特集 2019年3月14日

【箱根駅弁】~箱根駅伝1~10区の駅弁を1つにまとめた、最強の駅弁を作る旅~

箱根駅伝のルートをたどり、「箱根駅弁」を作った

僕は箱根駅伝が好きだ。子どものころからお雑煮を片手に食い入るように観ていて、いまでも毎年楽しみにしている。

その駅伝……なにかに響きが似ている。駅弁だ。奇しくも箱根駅伝の中継所付近の駅には、それぞれ駅弁が売られている。

ならば10区全てを巡って、そこのメイン食材を集めた駅弁を作ったらどうなるのか? そうして史上最強の駅弁、「箱根駅弁」を作ろうではないか。

ライター、番組リサーチャー。過去に秘密のケンミンSHOWを7年担当し、ローカルネタにそこそこくわしい。「幻の○○」など、夢の跡を調べて歩くことがライフワークのひとつ。ほか卓球、カップラーメン、競馬が好き。(動画インタビュー

前の記事:高さ4000m・幻の読売タワーとは? 昭和最強のメディア人・正力松太郎の夢をたどる旅

> 個人サイト 文化放想ホームランライター

「走破タイム」も同時に競う

この旅のルールは

・箱根駅伝の中継所のある駅で駅弁を買って食べる(1区ごとに1つ購入)
・駅弁の食材を一つの弁当箱に詰めていき、最終的にできあがったものを「箱根駅弁」として食す

とする。

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箱根駅伝のコース。各中継所のある駅の駅弁を食べる(byつる1214

ついでに(電車で進む)走破タイムも競ってみよう。1日に間髪入れず5食も駅弁を食べるのはなかなかハードだが、それを乗り越えて2019年箱根駅伝の優勝タイム超えにチャレンジだ。そのために、

・「次の中継所へ到達し、弁当を購入した時点」でたすき渡しが成立したものとし、1区間ごとの走破タイムを計測する
(1区のみスタート地点から計測、10区のみゴール地点に到達するまでを計測)

こんなルールも定めた。

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【スタート】1区 大手町→鶴見

いよいよ出発である。箱根駅伝のスタート地点といえば、ここ読売新聞社前だ。

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箱根駅伝の記念碑などがある
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しかし大手町駅には駅弁がない

実は最寄りとなる大手町駅には、駅弁がない。そのため事前に周辺駅の代表格である「東京駅」へ事前に行って駅弁をセレクトしてきた。

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東京といえば、深川めし

そして深川めし(900円)を携えてきたわけだ。ここには「箱根駅伝スタートライン」なるプレートがあり、いざ熱戦ならぬ熱食の火ぶたが切られる。

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位置について用意……スタート

スタート! まずはこの深川めしを近くの神田橋公園でいただく。東京あたりだと、列車内で食べるのはむずかしいからだ。

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深川めし選手、良作である

アサリ、ワケギ、油揚げ、海苔と和風なものばかりが並ぶ、江戸前弁当だ。磯の香りが凝縮された風味が存分に味わえる。900円出した甲斐があった。

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東京湾のさざなみが聞こえる味

それでは、第1区の走者である深川めしを弁当箱に詰めていこう。深川めしと、東京料理の象徴でもある玉子焼きを入れた。

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弁当箱の端っこに入れた

なにせ10区で10弁当分の料理がこの1箱に入るので、少量ずつ詰めていく。

なお弁当箱は保冷剤入りのクーラーバッグに入れてなるべく鮮度をキープする。

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2区 鶴見→戸塚

先を急ごう。東京駅に戻って京浜東北線で向かうのは、横浜市にある鶴見駅である。

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鶴見中継所も近い

箱根駅伝で1区と2区をつなぐ鶴見中継所。そこにもほど近い鶴見駅には改札を降りてすぐの場所に、横浜を象徴する崎陽軒がある。

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神奈川県民の愛で育った崎陽軒
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やっぱり食べたいシウマイ弁当

ここで購入したのが、大ベストセラー・シウマイ弁当(860円)だ。東海道の旅のおともはやっぱりコレ、絶対ハズさない伝統の逸品である。

ちなみに東京版と横浜版があり、かけひもで結わいてあるのが横浜工場で作られたしるしだ。

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深川めし選手からシウマイ弁当選手へ4年生同士のたすき渡し

