特集 2018年4月10日

外出先でできる!?自販機「だし」かけコンビニ飯・8種類

コンビニで買ったものに「だし」をかけまくって美味しくしよう
コンビニで買ったものに「だし」をかけまくって美味しくしよう
自動販売機で買える「だし」がある。せっかく自販機で買えるのなら、その場で使ってみたくないか。

コンビニで買ったものと掛け合わせれば、ちょっと贅沢な気分を味わえるのでは。即席料理を提案してもらい、作って食べてみた。
島根県生まれ。毛糸を自在に操れる人になりたい。地元に戻ったり上京したりを繰り返してるため、一体どこにいるのか分からないと言われることが多い。プログラマーっぽい仕事が本業。(動画インタビュー

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自販機で買える「だし」

おでん缶やみそ汁のように具が入ってるものではなく、純粋な「だし」の缶やペットボトルが自販機で売られている。その商品とは、缶の『うまだし』(やまや)や、ペットボトルの『だし道楽』(二反田醤油)だ。

『うまだし』はそのまま飲むのにちょうど良いぐらいの濃さの味のだし汁だ。

ちょっと熱いぐらいの「あったか~い」状態で売られているが、季節によっては「つめた~い」になる。
コーヒーと並んで売られている
コーヒーと並んで売られている
一方、『だし道楽』のほうはというと、冷えた状態で出てくる。味はというと、薄めて使うタイプなので、かなり濃いめだ。
ペットボトルの『だし道楽』。コインパーキングの横に、普通の自販機と並んで設置されてた。
ペットボトルの『だし道楽』。コインパーキングの横に、普通の自販機と並んで設置されてた。
買ってすぐ飲めるのは『うまだし』のほう。
買ってすぐ飲めるのは『うまだし』のほう。
今までに缶の「だし」は何度か見かけたことがあったが、なかなか買うには至らず。
だって「なんか喉乾いたなー」みたいな何気ない動機で自販機の前に立つときって、「おっ、だしにしよう」ってならないじゃないか。
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軽い食事をコンビニで買ったタイミングに「だし」の自販機と遭遇したと想定してみる。
そのまま飲むだけじゃなく、なにかに混ぜたり注いだり、お茶漬け風にしてみたりすれば、ただのコンビニ飯もきっとランクアップするはず!

外出先での即席料理なら、味の調整も不要でそのまま飲めるほうが使いやすそう。なので今回は、『うまだし』に絞って食べ比べをしてみよう。

どこにある? 「だし」の缶

企画を進めてると、そもそも「だしの缶なんて見たことない」という意見が多く聞こえてきた。
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どうやら『うまだし』は、羽田空港の自販機でのみ売られてるらしい。公式も「羽田空港限定」と言っている。
いや、そう言われても、私は羽田以外で何度か見かけたはずなんだけどなぁ。 腑に落ちないまま記憶を辿りつつ、見に行ってみたが、な……ない!!
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ない。夢だったんだろうか……。

自分の記憶違い説を確定しそうになったとき、一名だけが「羽田行ってないけど、置いてある自販機見たことある」と言ってはくれた。
一名だけ賛同はしてはくれたが……
一名だけ賛同はしてはくれたが……
なんとなくの目撃情報はあるようなないような感じではあるが、「羽田空港限定です」と言っておこう。「旅行の前に、帰り道に出来るかもしれない即席飯」のつもりで見てもらいたい。
第一ターミナルの搭乗出口あたりで購入した
第一ターミナルの搭乗出口あたりで購入した

即席料理を提案しあう

当サイト関係者数名に、『うまだし』を使った即席料理の提案をお願いした。提示した条件は以下の通り。

・コンビニで買ったものを使う
・「だし」が染みこみやすそうなもの希望
・外出先で買ってすぐ食べるという設定
・器はプラのをこちらで用意するので、それを使うのはOK(コンビニで買える場合もある。おでんを一緒に買えばもらえる。)

そしてこのようなものが揃った。
絹豆腐(ライター/ネッシーあやこさん)
絹豆腐(ライター/ネッシーあやこさん)
カツ丼(編集部/橋田玲子さん)。徐々にみんな「CMっぽい」と言いつつ、それっぽさを意識し始める。
カツ丼(編集部/橋田玲子さん)。徐々にみんな「CMっぽい」と言いつつ、それっぽさを意識し始める。
いかの姿フライ茶漬け(ライター/江ノ島茂道さん)。なぜこの写真、合成っぽいんだろう。
いかの姿フライ茶漬け(ライター/江ノ島茂道さん)。なぜこの写真、合成っぽいんだろう。
餃子(ライター/北向ハナウタさん)。これからカードバトルでも始める気か、というようなポーズで。
餃子(ライター/北向ハナウタさん)。これからカードバトルでも始める気か、というようなポーズで。
一応言っておくと、あくまで「美味しいものの提案企画」だ。競い合う気はない。

