器へ。素麺を盛り付ける時、器に水を張るか張らないかは地域差があるそうだが、僕は気分次第で変えている。今日は水を張りたい気分。
うん、不味い。
びっくりした。粉っぽくてネチョッとしてて、食べられないことはないけど美味しくない。揖保乃糸の良いとこが全部吹っ飛んでしまった。コシはどこへ行った。
いつもの食感がザクッなら、これはムニッだ。
水に浸してすぐ電子レンジで加熱
加熱が足らなかったのかなと推測し、今度は水戻しではなく、素麺を水に浸して、そのまま電子レンジで加熱することにした。電子レンジで沸騰させれば加熱が足らないこともなかろう。
加減が分からないのだけど、沸騰具合を見ながら600Wの電子レンジで3分半加熱してみた。これくらいの時間なら火も通るし多分伸びすぎない。
ドゥルンドゥルン素麺
茹で上がったら水で締めて以下同じ。食べた感想は、「ドゥルンドゥルンだな」だった。すごくドゥルンドゥルンなのだった。
全体的にドゥルンドゥルンに柔らかく、それでいて素麺としての形は保っている。粉っぽい感じはなく、火はしっかり通っていて、食感だけがドゥルンドゥルン。度し難い。
美味いか不味いかで言えば、不味い。コシはどこだ。
知見:素麺に水戻しは無理
なお、不味くしてしまった素麺は煎餅にして食べた
不味いと書いた素麺、その後どうしたか気になるでしょう。当然食べるのだけど、不味いまま食べるのは許されない。すべての食事は美味しく楽しく幸せであれ。
美味しくリメイクした。
失敗素麺をワッフルコーンメーカーの上に置いて焼き締めると、平たく伸びてパリパリの煎餅になる。
カリッと焼けたら醤油を塗って電子レンジで30秒。醤油が乾いて煎餅になった。普通に美味しい。
知見:失敗した麺はワッフルコーンメーカーで焼くと美味くなる
成功、火を使わない素麺の茹で方
二把の揖保乃糸を煎餅にしてしまった。そろそろ勝利したい。そこで、やり方を変えることにした。水からやるには素麺は繊細すぎた。熱湯スタートだ。
まずどうにかお湯を沸かし、タッパに満たして素麺を投入する。沸騰していたお湯だが、一連の作業をしたこの時点で84℃になった。
これをタッパごと電子レンジに入れて600Wで2分加熱。
茹で上がったっぽい。ちなみに、この方法はもしかしたら世間の常識だったり、なんとかパッドに載ってたりするかもしれないが調べてないので知らない。
水ですすいで冷水で締めて完成。
食べる前から勝利を確信し、食べたらやっぱり優勝だった。普通に茹で上がっている。
なぜなら!普通に茹でただけだから!道具が違うだけで、熱湯に素麺を入れて電子レンジで加熱しただけなので、ガスの火は使ってないけどやってることは同じ!普通に茹で上がるに決まっている。
知見:素麺は普通に茹でると美味い
ここまででわかったのは、素麺は水戻ししてはいけないということであり、普通に茹でるのが吉と言うことだ。
わかった。では、乾麺の蕎麦はどうだろう?
乾麺の蕎麦を水戻ししてみた
「素麺は普通に茹でたら普通に美味いよね」では終われねぇ。「もうちょい変なことしろよ」って何かが耳元で囁く(奇行の悪魔)。
どうにかしてパスタ以外の水戻しを開拓したい。
乾麺の蕎麦は素麺より太いから、単にお湯+電子レンジ茹でるのではなく水戻しの工程を入れたほうがよさそうだと思った。
15分くらいで柔らかくなった。感触は粘土である。どうも、僕は食べられないものを粘土と認識するように出来てるっぽい。
そしてお湯を掛ける。お湯をかけた瞬間、少し色が濃くなって食べられそうな見た目になった。
600Wの電子レンジで3分。普通に茹でる場合は5分茹でるべしと書かれていたが、水戻しで柔らかくなっているので短くした。
して、どうなったか。普通に茹で上がった。
うん、美味い。普通に食べられる。若干戻りにムラがあるけど、全体としては普通に食べられる味になっていた。5分よりは茹で時間が短くなるし、乾麺の蕎麦は水戻しする意味もあると思う。
知見:乾麺の蕎麦は水戻しの意味が少しだけある
マルタイ棒ラーメンも水戻す
最後にやるのはマルタイ棒ラーメン。鍋で3分煮れば出来るやつを水戻し+電子レンジで作りたい。
500mlの水で20分吸水させたところ、78gの麺が120gになったので40gの水を吸ったことになる。
棒ラーメンを普通に作る時の水の量は450mlなので、40mlと蒸発分の50mlを引いて400mlの熱湯と共に丼にイン。
今回は600Wの電子レンジで2分加熱した。硬めがよければ1分くらいでもいいかもしれない。
出来たっぽいので具を載せてネギとか散らして完成。火を使わずに作った水戻し棒ラーメン。
普通に出来た。味も普通であり、水戻し棒ラーメンは上手く作れた。素麺より麺強度が高いから調理しやすいのだろう。水戻しパスタも、麺強度が高いから成立する調理方法だ。
知見:水戻しには麺強度が必要
短時間で調理できるこれらの乾麺について、水戻しをする意味があったのかは分からない。強いて言えば、麺が柔らかくなるので、小さな器でも調理がしやすい。鍋を持ってない場合は有効だろう(鍋を買えという話ではある)。
さて、そろそろお別れの時間となってきました。それではさようなら、さようなら、さようなら。さようなら。
…
ところで、麺強度ってなんだよ。初めて使ったよ、そんな単語。
あなたの心には何が残りましたか?
元々はエアコンで冷やした冷気を換気しちゃうのがもったいない、つまり電気がもったいないから火を使いたくないって話だった。でも電子レンジでガンガンに電気を使っているので、果たして意味があったのだろうか?と思わなくもない。
素麺なんて2分で茹でられるんだから火を使って茹でてもいいだろうという気もする。パッケージの裏に書いてある通り、たっぷりのお湯で2分茹でるのが間違いない。
なるほど、もともと短時間で作れるから水戻し素麺とか、変な茹で方をする人がいなかったのだ。誰もやってないことには、やられていない理由があるのだ。
今回は、その理由を解き明かしたってことで意味はあった!(と思うことにする)