ここでたすき渡し。しかし先頭からは14分以上遅れてしまった。今年の箱根駅伝でブレーキになった大東文化大学よりもはるか後ろのビリである。

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ものすごい出遅れだ

気を取り直して、不朽の名作を食べよう。

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フタをあけた途端、安心感が眼前に広がる

これだ! 俵型の飯、5個も入っているシウマイ、玉子焼き、かまぼこ、サイコロ型のタケノコ……絶対に損はさせないラインナップである。

本当は電車の中で食べたいところではあるが、あいにく都内にほど近い鶴見駅あたりの車内では、まだまだ弁当を広げにくい。黙ってホームで食べる。

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なにせ中はこんな感じなので
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ホームのベンチで食べる

うまい! 崎陽軒のシウマイの味わいは母のような安心感だ。

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ゴロゴロッと5個も入ったシウマイがうれしい
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満を持して投入

ここではメイン食材のシウマイと、特徴的なサイコロ型のタケノコを「箱根駅弁」の箱の中に入れる。

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3区 戸塚→平塚

第3区の中継所、戸塚駅に到着した。ここで駅弁を売っているのも、やはり崎陽軒である。

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改札の横にもある崎陽軒
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4年生のシウマイ弁当選手から、若手の2年生横濱ピラフへたすき渡し

我らが栄光の駅弁大学は、ここで早くも45分以上もの差を付けられた。そんな絶望の涙でぬれるたすきを受け取ったのは横濱ピラフ選手(660円)である。

この崎陽軒、シウマイ弁当以外にも実はいろいろ弁当があり、その中でもちょっと安めの商品だ。

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見栄えはなかなか

やや小さめの弁当箱には面積の3分の2にピラフがのっており、子どもが好きそうな具材も乗っている。

今回も電車に乗っては食べられない。「駅弁ってこういうものだったっけ」と思いながらも、気を取り直してホームのベンチで食べた。

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味つきごはんは冷えてもイケる

ウマい。この日は真冬で弁当も冷えていたが、ごはんに味がついていることでおいしく感じられる。

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付属するのは先割れスプーン。シウマイも食べやすい

さらにシウマイに使うしょうゆを余らせて、ピラフの味変用に少しかけるのもオツだ。中盤以降のちょっと味に飽きてきたときに使うと効果的である。

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シウマイのしょうゆをピラフにかける。みみっちいけどおいしい
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からあげとスパゲティ、ささやかな「お子様ランチ的コーナー」もうれしい

 

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横濱ピラフも「箱根駅弁」に詰めていく
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4区 平塚→小田原

続いては平塚駅である。横浜市エリアから、一気に湘南エリアまでやってきた。

鶴見・戸塚と崎陽軒の弁当が続いたが、この平塚駅には「大船軒」の駅弁店がある。

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駅のちょっとした売店の雰囲気
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大船軒名物、サンドウイッチ

この大船軒の古くからの名物といえば大船軒サンドウイッチ(530円)だ。

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依然として39分以上もの大差をつけられる、駅弁大学の体たらく

明治32年(1899年)に日本初のサンドウイッチ駅弁として発売され、以来120年愛され続けている。

当時、サンドウイッチは高級レストランで出されるもので、庶民の手の届くものではなかったが、そんな折に駅弁で発売されたため、大盛況で売り切れ続出だったという。

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ようやく電車の中で食べられる

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対面式シートが空いていた

乗車する車両の対面式シートが空いていた。ようやく電車内で駅弁が食べられそうだ。

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箱を開けるとこんな感じ。風格漂う。ちなみにビニール袋を開けての写真は撮り忘れた
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メインのハムサンド。4つ入っている
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これがチーズサンド。2つ入っている

すんなりパクパクと食べられる、素朴なサンドウイッチ。

特に好きになったのは、チーズだけのチーズサンドだ。これは当たり。バターにも似た風味が味にパンチを加えている。

530円の駅弁というとせいぜい助六寿司やおにぎり弁当ぐらいだが、サンドウィッチもまた楽しい。

5区 小田原→箱根

小田原に到着した。一気に観光地としての空気を帯びてくる。

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JRから箱根登山線へ乗り換える

箱根湯本までは、箱根登山線というローカル鉄道に乗り換える必要がある。その前に駅弁を買っていこう。

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飛ぶように駅弁が売れていた
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この茶色さがいい