自分はというと、4種類持ってきた。
サッポロ一番 塩ラーメン(小サイズ)
サッポロ一番 塩ラーメン(小サイズ)
コロッケのまんま(コロッケ風スナック菓子)
コロッケのまんま(コロッケ風スナック菓子)
チーズ入りハンバーグ
チーズ入りハンバーグ
おにぎり(梅、鮭はらみ、チャーハン)
おにぎり(梅、鮭はらみ、チャーハン)
それはそうと、この日はとにかく風が強い。うっかりすると、袋や容器がすぐ吹き飛ぶ。
あーーーーー!!! ……と吹き飛び、追いかける
あーーーーー!!! ……と吹き飛び、追いかける
移動中にすっかり冷めた『うまだし』だが、「買ってすぐ食べる」という設定で進めたいので、ここで温めよう。
火を使わず温めができる、発熱材を使って温めた。水をそそぐと加熱する仕組み。
火を使わず温めができる、発熱材を使って温めた。水をそそぐと加熱する仕組み。

まずは意外性のないものから

さて、『うまだし』が温まったところで、まずは絹豆腐から試してみる。
風で「だし」まで飛びそうになる
風で「だし」まで飛びそうになる
当然豆腐には合うだろうと思いきや、いや……豆腐まるごとだと薄いな。

四角いままの豆腐って醤油かけて食べるぐらいだし、ゴクゴク飲めるぐらいの薄さの「だし」だけだと物足りないのだ。
そこでペットボトルの濃いめの方の「だし」を足したら、めちゃめちゃ美味しい
そこでペットボトルの濃いめの方の「だし」を足したら、めちゃめちゃ美味しい
つい味を変えてしまった。けどすごくおいしい。ここはルールに沿って得点を付けたいので、低めの点数にしておこう。
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つぎは、温かいカツ丼(コンビニのレンジで温め後の想定)に缶1本をまるっと注ぐ。
1本まるごと注ぐとちょうどいい量だった
1本まるごと注ぐとちょうどいい量だった
このままでは誰もが想像できる普通の美味しいもの記事になりつつあるな……と思ってたが、いや! この味は想像以上だ。百円玉数枚でこんな贅沢感が……!? という驚きすらある。一同ざわめき、回し食べる。
強風から橋田さんを守ってるつもりが、よく考えたら風下に居ても無意味
強風から橋田さんを守ってるつもりが、よく考えたら風下に居ても無意味
橋田さんは、「カツ丼を食べ過ぎると、体に良くないな……といううしろめたさがだしによって軽減される」と言っていた。確かに軽減はされるが、全部飲めば「だし+カツ丼」のカロリーになる……。
「だし」が風に飛ばされ、後ろにいた江ノ島さんの目に入るというハプニングも
「だし」が風に飛ばされ、後ろにいた江ノ島さんの目に入るというハプニングも
後ろの方で悶えてる……
後ろの方で悶えてる……
こんな状況でも美味いもんは美味い! 誰もがうなりつつ食べてたので文句なしの満点。
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……これ以上の屋外撮影は断念となり、ここからは屋内へ移動します。(よく考えたらどっちでも良い。)

引き続き、「どう考えても美味しそうなもの」をいってみよう。つぎはおにぎり3種類。
うわー、どう見ても美味しそう
うわー、どう見ても美味しそう
おにぎりのだし茶漬けなんて、合うに決まってる。

そう思ってたが、ここで予想外の展開が。チャーハンおにぎりのだし茶漬けがなんとそんなに美味しくないのだ。
ん? なんかこれ、微妙じゃないか?
ん? なんかこれ、微妙じゃないか?
チャーハンは中華スープと合わせて食べることに慣れ過ぎてしまってるため、和風の「だし」と合わせると「なにか違う……!」と感じてしまうんじゃ? 話し合いにより、こんな見解になった。

梅や鮭はらみのお茶漬けについても、「あまりに予想通り」で面白くないと感じてしまったので、ちょっと低めの評価に。そんな訳で、低いな……おにぎり!
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チャーハンと和風だしの相性が悪いとなると、餃子はどうだろう。
おまえを水餃子にしてやろうか
おまえを水餃子にしてやろうか
チャーハンのときのような違和感はなく、「あー、こういう餃子スープだな」という感想。

提案者の北向さんも、「想像は超えないけど、まあまあ美味しい。上品な水餃子という感じ」と言っていた。
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意外性のオンパレード

