広告企画♪ 2017年3月16日

あのドラマの最終回を文房具好きに嬉しい仕様に変えてみた

オススメの文房具、ここに置いてます。『A LIFE』最終回に注目だ!
オススメの文房具、ここに置いてます。『A LIFE』最終回に注目だ!
今回は広告案件ということで、TBS系で現在放映中の日曜劇場『A LIFE』収録現場にお邪魔できるという話になった。
しかも「実際のセットの中に、こっそり小道具を仕込んでいい」という話らしいのだ。いいのか、そんなの。

とはいえ、せっかく取材させてもらうんだから、ドラマを見てくれている人がちょっと得するような仕込みにしたい。
例えば、ドラマを見てるだけでいま最新のオススメ文房具が分かる、ってどうだろう。得した感じにならないか。
1973年京都生まれ。色物文具愛好家、文具ライター。小学生の頃、勉強も運動も見た目も普通の人間がクラスでちやほやされるにはどうすれば良いかを考え抜いた結果「面白い文具を自慢する」という結論に辿り着き、そのまま今に至る。(動画インタビュー)

前の記事:こんなものでもケガしてる!ケガめし

> 個人サイト イロブン Twitter:tech_k

巨大なスタジオの中に病院がある

横浜と町田の境目ぐらいに位置する TBS緑山スタジオ・シティでは、いままさに『A LIFE』最終回を収録中だという。
そんな大詰めのタイミングでお邪魔していいのかはともかく、緑山スタジオと言えばかつては『風雲たけし城』とか、今だと『SASUKE』といったオープンロケ番組も撮れる巨大な設備群である。
スタジオ案内図。敷地内にゴルフ練習場があるのもすごいけど、そのその練習場よりスタジオ棟の方がデカい。広大すぎないか。
スタジオ案内図。敷地内にゴルフ練習場があるのもすごいけど、そのその練習場よりスタジオ棟の方がデカい。広大すぎないか。
で、そんな中に敷地面積約10万㎡という巨大なスタジオ棟があって、TBSの歴代ドラマはだいたいここで撮影しているとのこと。
古くは『金八先生』から、最近は『逃げるは恥だが役に立つ』も、ここで撮られている。
上から見たスタジオ内。板張りの建物一つ一つが撮影セット。
上から見たスタジオ内。板張りの建物一つ一つが撮影セット。
そして、今この中では木村拓哉と浅野忠信と及川光博と松山ケンイチと竹内結子と菜々緒があれこれしてるらしいんだけど、今回、残念ながらドラマ収録そのものは見せてもらえない。
その代わりと言っちゃなんだが、空いているセットはわりと好きに見てもいい、とのことだ。
わー、あの板張りの中にドラマに出てるあの医局があったぞ。
わー、あの板張りの中にドラマに出てるあの医局があったぞ。
さて、そもそも観てない人のために大雑把に説明すると、『A LIFE』というのは、医療の現場が舞台のドラマだ。木村拓哉演じる主人公 沖田一光先生は手術の技術がスゴい職人肌の心臓外科医で、なんか色んな人を治したり、幼馴染みで副院長の壇上壮大(浅野忠信)と確執があったりみたいな感じ。