ここで見つけたのは箱根立田弁当(719円)である。ラインアップの中では量の割に安く、竜田揚げがおいしそうなのでチョイスした。

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箱根登山線・小田原駅のホームより

ここで往路最後のたすきリレーが行われたが、実は4区走者の大船軒サンドウイッチ選手が36分29秒(従来の記録は1時間54秒)というとんでもない激走を見せ、順位を超ダントツのビリから21位まで押し上げたのである。

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最下位争いだった駅弁大学、サンドウイッチ選手の区間新記録の快走で21位に躍り出る

箱根登山線は観光地を走るローカル線だが、対面式のシートもなく駅弁は食べにくい雰囲気。

かといって小田原駅のホームにいる間に食べるのもきつい。朝の早い時間からすでに4食食べているので、さすがにおなかいっぱいだ。

少しでもこのおなかを空かせるため、食べるのは箱根湯本駅へ行ってからにした。

5区の箱根で食べる、激ウマ弁当

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箱根湯本駅、到着

箱根湯本駅のベンチはカップルたちが占拠していて食べづらいので、やってきたのは箱根湯本駅すぐそばの早川の河原だ。

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これだ。シンプルな見た目
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こんな感じで立って食べた
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でっかい竜田揚げがいい

この竜田揚げはウマかった。重すぎないのにクセになるイイ味。しかも大きなサイズで、これだけでも価値がある。

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椎茸の味付けも濃くてイイ。ごはんのおともにピッタリ
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ウマかった。往路はこれにて終了

往路の記録タイムは5時間43分11秒。必死に追い上げたものの、22位という思い切り下位に甘んじた。

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竜田揚げに加え、伊達巻もまるごと入れた

箱根駅伝ファンの方から言わせると「なんでゴール地点の芦ノ湖に行ってないんだよ」とおっしゃるかもしれないが、なにぶんこの旅は予算が少ない。バスで往復2360円かかってしまうのは痛手なのだ。

というわけで今日はこのまま、箱根湯本に泊まる。外国人バックパッカーたちが英語で盛り上がる中で疎外感を感じながら過ごして、そのまま寝た。

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箱根湯本でいちばん安かったゲストハウス。土日でも3700円ほどで泊まれた

ちなみに「箱根駅弁」は鮮度を落とさないために、ここで冷凍していく。

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近所の、色違いのファミマとともに日が暮れる

6区 箱根→小田原

翌日朝、復路(6~10区)のスタートである。箱根へと向かってきた往路とは逆に、今度は東京に戻っていくルートだ。

本来は芦ノ湖からスタートになるが、前述の通り予算の関係上、箱根湯本からのスタートになる。

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さわやかな箱根の朝からスタート
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箱根湯本駅構内の売店で駅弁を選ぶ

海老天むすび(570円)を購入した。予算の関係である。

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安い海老天むすびをチョイス
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まずは小田原へと向かう

と、電車に乗る前に箱根湯本駅構内のベンチで食べていこう。

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天むす4つがオハヨウゴザイマス
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小さくて、軽くつまめるサイズ

おいしい。カラッと良い感じで揚がっている海老天とおにぎりのコンビはなかなかだ。ただなにせ一個一個が小さいので、あっさり食べ終わってしまった。

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箱根登山鉄道で、小田原まで戻る

7区 小田原→平塚

全く観光をせず、箱根を後にした筆者。再びやってきたのは小田原駅構内の駅弁販売コーナーである。

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ジャケ買いしたくなる、鯛めし

ここで購入したのが、小田原名物「鯛めし(830円)」。明治40年(1907年)に生まれた伝統の味だ。これまた車内では食べづらい状況だったので、次の中継所である平塚駅のホームまで行って食べることにした。

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「小田原中継所」表記だが、平塚駅で撮影

 

