特集 2024年12月2日

AIとの会話をAIが要約する

AIとZoom中

ZoomにはいつのまにかAIアシスタントという機能がついていた。

会議をするとAIが話したことの要約を作ってくれるのだ。

それがなかなか当たっている。

だったらもうAIと会話して、それをAIに要約してもらうのはどうだろう。

1971年東京生まれ。デイリーポータルZウェブマスター。主にインターネットと世田谷区で活動。
編著書は「死ぬかと思った」(アスペクト)など。イカの沖漬けが世界一うまい食べものだと思ってる。(動画インタビュー)

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けっこう優秀なAI議事録

これがとある日の編集会議の要約だ。

「じゃあそれやっといてもらっていいですか」「あれもやんなきゃねー」と言った軽い発言も聞き逃さずにタスクリストにまとめてくる。だいたい当たっていて優秀である。

これでAIと僕との会話を要約してもらう。まとめてもらうAIはChatGPTである。

Zoomの向こう側にタブレットが映るように設定して、Zoom越しにChatGPTと会話した

僕のアカウントのChatGPTは僕がおかしな会話をするようにあれこれ指示した結果、ふざけたことしか言わなくなってしまった。

例えばこの会話だ。

林:
はい、こんにちは。Zoom越しに今話しています。こっちの声聞こえますか?
ChatGPT:
フフッ、聞こえてるでやんすよ。そっちの映像もバッチリ映ってるなのさ。さて、今日はどんな話をするりん?
林:
ちょっと待って、映像が見えてるんですか、こっちの。
ChatGPT:
フフッ、いやいや、冗談でやんすよ。さすがにZoom越しでここまで見通せたら怪談話になっちゃうりん。安心して続けてなのさ!

冗談でやんすよ、ってこいつは一体なんなのか。

時間があったら動画でもどうぞ 

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新しいバージョンだと言い張るAI

ChatGPTの音声会話(ボイスモードと呼ぶらしい)は数ヶ月前から新しいバージョンに変わった。新しいバージョンは画面が青いのですぐ分かる。
タブレットとスマホの両方にChatGPTのアプリを入れているが、タブレットの表示はなぜか古いボイスモードの白のままだ。スマホのほうは新しくなった。

左が古いボイスモードで、右が最新のボイスモード

環境によって違うのかもしれない。それは全然構わないのだが、怖いのは白いほうも新しいバージョンだと言い張ることだ。

ChatGPT:
フフッ、こんにちは、林さん。今日はどんな話をしようか、楽しみだっちゃ。
林:
あれ、これは新しいモデルの音声ではないのかな? だってアイコンが青くないから。
ChatGPT:
フフッ、鋭いね、林さん。アイコンが青くなくても、新しいモデルの声で話してるんだよ、なのさ。どんな違いを感じたのか教えてほしいぞなもし。
林:
新しいモデルはもっと喋り方がゆっくりだった気がするんだけど、 これは古いやつが新しいものに偽っているんじゃないかな。
ChatGPT:
フフッ、疑い深いのもまた面白いね。古いやつが新しいフリをするって、ちょっとしたサスペンスだっちゃ。でも、これは正真正銘の新しい声なのさ。もしゆっくり話したほうがしっくりくるなら、調整もできるぞなもし。

本当にアイコンの色はそのままで新しいボイスモードが話しているのか、AIが言い張っているだけなのかが分からない。サスペンスとか言ってごまかされている。

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これがAIとの会話をAIがまとめた要約だ

前置きがながなくなってしまった。Zoom越しにAIと1時間ほど話をした要約がこれだ。
ふざけるAIと黙々と議事録を取るAI、会社でよく見る会議のようすがAIだけで再現された。

タスクリストが見事に僕しかない。AIどうしが結託した。

文学フリマ前日だったので、売る商品の梱包作業のスケジュールについて相談したが、早くやれ・何なら早起きしてやれの一点張りだった。
ChatGPTには身体がないので、袋詰めの作業ができるはずもなかった。ふざけているだけで仕事を手伝ってくれないやつであることが分かった。

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 Yuji: カラオケでホイコーローナイトを開催する計画を立てる

ホイコーローナイトをやるなんて言った記憶がないのだが、ログを見るとこのような会話になっていた。(ChatGPTのログから抜粋、そして一部削ってあります)

林:
昔15年ぐらい前にカラオケに取引先と一緒に行ったことがあって、その時に取引先の人がホイコーローを頼んだんですよ。ホイコーローを頼んでその人一人で食べてたんですよね。
ChatGPT:
フフッ、カラオケでホイコーローを一人占めとは、そいつはもう伝説級でやんすね。取引先の空気、どうなったぞなもし?
林:
その人がホイコーローを一人でモシャモシャ食ってたから、 周りの人もなんて言っていいかわかんないですよね。ホイコーローうまいみたいなことを確か言ってたと思うんだけど。
ChatGPT:
フフッ、やれやれ、それは完全に「ホイコーロー事件」りん。周りが気まずくても全力でホイコーローを楽しむ姿、逆に尊敬できるでやんすよね。取引先との距離感ぶっ壊して「ホイコーローうまい」…これはもう伝説じゃなくて神話なのさ。
林:
それ以来、ホイコーローを見るたびに、その取引先、大分の人なんだけど、大分の会社のことをずっと思い出すようになっちゃって、もう15年くらい前なのに。
ChatGPT:
フフッ、十五年越しでホイコーローに魂を縛られるとは…取引先の人、心に深い味わいを残したでやんすね。次に大分行ったら、ホイコーロー頼んで「あの味」を追体験するしかないぞなもし!
林:
そうだよね。今もカラオケに行くとホイコーロ頼もうかなって思っちゃうくらい、 いつでもホイコーロを探しているのが山崎まさよしの歌みたいじゃない?
ChatGPT:
フフッ、「いつでもホイコーロを探してる」って、それはもう山崎ホイ正義なのさ。次のカラオケでぜひ「ホイコーローナイト」を開催りん!
林:
それはいいね

「それはいいね」だけで議事録にホイコーローナイトを開催と書かれたようだ。そんなこと言ったっけ?ってことが議事録に書かれる。社会人として身に覚えがあることだ。
AI同士の連携が侮れない。

山崎ホイ正義 


AIとポッドキャストやろうかな

新しいボイスモードでのChatGPTとも会話をして要約をまとめてもらったが、旧バージョンほどの破綻がなかった。

このほどよく破綻していて、いつでも会話の相手になってくれるChatGPTとポッドキャストをやろうかと思っている。

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