『A LIFE』本編を観ていて思ったのは、「このドラマ、わりと文房具いっぱい出てんな」ということだ。

医局のシーンでも、各先生の机にちゃんとペン立てがあったり、あちこちにペンやマーカーが転がっているのが目に入る。あと、沖田先生が手術前にノートにカラーペンで心臓の絵を描いたりとか。
これがあるだけでオフィスらしさが出る、ド定番キングジム『キングファイル』
これがあるだけでオフィスらしさが出る、ド定番キングジム『キングファイル』
実際のところ、画面からはそんなに細かい部分までは見えてなかった。しかしセットの中からチェックすると、それぞれのキャラクターに合わせてきちんと小物が準備されていることに驚いた。
ヒロイン・壇上深冬先生の机。ここから何が読み取れるか?
ヒロイン・壇上深冬先生の机。ここから何が読み取れるか?
例えば、竹内結子演じる壇上深冬先生は、小児外科が専門。あと、まぁそこそこの年齢。
そういった設定だと、机の上にある文房具もそこに合わせてあるのだ。
このハサミ!
このハサミ!
まずキャラクターの年齢が出てるのが、林刃物の『ALLEX 事務用ハサミ』。
40年以上発売されている超ロングセラーで、30代後半~40代の人にとっては「ザ・ハサミ」というぐらいの超定番だ。
とはいえ、刃に若干サビが出たり、リングがボロボロになるまで使い込んであったりと、深冬先生、あまり文房具に興味は無い人なんだなー、という印象。もしくは、持ち物はボロボロになるまで使い倒す派。
でも、ホッチキスは針無し。
でも、ホッチキスは針無し。
なのに、使ってるホッチキスは針を使わないコクヨ『ハリナックス10枚タイプ』。わざわざ「これを買おう」と意識しないとできないチョイスだ。
これはおそらく、自分が受け持つ子供が万が一にでも針でケガしないように…という小児科医ならではのチョイスなんだと思う。文房具に興味は無いけどこういうのは気を遣う優しい人なのだ、深冬先生は。(あくまでも僕の個人的な妄想だけど)
三菱鉛筆『プロッキー』にゼブラ『マッキー極細』と、やたらマーカー好きな先生もいる。水性と油性を使い分けてる?
三菱鉛筆『プロッキー』にゼブラ『マッキー極細』と、やたらマーカー好きな先生もいる。水性と油性を使い分けてる?
こちらは鉛筆がメイン筆記具の先生。あと、どの机にもドリンク剤の瓶があって若干引く。
こちらは鉛筆がメイン筆記具の先生。あと、どの机にもドリンク剤の瓶があって若干引く。
1本だけ転がってた、パイロット『フリクションボール』の紫。
1本だけ転がってた、パイロット『フリクションボール』の紫。
あと、井川颯太(松山ケンイチ)先生の机にあったフリクションボールが、わりと使ってる人の少ない紫インクだったのも面白かった。
たぶん周りにフリクションを使ってる人が何人かいて、それと混同されないようにわざわざレア色を使ってるんじゃないだろうか。
お坊ちゃんキャラで潔癖っぽい印象の井川先生らしいチョイスである。(あくまでも個人の妄想です)

これが文房具プロファイリングです。


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木村拓哉のペン、なんだったのか

先にも書いたとおり、このドラマでは主人公の沖田先生(木村拓哉)がしょっちゅうノートやホワイボードに心臓の絵を描く。
どうもこれで手術のポイントを予習したり、患者さんに術前の細かい説明をしたり、という使い方をしてるようだ。
木村拓哉が何ペンを使ってるのか、確認してきます。
木村拓哉が何ペンを使ってるのか、確認してきます。
で、その絵を描いてる画材が何を使ってるのか、画面からでは分からなかったのだ。
正確に言うと、2種類のマーカーがペン立てにあって、1種類は「たぶんアレだな」と分かったんだけど、もう1つが不明。
部屋のホワイトボードにも、沖田先生の心臓イラスト。
部屋のホワイトボードにも、沖田先生の心臓イラスト。
わー、1種類は特定成功でした。
わー、1種類は特定成功でした。
ありました。沖田先生の机にいつも映ってるあのペン立て。
やはり中には2種類のマーカーがささってる。
1種類は、トンボ『プレイカラー2』で合ってた。0.4㎜と1.2㎜のツインタイプで細かい線も描きやすく、いま女子中高生にわりと人気のものだ。これは予想通り。

でも、沖田先生が主に使ってるのはこれじゃない。いつもあのマーカー、あれ、なんなんだ。
テンション上がってて、写真撮った時にペンが逆さになってたの気付かなかった。
テンション上がってて、写真撮った時にペンが逆さになってたの気付かなかった。
正解は、呉竹『ZIG クリーンカラーⅡ』でした。
0.5㎜と1.2㎜のツインタイプで…わりと用途は『プレイカラー2』とかぶってる。
とはいえ、実際に描いてみると紙にファイバー芯が擦れる感じとか微妙に違うので、そういう繊細な感覚で使い分けているのかもしれない。
さすが、職人肌の沖田先生である。(もちろん個人の妄想です)

美術さんに聞いてみよう

見れば見るほど「おお……こってる……リアル…」と呟かざるを得ない小道具や大道具の世界。
こういう仕事ってすげぇな!ということで、セットの中を見せていただいた流れで、番組の美術スタッフさんにお話もうかがってみた。
左が小道具の石橋さん。右が美術デザインや予算管理を担当する大木さん。
左が小道具の石橋さん。右が美術デザインや予算管理を担当する大木さん。
すいません、そもそも基本的な話なんですが、小道具さんと大道具さんって、どういう分け方をしてるんですか?

