キラカード、それは子どもたちの憧れ
キラカードとは、その名の通りホログラムのようにキラキラしたカードのことである。トレーディングカードゲームなどに多く見られ、強かったり、珍しかったりするカードは一様にして光り輝いていた。
いつからかキラカードは子どもたちの憧れだった。封を開け、キラっと光るカードが見えた瞬間の高揚感、ちゃんと保管しないと湿気で反ってしまう手のかかりよう、とにかくみんなキラカードが大好きだったのだ。
だからキラカードを作る
そういったわけで今回は普段使っているカードを片っ端からキラカードにしていこうと思う。大人だってキラカードは好きなはずだ。
キラカードの素を手に入れた、おーい夢のようだぞ!
インクジェットプリンタ用ホログラムシートというものだ。あの頃憧れていたキラカードをいくらでも自宅で量産できる!興奮せずにはいられない。
買ったのはビックリマンシールを彷彿させる手前の「レンズフィルム」とプリズムにきらめく「レインボーフィルム」の2種類。
レンズフィルム、よーく見ると無数のおれの顔が写り込んで悪夢みたいだ
手持ちのポイントカードにそのまま貼ればいいというわけではないので、作りたいカードっぽい印刷データをこしらえ、この用紙に刷っていく。実用性はゼロだが、気にしない。
簡単なキラカードの作り方
まずはポイントカード界の重鎮、Tポイントカードを作ろう。なるべく本物に近づけるべく採寸をしていく。
人生初のTポイントカード採寸作業
ところでおれにはこのTポイントカードのデザインが「肌が青い力士のお尻をアップにしたもの」に見えるのだけど、どうだろうか。
話が逸れているだろうか、どうだろうか。
話は戻っていつかどこかで役に立つかもしれないTポイントの寸法(目安です)
黄色い部分の色味はイエロー100%で良いだろう。青い部分はシアン100%にマゼンタを80%くらい混ぜてみた。わからん、だいたい良しとします。そもそもホログラムシートでどれだけ色が再現できるかも未知数なのだ。
他にもいくつか作ってみたらいよいよ出力だ!!
すみません、用紙の裏表を逆にして印刷しました
インクが滲んでますます青い力士のお尻が艶めかしくなってしまったぞ。もう5年くらい使ってるプリンタでおれはいつまで2択を外し続けるのだ。悲しい。
気を取り直して。
出力!うわー!
ガーッ、カッコイイーー!
できたー!キラカードだー!
興奮して「印刷したシートをカットする」の工程をまったく撮らなかったため、いきなりカードが出来上がってしまった。
とは言え、思いのほか良いものができた。はじめて紙幣を刷ったひとってこんな気分だったろうか。発色もいい、まずこのシートがすごい。
こうなったら早く「Tポイントカードはお持ちですか?」と訊かれたい。おもむろにこのキラカードを財布から取り出したい。店員も驚いて100円につき5ポイントのTポイントを付帯してしまうだろう。なぜならそれがキラカードだからだ。
そしてキラカード製造機と化した
他にも作ったキラカードをどんどん紹介していくぞ。
キラSuicaである。テンションが上がって撮影のためにわざわざ外出してしまった
キラSuicaとはJR東日本などで導入されているキラキラした共通乗車カード・電子マネーである。
普通のSuicaとは異なり、タッチしなくてもそのまま改札を通過できる。謎のシステムでそのようになる。なぜならキラカードだからだ。
カットするとき乱反射してとても切りづらい、目がくらむ
「キラ&レアドトールバリューカード」を作ろう
ご存知ない方もいるかと思うが、コーヒーショップドトールのポイントカードだ。
で、実はドトールにはそもそもレアカードがある。
通常のカードは上のような白地のデザインなのだが
ドトールバリューカードの開始時期、店側が"こいつ常連だな"と判断した客限定にデザインの異なる「ブラックカード」がひっそりと与えられたのだ。
ポイント率も10%とべらぼうに高く、ネットオークションでも高値がつけられている正真正銘のレアカードである。
そして何を伝えたいかというと、おれはブラックカードを与えられた人間なのです。いつもドトールにいるので
そしてそれをキラカードにしました
今回は奮発してレアなブラックカードをさらにキラにした。そのレア度たるや奇跡の宝石・ピンクダイヤモンドのごとくだ。
黒いベタ塗りでキラ部分が抑えられておりオトナの余裕を感じる。格好いい。
なんだっけ、そうだ、キラカードの話だ。
たまに行くあんかけチャーハンのポイントカードも格好良くなった。上が本物
ちなみにこのホログラムシート、裏が粘着シートになっているのでどこにでも貼れる。
キラ犬シール
特性を活かして犬シールも作った。すごい犬を飼っている家に違いない。顔が3つある犬だ。
レインボーに輝くカードも格好いい
もう少しデータを作ったので、レインボーフィルムで印刷してみよう。
わー格好いいー
キラ免許証。こんなに顔がキラキラするの生まれてはじめてだなー
キラ免許証とは、自動車や原動機付自転車の運転が特別に許可されていることを示すキラキラの公文書だ。
"ゴールド免許"は聞いたことがあるだろう。無事故無違反の優良運転を続けると、あるとき特別な試験に呼ばれる。そこで真・S字クランクなどをクリアすると手に入るのがこのキラ免許だ。300km/hまで出していい。
ガッカリをワクワクに
手に入れるとこの世で一番ガッカリするもの、それが”宅配物の不在票”である。嫌な予感とともにポストを開けると姿を現わすネットショッピング時代の嫌われ者である。
でも、もしそれがキラキラしていたとしたら…?
ところがこの不在票も、キラキラになるとなんだか得した気分になる。一旦捨てずに飾ってしまうと思う。キラキラは、イガイガした世界を少しだけ丸くもするのだ。
電車が遅れても許せるキラ遅延証明書もあるぞ
健太からのプレゼント
そしてもう一つ。なんか他にカードないかなと考え過ぎた結果の産物が、この「キラ肩たたき券」だ。
「健太、こんな肩たたき券くれるなんて…似顔絵も上手だし、ホログラム加工まで…」
こんな肩たたき券を貰ったらどんなお父さんも泣いてしまう。どんなホログラムでも敵わないキラキラの涙を静かに流すだろう[要出典]。
全部キラカードにしてワクワクしよう
最後に、まだ用紙が余っていたので自分の名刺をキラキラにしてみた。
左の見やすいものが普段の名刺です
おとといのイベント「デイリーポータルZの怖いはなし」にも持っていったら編集部石川さんを中心に色めき立ち、とても人気だった。やっぱりみんなキラカードが好きなのだ!
キラ名刺ばかり減っていく
サラリーマンの方々には「ここぞ!」のタイミングで渡す用にキラ名刺の準備をおすすめしたい。先方も思わず大型案件を契約してくれるだろう。なぜならそれがキラカードだからだ。
完全燃焼しました
他にもキラ健康保険証やらキラQUOカードやら作ったが、自分で作った愛着も加味してどれも本物の50倍くらい価値がある気になった。ホログラムシート、本来は店内のPOPなどで使うものらしい。見たことあるーなるほど。
「Tポイントカード」と「青い力士のお尻のアップ」どちらでしょうか