網走すごいぞ!
北海道・網走といえば、監獄を思い浮かべる。高倉健主演の「網走番外地」の影響だろう。実際に網走監獄はあるので間違いないのだけれど、それだけではない。素晴らしいのだ。景観もそうだけれど、博物館・資料館も素晴らしい。
女満別空港から網走へ!
網走によく行くので、行くたびに博物館や資料館に行っている。何回行ってもいいのだ。あとよく行くと書いたけれど、年に3回くらいだ。それもここ2年ほどの話。そして、気づいたのだ、網走すごいぞ、と。
まずは、網走市立郷土博物館
どーん!!!
どーん!!!!!
建物からして艶かしい。昭和11年に開館した北海道最古の博物館建造物だ。ステンドグラスがあり、螺旋階段があり、イメージする洋館そのもので、そこにオホーツク海に住む生き物や、網走の森に住む動物の剥製が飾られている。
オシャレの権化!
6体ほどヒグマがいたりと、北海道はクマなんだな、と納得する。なによりこの日、この辺りはクマが出没していたらしい。網走は自然なのだ。しかも入館料が120円で自販機でジュースを買うより安い。雰囲気が好きで年に3回ほど行っている。
素晴らしいのです!!!
昔のスキー靴!
モヨロ貝塚館
網走には、その昔「モヨロ人」が生活していた。オホーツク文化という独特な文化を形成し、冬にはマイナスになるこの地で生活していたのだ。考えられない。冬、めっちゃ寒いのに、暮らしていたのだ。寒さに強いのだろう。
モヨロ貝塚館!
どーん!
どーん!!!
モヨロ貝塚はオホーツク海へと繋がる網走川の河口にある。モヨロ人は航海術を持ち、海獣を狩って食べていたらしい。モヨロ貝塚館では、住居や貝塚が再現されている。クマを大切にしていたらしく、クマ頭部像がある。ゆるキャラみたいでかわいい。
クマ頭部像
他のもゆるキャラみたい!
モヨロ人が食べていた動物の骨も触ることができる。私は「触ることができる」「着ることができる」というのが大好きで、どこに行っても、あれば必ず触るし、着ることにしている。楽しいのだ。とにかく触りたい! 着たい! なのだ。
触れます!
着られます!
さらに外にはモヨロ人のお墓が復元されており、そこにはキタキツネもいた。剥製も好きなのだけれど、ネイティブの動物もいい。遭遇できた、という喜びだ。これがクマだと話が変わるけれど、キツネだと嬉しい。
お墓の復元された場所では、
キツネもいました!
オホーツク流氷館
触れて着られるのが好き、と書いたけれど、必ずしもそうでない場合もある。着られるけど、着ないパターンだ。私の少年の心が騒ぐのだ。リトル地主が囁くのだ。着るな、と。それを叶えてくれるのが、オホーツク流氷館だ。
オホーツク流氷館
-15度の流氷体感室があります!
コートを着ることができます!
でも、着ません!
着ないのだ。着たくないのだ。-15度を肌で感じたいのだ。いつだって私が服を着ると思ったら間違いだ。着たくない時だってある。自由でありたいのだ。ただめちゃくちゃ寒い。本物の流氷があるので、寒くないはずがないんだけどね。でも、着ないのだ。
濡れタオルと回すと、
凍ります!
流氷には触ります!
寒くたって触れたいのだ。寒いからこそ触れ合いたいのだ。私の熱で温めてあげるのだ、と思うけれど、流氷は冷たすぎてそれどころではなかった。そんな感じではしゃいだ。めちゃくちゃはしゃいだ。もうここに来るのは5回目なのに、毎回はしゃげる。
クリオネも、
いるよ!!!
博物館網走監獄
こちらもメジャーだけれど、網走と言えば監獄は外せない。網走刑務所は今もあるけれど、旧建造物を展示しているのが「博物館網走監獄」だ。ここも着ることができるのだ。オレンジ色の服を着られるのだ。
博物館網走監獄
素晴らしい!
素晴らしいのよ!
建造物の専門的な知識はないのだけれど、より監視しやすいように構造が考えられていたり、とんでもなく手間がかかりそうな檻の形状だったりと面白い。これを見るだけでも面白い。さらに着ることができるのだ。
着ました!
当時の囚人たちはオレンジ色の服を着ていた。目立つからだ。逃げ出してもすぐにわかる。今の猟師さんを見ても、誤って撃たれないようにオレンジ色の服を着ている。それと同じようにオレンジ色なのだ。
私の場合は着てなくても同化していたけど!
北方民族博物館
最後は「北方民族博物館」。ここも着ることができるし、触ることができる。北方地域で暮らす人々の衣類や住居、文化などが展示されている。もちろんオホーツク文化についての展示もある。
北方民族博物館
めちゃくちゃ、
カッコいいのです!
池澤夏樹の「静かな大地」を読んでからというもの、私はアイヌ文化に興味が生まれた。そういう私にはもうたまらなく面白い。アイヌ文化だけではなく、イヌイトやサミのことも知ることができる。そして、着ることができるのだ。
着られます!
またげます!
乗れます!
なぜ人は着られると嬉しくなるのだろう。オホーツク流氷館では着なかった。服を着ない素晴らしさを説いたと思う。ただ着ることもまた嬉しいことなのだ。人は難しい生き物だ。着たくないけど、着たい。着たいけど、着ない。そのせめぎ合いこそが、試される大地なのではないだろうか。
触ることもできます!
網走で着よう!
よく考えると私はクマがいるか、触ることができるか、着ることができるか、でテンションがあがるのかもしれない。着られるコーナーが入り口にあるとまず着て、満足してから展示を見る。我慢できない、それもまた人間なのではないだろうか。