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中身はこんな感じ

朝のさわやかな空気に包まれながら、鯛めしをいただこう。

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甘~い

それにしても、ごはんの上にのった「鯛おぼろ」がとても甘い。こんな甘いごはんは生まれてはじめて食べた。甘いものがとても喜ばれた貧しい時代の食べもの(?)なのかもしれない。

食べはじめはいいが、食べ続けると、「ちょっと甘すぎるな……」と正直思う。しかしわさび漬けをごはんに付けて食べていくと、辛さで味がひきしまった。

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鯛めしを美味しく食べるカギ、わさび漬け
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もうけっこういっぱい

鯛めしとちくわを入れるとこんな感じ。もう隙間が少なくなってきた。ここからは弁当の中身の様子は最後まで見せないようにしよう。

8区 平塚→戸塚

平塚まで戻り、往路と同じ大船軒へ向かう。前から目をつけていたアレを買うためだ。

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大船軒の「鯵の押寿し」

東海道を代表する弁当の一つ、「鯵の押寿し」である。魚はいたみやすいため、往路ではなく復路で買おうと思っていたのだ。

通常は8カンで980円するが、この3カンバージョンは3カンでわずか380円。予算がないこの旅では即決で購入した。

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平塚中継所で、4年生同士最後の箱根でたすき渡し


ちなみに7区の鯛めし選手は42分21秒というありえないほどの快走を見せ、順位を12位まで押し上げた。名門明治大学と早稲田大学の間まで来たぞ。

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駅弁大学、区間新の猛追で12位。シード圏内へ近づく

ここから、平塚駅から戸塚駅をめざす8区区間へ。電車の対面式シートに運良く空きがあったので、車窓を見ながら寿司タイム。

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相模川をバックに、寿司をいただく。380円で楽しめる旅情。

口に含むと、実に「小粋」という言葉が似合うさっぱり味。昔の時代ではすごいごちそうだったんだろうなぁ、という感慨とともにいただく。

9区 戸塚→鶴見

戸塚駅へ到着。ここからまた崎陽軒区間が続く。往路と同じお店で、別のメニューを頼む。

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また会いましたね

横濱ピラフの姉妹食(?)横濱チャーハンをいただく
頼んだのは横濱チャーハン(660円)である。3区で頼んだ横濱ピラフと姉妹品のような関係だ。

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赤いたすきがけのゴムが、駅伝のたすきのように見えなくもない

ちなみにその横濱チャーハン選手にたすきを渡した8区の鯵の押寿し選手。「31分43秒」という、今回のゲームバランスをゆるがすほどのものすごいスピード。たちまちトップに立ってしまった。

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駅弁大学、異常にもほどがある激走でダントツトップに。なんだよこれ
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見るからにウマそうな中身
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じっと見ていると、否応なしに食欲が湧く

食べると……ウマい、期待通りの味。駅弁でチャーハンが食べられることは貴重だし、660円という手頃な価格がとてもイイ。

【ゴール】10区 鶴見→大手町

そして鶴見駅へ到着。最後に注文するのは、崎陽軒・いなり寿司(520円)である。ただのいなり寿司と思うなかれ、これは神奈川県の崎陽軒限定の弁当なのだ。

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ひときわ安いぞ、520円のいなり寿司
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ちなみに、2位の東海大学に35分以上もの差を付けて独走状態

そして京浜東北線で一気に東京駅へ。駅近くの丸の内オアゾのベンチで、最後の駅弁を食べた。

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いよいよ最後の一食
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ゴールが見えて食べるいなり寿司の味は格別だ
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のり巻きもあるよ

極めてふつうの、いなり寿司の味。おなかいっぱいではあったが、旅最後の駅弁だと思うとなんだか名残惜しく、おいしくいただけた。

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東京駅をバックに、完食!
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箱根駅伝ゴール地点、読売新聞社前だ!