大木 区分としては、大道具・小道具・持ち道具、という仕事があります。
僕らの業界で説明する時によく言われてるのが「新築の家に入居した時にまず見えてる部分が大道具。後から入れる家具とかその他全部が小道具。入居者が身に付けてる衣装以外の持ち物が持ち道具」ってことですね。


ちょっとした話の中に、へぇー、というポイントが多すぎる。

まず、持ち道具というカテゴリを知りませんでした。小道具とは違うんですね。

石橋 違うんですけど、わりと境界は曖昧ですね。

それにしても、小道具の取り扱い範囲がでかすぎませんか。大木さんの説明だと、タンスとか机、椅子も全部小道具ですよね。今回だと、病院内の医療機械とか脳の模型とか、ああいうのの調達ってどうやってるんですか?
模型とか、手術の練習に使う的な器具とか。
模型とか、手術の練習に使う的な器具とか。
石橋 病院の機械とか特殊なものは、医療関係専門のコーディネーターさんにお願いします。練習用の器具も同じで、今回は同じものを5つずつ購入したかな。沖田先生と深冬先生用と、古い感じの汚しをいれたりする用で。

あとお聞きしたかったんですが、文房具とか小物ってそれぞれキャラクターに合わせてチョイスしてありますよね。事前に細かな打ち合わせをしてセッティングするんですか?

石橋 いやー、事前に知らされるのは名前と性別と大まかな年齢ぐらいですよ。あとはもうそこからあれこれ推測するしか。

うわー。さっきさんざん「文房具がキャラに合ってる」とか偉そうに語った立場が無いぞ。
でも、たったそれだけの情報からここまで小物のチョイスを練り上げるって、相当にすごいと思う。やはりプロの仕事だ。
仕事以外で小物を選ぶ気になれないから、と自宅にはモノを置かない生活の石橋さん。プロの料理人が自宅でごはん作らない、みたいなものか。
仕事以外で小物を選ぶ気になれないから、と自宅にはモノを置かない生活の石橋さん。プロの料理人が自宅でごはん作らない、みたいなものか。
石橋 そういう情報も、僕らの所に入るのは収録が始まるギリギリになっちゃうんで、なかなか大変ですよ。

ところで医局にあった文房具って古いのから新品までいろいろあったんですが、そういうのはどこかに倉庫があって貯め込んであるんですか?

大木 そうですね、もちろん新品を買う場合もありますが、基本は石橋さんたちが小道具倉庫からあれこれ選んできてくれます。

小道具倉庫!それ見たい!

石橋 じゃあ、あとでご案内しますよ。

割れるガラスはハリウッドから直輸入

他に美術関係で「これ、つらいわー」って話、ありますか?

大木 えーと、お金の話なんですけども、アクションシーンなんかで窓ガラスが割れたりするじゃないですか。あのガラス、割れやすいように飴でできてるんだけど、めちゃくちゃ高いんですよ。

飴!ていうか飴ってそんな高いもんですか?

大木 大きな板ガラスのサイズで気泡が入らないように作るのがすごい技術らしいんですが、あれ、ハリウッドでしか作れないんですよ。なので、ガラスが割れるシーンがあるたびにハリウッドから取り寄せてるんです。サイズによるけど、1枚でだいたい10万円前後とか。大きいのは20万円超えます。
大木さんの今までで最大の失敗は、収録当日に撮影用の「廊下」を作り忘れていたこと。大慌てで、大道具スタッフ総掛かりで昼休みの1時間を使って廊下を作ったそう。1時間で作れるのか、廊下。
大木さんの今までで最大の失敗は、収録当日に撮影用の「廊下」を作り忘れていたこと。大慌てで、大道具スタッフ総掛かりで昼休みの1時間を使って廊下を作ったそう。1時間で作れるのか、廊下。
一瞬で割れて10万円は辛いですね。今後はガラスが割れるシーンを見るたびに「ハリウッドに10万」って思うことにします。

大木 いやいや。さっきも言ったとおり、割れやすい飴ガラスなんですよ。なので、空輸して日本に着いたらすでに結構割れてるんです。なので、毎回まとめ買いして、運良く割れてないのを使うという…

