特集 2019年11月11日

ドトールに通い続けて常連ぶることはできるか

先日、スタバのカップに書かれたい という記事を書いた。短い期間で集中的にスタバに通って常連ぶろうとしたのだ。

結果、スタバでは、目標だった「カップに落書きをしてもらう」ことは達成できたが、常連とは程遠いスターバックスライフを過ごした。

でも僕はやっぱりすぐに(ここ重要)、カフェで常連ぶってみたい。
スタバでだめだったならば、ドトールはどうだろうか。

労せずして店の常連になることは人類共通の夢であろう。僕が成し遂げてみせよう。

北海道在住の大学生。演劇サークルに所属していますが、やったことがあるのは音響担当・舞台装置担当・当日宣伝担当で、一度も演技をしたことがありません。好物はパステルのなめらかプリン。

前の記事:バズーカを使ってマシュマロキャッチをすると楽しい


ドトールで常連ぶりたい

というわけでドトールにやって来た。

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このドトールに短期集中で通いつめてゆく

「常連ぶりたい!」と勇んでドトールに向かう道中、ふと考えた。
短期間で常連ぶるためには、店員さんにすぐ認知されることが必要だろう。そうなると少なからず「印象を与える」ということが大事になるはずだ。

そこで、今回もドトールを利用する上でのマイルールを定めた。

・できるだけ午後に行く
・注文するのは「カプチーノ(ホット)」
・サイズはLサイズ
・必ず持ち帰る

これでバッチリ、「カプチーノ・ホット・Lサイズをいつも持ち帰る人」の出来上がりである。(与える印象度がちょいと少なすぎる気もするが、ドトールでできることはこのくらいしかないであろう)

さあ、機は熟した。
僕は今日から「カプチーノ・ホット・Lサイズをいつも持ち帰る人」だ。
ペーペーの僕が常連ぶれるイベントは発生するだろうか。

ドトール1日目

これからの日々をイメージし、期待で胸を膨らませながらドトールに入店した。
わくわくが溢れそうだ。
ただし、まだ1日目だ。家庭菜園で言えば種まきの段階である。

「カプチーノ・ホット・Lサイズをいつも持ち帰る人」になるための布石を着実に打っておきたいところだ。

店員「店内でお召し上がりですか」
僕 「持ち帰りで」
店員「…」
僕 「ホットのカプチーノLで」

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どうしてだろう

気づくと僕はカプチーノのMサイズを店内で飲んでいた。ここだけ時空が歪んだかと思った。

何から何までイメージと違う。ただ一つ正しいのはカプチーノがカプチーノであるということだけだった。

初っ端から布石を打ち損じているのである。
少し悲しくなった。カプチーノは温かくておいしかった。

傷心の中そそくさと店を出ながら、ドトールにおける常連とはなんなのだろうと考えた。
スタバでは「カップに注文以外の何かを書かれる」という明確な指標があったのだが、ドトールにはそんなサービスはない。

うーむ。そのあたりは探りつつ通い続けることにした。

「今日もカプチーノでいいですか」とか、店員さんに注文を先回りされたりなんかしたら最高だ。そうなったら常連ぶり成功といってもいいだろう。

1日目
「ホットのカプチーノ Lサイズのテイクアウト」を頼んだら、Mサイズのカプチーノがマグカップで出てきた

2日目・シナモンを常連の指標にしたい

2日目。
今日こそは持ち帰りでカプチーノを頼む。

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カップがでこぼこしてるんだな

今日はマグカップでもMサイズでもなかった。
注文通りの物が来ただけでも大きな進歩だ。

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当然、スタバみたいに何か書かれていたりはしない

オーダーをする時に「砂糖はお使いですか」「紙袋はお使いですか」と聞かれるだろう。
そこに常連か否かの差が生まれそうだ。
常連だとやはり「砂糖つけときますんで」とか言われるのだろうか。

そう考えると、砂糖をつけてもらえばよかったと後悔した。

でも甘いコーヒーはそんなに好きではない。
カプチーノはシナモンがかかっているコーヒーなので、今後は毎回シナモンを多めにかけてもらおうと思う。
(そもそもそんな融通が効くかが不安ではある)

