格闘技のイメージ皆無のメンバー、集まる
東京カルチャーカルチャー支配人で空手愛好歴20年の花川郁雄さんが板割を教えてくれるというので、ライター陣からきだてさん・わたし鈴木の2人と、編集部から林さんが東京カルチャーカルチャーに集まった。
花川さん(一番左)と、どこからどう見ても割れそうにない3人
林さんときだてさんには悪いが、花川さん以外完全に雑魚キャラである。海外ドラマに出てきたら序盤で死ぬやつだ。
ちなみにきだてさんが着ている月刊ムーのジャージはファッションセンターしまむらで買えるそうだ。この後の展開できだてさんが活躍しまくり多めに出てくるので、気になる前に先に言っておこうと思う。
板割ワークショップ受講
気合は十分だが、もちろん全員板割は初めてである。
割るにはいくつかのポイントがあるということで、花川さんがはじめに板割ワークショップを開いてくれた。
本日のレジュメです
板割の指南書だと思えないくらい優しい内容だ
「安」という字の多さとZくんのおかげで、板割に対する恐怖心が半減した(今改めてスライドを見ると、『安心』『安全』『安易』という文言があとで高額商品を売りつけられるフロント商品の謳い文句にしか見えない)
大切なポイントはたったの3つ。
花川さんいわく、この3つのポイントを押さえれば誰でも板が割れるという
コンセプトやポイントを3つにギュギュっとまとめているあたり、花川さんはきっとプレゼン上手な人だろう。
しかし、スライドの内容よりさっきから気になって仕方がないことがひとつある。
花川さんのこぶしに深く刻まれた傷跡だ。
これ絶対板割った時にできた傷でしょうよ
板に当たっている場所と傷跡の場所が完全に一致
花川さんの傷跡におびえつつワークショップは終了。
ポイントをわかりやすく教えてもらったおかげでなんだか割れる気がしてきた。
【板割10のコツ(留意点)】
①マインド(絶対割れる≒ひるまない)
②板の目を読む&大きいものが割れやすい
③縦拳又は横拳(正拳○手刀△)
④拳頭(人指し指と中指の二本)
⑤握り(小指から握る)
⑥床置き○手持ち△
※板の置きかた:ブロックの間は板が安定するギリギリ迄広げる
⑦目標は板ではなくその下
⑧立ち方(裸足)
※前足を置く場所はブロック横付近
⑨うしろ足はかかとを浮かす
⑩息は吐く=声だし(気合)
※声はウー・ヤー・ターなど何でも構わない
気合とイメトレはばっちり
板割の板はAmazonで買える
板を割るためには、材料選びのポイントも押さえておく必要がある。
板割に使う板は“試割り板”といって、専用の板を使うそうだ。
教えてもらうまで、コメリやカインズホームなど、その辺のホームセンターで売っている木材を買ってきて割るのかと思っていた。
厚さは7mmのもの(H195×W300×T7mm)と、12mmのもの(H210×W300×T12mm)の2種類を用意。
左の板が7mm、右の板が12 mm、いずれもAmazonで買える
いくらで売っているのかAmazonの商品ページを見てみたら、この時わたしたちが割りまくったためか現在は在庫切れしていた。
在庫がある時は10枚で3,000円ほど。~安くて割れれば良いという方に~というキャッチコピーも魅力的な試割り板だったので、在庫が入ったら個人的に買いたい(高いと心理的に割りづらい)
試割り板を自分で選べる場合は、木目を見てふしがないものを選ぶと割れやすいそうだ。
この場合左の板の方が割れやすい。ふしがない方が木目に沿ってバキッと割れやすい
割りやすい板を選んだらコンクリートブロックにセッティングして、いよいよ板割開始。
いきなり割れた
先にお伝えしておくと冒頭の写真でも一部おわかりいただけるように、結果今回参加した全員が板を割ることができた。
会場に着くまでの道中「きっと最初は思ったようになかなか割れなくて、何回もチャレンジしていく中でやっと1枚2枚割れる程度だろう」と予想していたが、板割ワークショップを受けたメンバーは最初の1枚からあっさり割ることができた。
まずはきだてさんの1回目、7mmを1枚。
あまりのあっさりさに気がついた時には割れていた
「あ、割れちゃった…」
それもそのはず、こちらの写真は次にチャレンジしたわたしが体重を少し乗せた時の板の状態だが、この時点で既にしなっているのだ。
ここまでくればあとはそのまま素早く下ろすだけ
下ろしたら割れた
林さんも