もしこの話を読んでいるドラマ脚本家・プロデューサー志望の人がいたら、今後はできるだけガラス割るシーンの無いお話作りをお願いしたいところだ。

意外なところに高級品が隠れてた。奥深い大道具・小道具の世界。


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小道具倉庫は、ボロいIKEAみたいだった

ということで、話の流れからありがたいことに小道具などを収納する美術倉庫も見せていただけることになった。
エレベーターで倉庫階に着くと、もういきなりこの風景。ものの密度でちょっと息苦しさすら感じる。
エレベーターで倉庫階に着くと、もういきなりこの風景。ものの密度でちょっと息苦しさすら感じる。
緑山スタジオ内の倉庫は、広さ3,300㎡の中に13万点の大道具・小道具が詰まっているとのことだが、数字だけ聞いて感覚を掴むのは難しいだろう。
具体的にいうと、こんな感じだ。
見渡す限り、ものがいっぱいある、としか言えない空間。
見渡す限り、ものがいっぱいある、としか言えない空間。
この中に、食器や家具家電、看板や自転車など考え得る限りの小道具がぎっしりと詰め込まれているのである。
ガラスのコップやワイングラスだけで見えてる範囲の倍ぐらいある。
ガラスのコップやワイングラスだけで見えてる範囲の倍ぐらいある。
何が置いてあったのか、あとから写真を見返しても理解できないもの置き場。
何が置いてあったのか、あとから写真を見返しても理解できないもの置き場。
自転車や病院の看板も小道具。
自転車や病院の看板も小道具。
大きなトラの彫像。専用の台車に乗ってる。
大きなトラの彫像。専用の台車に乗ってる。
見渡す限り、カーテン。
見渡す限り、カーテン。
ちなみに倉庫の中で特に面積を取っていたのは何かというと、実はカーテン置き場だった。
確かに引っ越しをすると「カーテンがやたらと必要になる」というのは実感できる。部屋ごとに窓がある限りだいたい必要だし、窓のサイズにも合わせなきゃいけない。
カーテンレールもやたらとタイプがある。戻す時は色分けして戻せ、的な書き置きが管理の苦労を物語る。
カーテンレールもやたらとタイプがある。戻す時は色分けして戻せ、的な書き置きが管理の苦労を物語る。
大木 カーテンはセットの雰囲気に合わせて柄や質感も揃えなきゃいけないし、数も要るので地味に大変ですね。カーテンレールもサイズやタイプがあって、カーテン周りは苦労が多いです。
いままさに『A LIFE』で使ってる最中のエアコンを発見。
いままさに『A LIFE』で使ってる最中のエアコンを発見。
こちらももうすぐ最終回のドラマ『カルテット』の小道具。同行したニフティ営業橋本さんがカルテットの大ファンで、これ見て大騒ぎしてた。
こちらももうすぐ最終回のドラマ『カルテット』の小道具。同行したニフティ営業橋本さんがカルテットの大ファンで、これ見て大騒ぎしてた。

文房具置き場は、普通の文房具の宝庫

ここまでで、美術倉庫に入って1時間ほど。巨大な段ボールが積み上げられた場所を回り込み、棚と棚の隙間をすり抜けているうちに、自分がいま倉庫のどの辺りに居るのか、完全に分からなくなってる。
ぶっちゃけ、先導してくれてる石橋さんと大木さんを見失ったら、場合によっては遭難も覚悟せねばならない。(食料以外のものはだいたい揃ってるので、暮らせなくはない)

そんなぐらいのタイミングで、石橋さんが声をかけてくれた。

石橋 あ、このへんが文房具置き場です。

おおおおお……!おお、おー。なるほどー…。
棚にぎっちり仕分けられた文房具の数々。上の棚はノート置き場。
棚にぎっちり仕分けられた文房具の数々。上の棚はノート置き場。
なぜか「そろってる色えんぴつ」棚と「そろってない色えんぴつ」棚が別れてる。
なぜか「そろってる色えんぴつ」棚と「そろってない色えんぴつ」棚が別れてる。
実のところ、もしかしたら倉庫の中にとんでもなくレアなお宝とか眠ってんじゃないのか、という邪念があったことは否定しない。
が、ざっと見せてもらった限り、わりと拍子抜けするぐらい「ふつう」なラインナップなのだ。 100均的なノーブランドアイテムとか多いし。
ハイテックCのコスメカラーあたり、メーカー廃盤ではあるけど未だに「普通ペン」感は強い。
ハイテックCのコスメカラーあたり、メーカー廃盤ではあるけど未だに「普通ペン」感は強い。
でも考えて見たらそりゃ当たり前で、ドラマに出てくる普通の家庭や職場なのに、やたらと特殊な文房具が揃っていたら、何かおかしいだろう。
そういう意味で、たぶんこの品揃えは正しいのだ。もうちょっと色々とあった方が個人的には嬉しかったけど。