僕は明日から「シナモン多めのカプチーノ・ホット・Lサイズをいつも持ち帰る人」になるのである。

2日目
「シナモン多めに」と頼むことにより印象度をアップできるのではないかと思いつく。
今後、シナモンの量を常連の指標に取り入れたい

3日目・カードを作った

通い続けて3日目。
シナモン以外にも常連っぽさを出すため、他に出来ることはないか考え、ドトールオリジナルの電子マネーのカードを作ってみた。
たいていレジの横にあるやつである。

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かっこいい

これで僕は晴れて「シナモン多めのカプチーノ・ホット・Lサイズをいつもドトールカードで払って持ち帰る人」になれるはずだったが、カードへのチャージなどがもたついた結果、決済と同時にカプチーノが出てきた。店員さんの手際がいい。

そのおかげで「シナモン多めにかけてください」と言えなかった。

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中身をみたらそもそもシナモンかかってなかった
3日目
ドトールカードを作り、常連としての土台は整う。
シナモンはかかっていなかった。なぜ。

怒涛のドトール

ここからはもはや、怒涛のドトールである。
全部で10日以上通いつづけてみた。

連日、「シナモン多めのカプチーノ・ホット・Lサイズをいつもドトールカードで払って持ち帰る人」としてのアイデンティティをドバドバ発揮していくことになる。

おれ、常連っぽいかもと感じるような出来事は起きたのだろうか。
では、僕のドトールライフ、一気にご覧ください。


 

4日目

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前の日に作ったドトールのカードをさっそく使ってみた。
決済の音が鳴ってるかわからなかったのでずっとタッチしていたら「もう大丈夫ですよ」と苦笑いされた。常連への道は長い。

シナモンだが、前日はかけてくれなかったので、黙って様子を伺うことにした。
シナモンは、きのう同様かけている様子がなかった。

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まっさらだ

初日にかけてくれたシナモンはなんだったんだろう。これじゃ指標にならないかも。

5日目

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ドトールカードに2000円チャージした。(一度に2000円以上チャージするとポイントが多めにつくらしい)
この2000円を使い切るまで通う。

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今日はシナモンをかけてくれた

シナモンをかけるかどうかは日によってまちまちなのか?
突然シナモンをかけ始めたので「シナモン多めでお願いします」と言えなかった。明日は言おう。

6日目

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電車内から失礼します

今日はカップがめちゃめちゃ熱い。熱めで、って言ったら熱くなるんだろうか。
急いでバタバタしていたのでシナモンって言うの忘れた。不覚。

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シナモン多めと言うのを忘れたことに気づいたとき、電車の窓の外を眺めることしかできなかった(画像は天を仰いだときの天と、カプチーノ)
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シナモンはいたって普通の量。とはいえまだ何も言ってないのに多くなってたら怖い。エスパーか。

 

7日目

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「あああああ」と叫んで勢いよく退店していった人がいた。店内はドトールとは思えないほど静まり返った。色んな人がいるものだ。

同席していた人はただ平謝りするだけだった。けっこう正装をした人たちだった。
一体何があったのか聞きたい。
でももちろんそんな度胸はない。いままで「シナモン多めで」と言えなかったくらいなのだから。

でも今日は「シナモン多め」と言えた。

7日目にしてやっと言うことができた。人間として大きな進歩をしたと思う。
言いたいことは臆せず言ったほうがいいのだな。ひとつ学んだ。

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店員さんには「あっはい」と言われたが、シナモンの量は全然変わってない気がする

8日目

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今日も「シナモン多め」でお願いできた。
一度は聞き返されたが、きちんと伝わった。よっしゃ。
「このくらいでいいですか」と確認してくれた。優しい。

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大量のシナモン

割とドバドバ入れてくれた。けど個人的にはもっと入っててもいいくらいだ。美味い。

9日目

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22歳の誕生日を迎えた。(関係ない)

店員さんが妙に威勢がよく、目がバッチリあってしまった。
ここで突然、変な人だと思われたくないという思いが湧き上がり、「シナモン多め」という心の声をを押し殺してしまった。
見つめ合うと素直になれない。