難なくクリア。割った後「俺にこんなパワーがあったなんて…」と自分も知らなかったスキルを発動させ驚く少年のようになっていた
花川さんから教えてもらったポイントを押さえれば思った以上に簡単に割れるし、板を割った時の音も相まってものすごい爽快感だった。
この爽快感はボーリングでストライクを出した時にとてもよく似ている。
板割は、ボーリングに変わるストレス解消スポーツだ。
テーピングでレベルアップ
ただここでひとつ問題が出てきた。
地味に手が痛いのだ。
こぶしを作ると山になる部分(骨頭部というらしい)が赤くなってきた。やはり花川さんの傷跡と完全に一致
そこでテーピングをしてもらった。
子どもの頃はテーピングをしている人は強そうに見えて憧れていたが、
残念ながらただの負傷者にしか見えなかった
カルチャーカルチャーが保健室になった瞬間である。
見た目はともかく、テーピングのおかげでこの後さらに厚い板にチャレンジすることができた。
きだてさんの2回目、1回目より4mm厚い12mmにチャレンジ。
パキーン!「………カイカンッ」「わー!やったー!見てるこっちも気持ちいいー!」
わたしは1枚1枚が薄い7mmを2枚重ねてチャレンジ。
1枚の時より割った感が増してめちゃくちゃスッキリした
林さんもきだてさんと同じ12mmにチャレンジし、一発で割ったものの、
「ったい…」(痛い)
ダメージが大きかったようで、このあと順番待ちしているあいだチラッと林さんの方を見ると都度険しい顔をしていた。
この顔↗
きだてさんはどうやら覚醒したらしく、この後も厚い板をバッキバッキ割っていった。
見よこの躍動感
これからは文具ライター兼板割ライターとして活躍するに違いない
最終的にきだてさんは36mm(12mm×3枚)、林さんは24mm(12mm×2枚)、わたし鈴木は28mm(7mm×4枚)まで割ることができた。
まさかここまで割れるとは誰も想像もしていなかった。
嬉しすぎてライターの自己紹介欄に「板割最高記録〇〇mm」と書きたい。
割れないとバイ~~~ンってなる
これまで正拳(パンチ)で割ってきたが、手刀(チョップ)でも割れるのでは?という話になり、最後にみんなで手刀での板割にもチャレンジした。
いざ板の前に立つと正拳よりも割れなさそうな気がして不安になったが、花川さんの「これはいけるわ」「余裕余裕」という声に後押しされ、無事割ることができた。
音入りで見るとより一層気持ちいいので、可能な方はぜひ音入りで見てほしい。
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ここからはかっこいいスローモーション動画でお届け。
音は爆破写真とほぼ変わらないかっこよさ!
撮影していた橋田さんの手刀はまるで包丁で野菜を切るように美しかった
手をいたわるところまでが林さんの一連のフロー
ここまで順調に割ってきたが、板割ワークショップを別の取材の都合で受けていなかった編集部・石川さんが登場して、状況は一変した。
やはりわたしたちは花川さんからポイントを教えてもらったからこそ割れたのだ。イメージや力任せでは割れないらしい。
その証拠がこちら。
ナイスバイ~~~ンである。
これまでほとんど失敗することなく割れてきたので、心の中で「やったぞ!石川さん!」と叫んでしまった。
このあとリベンジして石川さんも無事割ることができたのだが、
リアクションがライト過ぎた。
喜びのあまりボーリング風ハイタッチをしてしまった自分が恥ずかしい。
ハイタッチの様子。きだてさんと「ロンドン橋落ちる~♪」をやって林さんを捕まえようとしている図ではない
正拳に加え難しいと言われていた手刀でまで板割ができて大満足だ。
静岡の自宅に帰宅し、母に「今日は東京に板を割りに行ってきたよ」と報告したところ、文字通り目が点になっていた。
板に対する恐怖心がなくなって強くなった気分。板割最高!
割ったあとも有効活用
この日のために試割り板を40枚用意してもらい、そのほとんどを割った。
割った板は、林さんは犬小屋に(犬、飼ってるの…?)、石川さんはヘボコンの材料にするそうだ。ヘボコンに試割り板で構成されたロボットが登場する日も近い。
ちなみに写真中央奥にいるのは元プロボクサーのライター・馬場さんだが、馬場さんは板はもちろん、今回土台として使用したブロックまで割ったことがあるという。
うかつに近づけない…(本当は優しいので大丈夫です)