ドラマの世界の文房具のラインナップは「ふつう」でした。


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文房具好きに嬉しいドラマとはなにか

さて、ここまでの取材でセットや小道具など諸々と興味深いものを見せてもらっておいてなんだが、僕にとって今回のメインはそこじゃない。
今回の取材における真のミッションは、ドラマのセットにこっそり『オススメの文房具』を仕込んでおいて、文房具ファンがドラマ観たら「おー、あの人はアレ使ってるのか。いいよねー」と気付いてニッコリできるようにしたい、というものだ。
今回、取材に持ち込んだ文房具。実はもうちょっと多めに持ってきたんだけど、番組サイドから「ひとまずこれぐらいで」って言われた。
今回、取材に持ち込んだ文房具。実はもうちょっと多めに持ってきたんだけど、番組サイドから「ひとまずこれぐらいで」って言われた。
そのため、事前にドラマプロデューサーの方に許可はいただいている。プロデューサーがいいって言ってるんだから、まぁ大丈夫なんじゃないか。
あと、あきらかに悪ふざけ気味なのも混じっているが、これは編集部安藤さんが「木村拓哉の胸ポケットに大きい鉛筆とかささってたら面白くないですか。あと、大きい消しゴムとか」って事前に言うから、仕方なく持ってきたのだ。僕は悪くない。
石橋さんと大木さん、あきらかに大きい消しゴムに対して「これどうするかなー」という動揺が見える。
石橋さんと大木さん、あきらかに大きい消しゴムに対して「これどうするかなー」という動揺が見える。
ともかく、再び医局のセットに戻って、文房具をセットさせてもらおう。
放送に備えて、事前に置き場所もキッチリお伝えしておくので、ドラマを観る際にこの辺りが映ったら、ぐっと集中して、映ってるかどうかを確認してもらいたい。

ここに注目、『A LIFE』(文房具編)

さて、まずは我らが沖田先生の部屋である。
沖田先生に使ってもらいたい文房具といえば、例の心臓イラスト用のカラーペンを収納するのに便利なペンケースなんかどうだろう。
この辺が映りやすいかも、という石橋さんの指示を受けて設置。
この辺が映りやすいかも、という石橋さんの指示を受けて設置。
ここ、ここ。机の奥の方に置いてます。沖田先生の部屋のシーンになったら注目。
ここ、ここ。机の奥の方に置いてます。沖田先生の部屋のシーンになったら注目。
ということで、ここにはLIHIT.LAB『SMART FIT スタンドペンケース オーバルタイプ』。やわらかなシリコン製のペンケースで、下の突起を机に押し付けるとペン立てになる、という便利アイテムだ。
楕円形でペンもいっぱい入るので、水性マーカーを多用する沖田先生には最適なはずだ。
もういっこ、ここに置きます!
もういっこ、ここに置きます!
この部屋にはもう一つ仕込んでおこう。なんせ主人公の部屋だし、映る可能性も高いだろう。
悪ふざけ案件で恐縮だが、普通の消しゴムの約20倍のサイズという巨大MONO消しゴムである。