心の中で反省会をしながら大学の研究室までとぼとぼ歩いた。

しばらくしてから気がついたが、めちゃくちゃズボンのチャックが開いていた。おいおい、何が素直だ。

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「目が合っちゃうとなあ…。」
なお、チャックが開いているのに気づいたのはこのだいぶ後。
(当時は反省会に忙しく写真を撮れなかったので、これは再現画像です)

 

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何も言ってないのにシナモンが多めにかかっていたら最高の誕生日プレゼントだと思ったが、ぜんぜん普通の量だった

10日目

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僕 「カプチーノのLで、シナモン多めにかけてください」
店員「え、『シナモンかけていいんですか』?」
僕 「シナモン多めにかけてください」
店員「あっ、はい」

うまく伝わらなくて、アンジャッシュのコントみたいになった。
僕は「店員に『シナモンかけていいんですか』と問いかけるような人」だと思われたのだろうか。

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僕はアンジャッシュのコント、大好きです

最終日

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ドトールカードの残高がないので、ドトール常連ぶり生活はこれで最後だ。
最後なので「シナモン多め」はあえて言わないことにした。

カップのフタを開けてシナモンが多めにかかっていれば、店員さんは僕のことをわかってくれている。常連ぶり成功だろう。

カップの中のシナモンは…

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全然変わってませんでした。

「お砂糖つけときますね」「カプチーノですよね」という常連っぽいイベントも特に起こらなかった。

ドトール常連ぶり生活、失敗である。

ドトールにおける常連とは何か、本物の常連に聞いた

後日、本物のドトールの常連がデイリーポータルZのライター陣の中にいることを知った。
北向ハナウタさんである。

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ドトールのガチ常連である北向ハナウタさん
(画像は「日常を、ガイドブック風ポーズで華やかに!」の記事から拝借しました)

「それ先に知りたかったよ〜〜!!」という超重要情報をこのタイミングで知るなんて。駄々をこねたい。僕が3歳児ライターだったら迷わずこねている。

そのようなわけで、ハナウタさんがどうやって本物の常連になったのか、詳しい話を伺った。

Q.どれくらいの頻度でドトールに通っていますか?

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週5です。平日は毎日いるので…

Q.常連になったかも、と自覚したきっかけを教えてください

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ドトールバリューカード(ブラック)を店員さんからもらってからです

ドトールカードにはポイントが優遇される「ブラックカード」というものがあり、その制度ができた当時は常連さんたちに配られていたとのこと。

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これがそのブラックカード。黒が主体の色遣いがかっこいい。
(この画像は「全部キラカードにしたらワクワクする」より拝借)

ハナウタさんは通いはじめてから2年ほどのタイミングで、このブラックカードを手に入れたそうだ。
ハナウタさん、まごうことなき常連だ!すごいすごい!

でも、ということは、ドトールで常連になるには2年間、平日はずっと通い続けなきゃいけないのか!大変!

Q.ドトールの常連だとどういうことが起こるんでしょうか?

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正直、店員さんの異動が多いようなのであまり実感はないですね…レジで「いつもご利用ありがとうございます」とは言われますけど、バリューカードに反応してるっぽいです

Q.ハナウタさんのドトール歴はどれくらいですか?

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6年程度。まだまだ若手ですね

うおーっ!ハナウタさん的には6年はまだまだ若手!
「店員さんの異動が多い」ことに気づくという、一周回った境地に達していて尊敬しかない。

「店員の入れ替えも多いので、必ずしも長期間通う必要はないかも」とのことだが…にしても僕の「10日間」よ…!もっと精進しなければ!


たぶん時間を惜しんじゃだめなのだ

分かりきっていたことだが、やはり10日間やそこらじゃ店の常連にはなれないのだ。

色んな要因があるとは思うが、「行くたびに店員さんが違う」というのが大きい。
いくら連続で通っているとはいえ、それが短期間では、シフト勤務というシステムの前では僕は一見さんでしかない。

そこが割烹であれ、ドトールであれ、長い時間をかけて得る称号が常連なのであろう。
愛すべき店を見つけて通いつづける、素敵な大人になりたいものだ。

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僕のカードは普通のカードでした
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