とうとうゴールした。タイムはなんと10時間22分52秒。東海大学が今年マークした箱根駅伝記録の10時間52分9秒を約30分上回る、歴史的記録が生まれた。駅伝大学の快走は箱根路へ永遠に刻まれた。

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駅伝トップ校を30分上回る圧勝劇、なんだよこれ

区間新と区間ビリを乱発

ここで食べた駅弁と、タイムをおさらいしよう。

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右肩上がりにもほどがある、順位の推移

往路こそ区間最下位2連発の出遅れがひびき、22位に沈んだ駅弁大学であるが、復路は信じられないほどの区間新を3連発という、ゲームバランスをおかしくするほどの怒濤の猛追。

あっという間に先頭の東海大学を捉え、最後は独走での優勝を飾った。

いよいよ姿を現す「箱根駅弁」

そのあと「箱根駅弁」は、すぐ冷凍庫で保存。翌日いよいよ、1~10区までの弁当の料理たちを集めた、究極の弁当「箱根駅弁」を食べることにした。

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これが本邦初公開「箱根駅弁」だ
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箱根の老舗、オツオリ屋製造品である
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中はこちら! 1区から10区までの海の幸・山の幸が詰まっている

何やら感慨無量である。2日間かけた甲斐があった。しばらくしげしげと眺める。

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ちょっと輝いて見える、ごはんとサンドウィッチ

レンジで解凍したため、まだホカホカの状態。そしていろんな香りがごった煮状態になってなかなか複雑な匂いだ。が、イヤな感じではないし、これが1~10区まで行って食べて集めた証拠、と思うとなんだか良い気持ちになってきた。

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主菜などはこちらに。天むすや寿司もこっちに入れた
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横浜名物シウマイと、漬物らが入る

ちなみにこの弁当箱は崎陽軒の幕の内弁当の箱を洗ったもの。これも予算の関係である。

これが「箱根駅弁」の味

さあいただこう。ここまで妙にがんばったので、なんだか最初に箸を入れるのがちょっと緊張した。

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安定の崎陽軒シウマイ。群雄割拠の「箱根駅弁」に調和を与えた存在

最初に箸をつけてからも、次に何を食べようか迷ってしまう。さすが沿線の駅弁オールスターズ、その華やかさがうれしかった。

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サンドウィッチはなぜか2つが合体して縮んでいたが、ウマい
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筆者絶賛の竜田揚げ。かなり硬くなっていたが、味はいい
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寿司は鮮度的に大丈夫か不安で最後に食べた。OKだった

正直……いくら冷凍したといえど、ちょっと鮮度や状態が落ちている。部分的に硬くなった具材などもあり、味は「最強の駅弁」とはほど遠いものだったが、まあでも、おいしい。とにかく楽しく味わえたから、満足だ。

長い長い、駅弁の旅が終わった。

オススメの駅弁はこれだ

筆者のフェイバリットを挙げてもみんな興味ないだろうが、10個食べた中でオススメの駅弁を挙げてみる。

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これがオススメの弁当たちである

1位:5区 小田原駅 立田弁当(719円)
なんといっても立田揚げのおいしさが際立っている。おなかがふくれる料理なのにこの値段もうれしい

2位:9区 戸塚駅 横濱チャーハン(660円)
しっかり味のついたごはんは冷めてもおいしい。崎陽軒名物のシウマイもちょっと食べられるし、節約派にはシウマイ弁当よりこちらかも

3位:1区 東京駅 深川めし(900円)
東京伝統の味を気軽に味わえる。アサリの味が江戸前の海を感じさせてくれるのがGood。しかも満足感はあるのに、528kcal。

次点:6区 箱根湯本駅 海老天むすび(570円)
ちょっと小腹が空いたときにサクッと味わえる。海老とおむすびのまとまりとサイズ感が秀逸。


あったかい食べもののありがたみがわかった

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いつもの何倍も、カツ丼がおいしく感じた

撮影したのは真冬だったが、冷めてもおいしい駅弁のすごさがわかった。だが正直3日間駅弁ばかり食べ続けると、たまには温かいものが食べたくなるのがやはり人情だ。翌日、カツ丼をおごっていただいたときにはいたく感動した。

やっぱり駅弁は列車の車窓で、たまに食べるのがベストだと学習した。でもそのために費やした駅弁代の6629円はムダではなかった。ホントに楽しかった。

(ちなみにこの記事を出すほんの2時間前、同じDPZライターのいまいずみさんが今回の企画に近いツイートをしていたのを見つけて恐れ入る。みんな同じようなことを考えるものだと再認識。)

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