これに関しては、さすがに悪目立ちしすぎて置く場所に困った。
最終的には、石橋さんの「ここなら、分かってる人だけ目につくんじゃないか」との提案で、積んである本の隙間にはさんでおくことに決定。
たぶん、スタッフ側としても妥協ギリギリのところを言ってくれた気がするので、素直に従うことにしよう。
こんな感じで映るかも。映るといいな。
こんな感じで映るかも。映るといいな。
最初に「こんな感じで机の上にどーんと置いても意外とバレないんじゃないですかね」って主張してみたが、「うーん…そこは止めときましょう」って静かに怒られた。
最初に「こんな感じで机の上にどーんと置いても意外とバレないんじゃないですかね」って主張してみたが、「うーん…そこは止めときましょう」って静かに怒られた。
続いては、医局内のセット。
やはりちゃんと映ってくれた方が嬉しいので、画面に映りそうな=最終回のストーリーに絡む可能性の高い先生の机を狙ってみた。
羽村先生が医局で座ってるシーンがあったら、この辺に注目。
羽村先生が医局で座ってるシーンがあったら、この辺に注目。
まずは、及川光博演ずる羽村圭吾先生の机。第一外科部長という偉いさんの役である。
わりと几帳面な印象の羽村先生には、自分でインデックスを作ってページの管理ができる
『アクセスノートブック』のポケットサイズはどうだろう。
全ページにノンブル(ページ番号)がふってあり検索性が高いのも、情報をあれこれ詰め込む必要のあるお医者さん向きかもしれない。
こんな向きで手元が映ったら、アップで見えるかも。グレーの表紙を見逃すな。
こんな向きで手元が映ったら、アップで見えるかも。グレーの表紙を見逃すな。
続いては、そのお隣にいつも座ってる井川颯太先生(松山ケンイチ)のデスク。
ここも映る可能性は高いに違いない。
井川先生の席にはまとめてセット!いっぱい映るといい。
井川先生の席にはまとめてセット!いっぱい映るといい。
まず、ええとこのお坊ちゃんである井川先生には、テープのりもハイスペックなものを持っていてもらいたい。プラス『ノリノプロ』は、不器用な人でもまっすぐテープが貼れるなど、ギミックの効いたプロ用テープのりだ。
最近、僕がメインで使ってるテープのりをゴリ押してみた。電話の近くだぞ!
最近、僕がメインで使ってるテープのりをゴリ押してみた。電話の近くだぞ!
さらに手帳はコクヨ『ジブン手帳』をチョイス。エリート体質の井川先生は、24時間のバーチカルスケジュールでがっつり自己管理が似合いそうだ。あと、2ヶ月のガントチャートで手術の予定を管理してもいいし、「2017年の夢」ページに大好きなオペナースの柴田さんと今後どう付き合いたいか、とか書くといい。
『ジブン手帳』と『スウィングカット』は井川先生のノートPCの横!
『ジブン手帳』と『スウィングカット』は井川先生のノートPCの横!
ただ、白表紙で目立ちにくいかなーと思ったので、目印になりそうなレイメイ藤井『スウィングカット』もセットで置いといた。支点を刃の中心からズラすことで、刃を引きながら切る引き切り効果が得られる…という理屈っぽいギミックが井川先生お好きなんじゃないかと思ったのだ。

まぁ、これだけやれば…と思ったが、最後にもう一つだけ、小道具ではなく持ち道具方面のアプローチもしておきたい。
沖田先生の胸ポケに挿してもらいたいペンを託します。
沖田先生の胸ポケに挿してもらいたいペンを託します。
ドラマの中では、先生方はわりと白衣の胸ポケットに大量のペンを挿している。
そこで、沖田先生の胸にも最新のオススメペンを…ということで、ぺんてるの速乾性ゲルインキペン『エナージェル・フィログラフィ』と、同じくぺんてるの檄細&ハイクオリティシャープ『オレンズネロ0.2』という高級感ある2本をチョイス。
今回対応してくださった宣伝部の川鍋さんに「持ち道具さんにぜひ!」と託してみた。
木村拓哉、使ってくれるといいんだけど。

さぁ、日曜劇場への文房具的アプローチは成功するだろうか。この結果を確認するためにも、ぜひ3月19日(日)21時~ TBS系列日曜劇『A LIFE』をご覧ください。

この原稿書きながら最終回の手前の回を観てるんだけど、おいおいどうなんだこれ。羽村先生は裏切っちゃうし、壮大先生は病院追われちゃうし。深冬先生の手術、結局誰がするんだよ、とか盛り上げすぎだろ。
オススメ文房具の行方と、ドラマの結末。最終回は見逃せないぜ。
これは小道具じゃなくて、ドラマスタッフさんの筆箱。三菱鉛筆『スタイルフィット』が
これは小道具じゃなくて、ドラマスタッフさんの筆箱。三菱鉛筆『スタイルフィット』が

親戚になったつもりで、みんなで文房具を応援しよう。


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