インスタントラーメンに、お湯の代わりに「だし」を入れたらワンランク上の味が味わえるのでは。和風だしとの親和性が比較的ありそうな、塩ラーメンを選んだ。

元々のスープの味も入ってるので、だし汁の味が加わると濃いめの味になるかもしれない。そう思いつつも、ひとまず作ってみる。
小さめサイズだと、ひと缶でほぼピッタリの量
小さめサイズだと、ひと缶でほぼピッタリの量
通常、熱湯が注がれるが、今回は「温かいだし」で、温度が低めだからか麺の仕上がりが少し硬い。だが許容範囲だ。

食べてみると……あら? 味的には……いつも食べてるのと何ら変わりがない……!?
ん? これ、「だし」を感じない……!
ん? これ、「だし」を感じない……!
やばいぞ、これは。完全にラーメンスープが「だし」に勝ってる! 元々のスープの味が完全に「だし」を打ち消してるのだ。
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しまった、せっかくの「だし」を無駄にした感がある。「だし殺しだ……。」とみんなが口々に呟いてた。
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さて、気を取り直して、つぎは『いかの丸ごとフライ』茶漬けだ。なんだそれ。
まず砕いて……
まず砕いて……
おにぎりの上に乗せて
おにぎりの上に乗せて
『うまだし』をかければ完成らしい
『うまだし』をかければ完成らしい
フライ部分に汁が染みこんで、いい感じに美味しくなる想定をしてたようだが……
こ、これは……!!
こ、これは……!!
これ、イカのフライに甘みがあって、「だし」ともご飯とも合ってない!
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もうひとつ想像がつかないのがハンバーグ。「だし」を注いでたら、元々肉を覆っていたデミグラスソースが洗い流されたようになった。
洗い流されるデミグラスソース
洗い流されるデミグラスソース
デミグラスソースと「だし」の相性ってどうなんだ……と思ってたが、ソースがサッパリして、スープとしても美味しい。

特に一口食べたライター與座さんが感激し、「めっちゃ美味しい」を連呼し出した。
「だしって大事なんですね」と話し合い出す、北向さんと撮影係として参加してもらってた與座さん
「だしって大事なんですね」と話し合い出す、北向さんと撮影係として参加してもらってた與座さん
私も気が付けば「これが……うまみ成分……」などと呟いていた。美味しんぼか。

このハンバーグのタイミングで「だしの大切さ」に開眼するとは予想外の展開だ。
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「揚げ物と合う」説

さいごに『コロッケのまんま』という、コロッケを小さくしてフリーズドライにしたようなスナック菓子。

「だし」を注ぐと、よほど水分の吸収が良いのか、ジュワーーー……と音を立てた。
ジュワーーー……
ジュワーーー……
「コロッケそばの、スープが含むときの衣のよう」という意見もあった。少し置いて、「だし」をしっかり染みこませる。

そして食べてみると……
うわ、これは……!
うわ、これは……!
食感は、スープの水分を吸いかけてるクルトンのように、しなっと感とサクサク感が共存してる。味も美味しい。もう今後ずっと「だし」に浸して食べたいぐらいだ。

満点付けたいけど、どうしてもカツ丼を一位にしたい……という声もあり、差をつけるために星は4.5にしておこう。
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結論:「油と合う」

ひと通り食べてみたところで、総括的な感想を言ってもらったのをまとめてみる。
あっためたカツ丼にだしがかかってるのに大感動しました。ほかのも、色々おいしかったんですが、いちばん確信を持てたのがカツ丼。

だしは単品で飲んでもおいしくて、まちがいない組み合わせのことがほとんどななか、チャーハンと合わないことにはかなりびびりました。
カツ丼だけじゃなくコロッケやハンバーグもカロリーに対するうしろめたさも軽減されるような気持ちになりました。
はじめは「おにぎりしか合わないだろうな」と思いながら横で見ていたのですが、最終的にカツ丼、ハンバーグ、『コロッケのまんま』までおいしくなっててうまみ成分の万能さを理解できました。ありがとうございました。
おにぎりのお茶漬けが思っていたよりおいしいの期待値を超えなくてびっくりしました。さっぱりしたやつよりも油のやつがおいしいのは発見でした。油は偉大ですね。
與座さんや江ノ島さんも言ってるように、おにぎりの結果は私も意外だった。

「驚きが薄かった」というのもあるかもしれないが、つぎに羽田空港に立ち寄るついでに買うのは、おにぎりではなくカツ丼か『コロッケのまんま』になるだろう。それが今から楽しみになっている。

最初「お茶ほど気軽に買えない」とちょっと構えてしまってたが、飲んでるうちに「もっと普段から飲みたい」欲が沸いた。夏になったらキンキンに冷えたやつを一気にいってみたいなぁ。

それと、もし羽田空港以外の自販機で見かけた方いたら教えてください。

ライターから告知

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