さあ帰ろうというときにはじまるWindowsアップデート。
「この作業を終えたら打ち合わせに移動、しかしWindowsアップデートがあって電源を落とせない…!」
そんなぐあいに急いでるときにかぎって起こるのがWindowsアップデートだ。しかし考えてみれば(一体どうしてこんなときに…!)という思いこそがドラマである。
Windowsアップデートが日常におけるドラマであるならいっそのこと映画化してみた。
動画コーナー・プープーテレビの年始特別企画です
こんな映画です
話はこんな具合である。Windowsアップデートが起こる。なんでこんなときに…ってときに起こる。急いでいるので電源を切る。その繰り返しである。
概ねこんな映画です。医者がやってきて「今、血が足りないので来てください」と
早くしろ早くしろ、でもWindowsアップデートが…
「そんなこと言ってる場合じゃないだろ」気を遣った先輩に電源を落とされます
見たことのない画面になります
もちろんめちゃめちゃあるんですけど、市民の実感としてこう
デイリーポータルZの1分動画コーナー・プープーテレビで毎年1本長いの作ってるんですが、最近は映画祭で賞をもらえるようになりました。したコメ大賞2016のページは
こちら
作り方を公開します
こうして今年も動画コーナーの特別企画が完成した。
今年は前年の反省をふまえ楽にやることにした。撮影日数も減らし、お手伝いに大学生に2人来てもらった。それでも1日撮影に出ると3年老けた。こうして今では48歳である。
もしかしたらこの大変さをのりきるノウハウがだれかにとって有益かもしれない。ちょっとしたアイデアを映画化する方法をご紹介したい。
世界共通のテーマをえらぶ
まずテーマを決める。今年のテーマはWindowsアップデート。デイリーポータルZでもすでにやってみる記事が出ていてこれはいいなと思った。(『
WindowsUpdateの最中に電源を切ったらどうなるのか?』)
今年は海外の映画祭に出したかったので世界共通の話題がよかった。決まりである。
そのあとはみんなでブレストして内容をふくらませる。今回はどういう状況でWindowsアップデートがかかったら嫌か?である。
「どういうときにWindowsアップデートが起こったらいやか」みんなでネタを出す。「宇宙人が出てきて…」「宇宙船の中で…」などの撮影が大変そうなものは聞いてるフリして受け流す
台本を作って必要なものリストを作る
やることがふくらんだら台本を作る。ここまでは机上の作業なので特に大変ではない。時間がかかる(2週間程度)くらいなものだ。
次は必要なものをリストにして一つずつ用意する。ここが大変。出演者、ロケ地、スタッフ、小道具…面倒くさいし交渉ごとになってくる。なので知恵出しする者より道具持ってくる者の方が重宝される。
女優が希望したためお知り合いのブランドsneeuwさんにお借りしました。あいつぜったいしばく…みたいな気分で借りてきます。
音声さんがいない。なのでメーカーからこのDR-10Cっつーのを複数借りてきた。小さいレコーダーなので一人一個ピンマイクつけて録音してしまいます。世の中は便利になった
こうしてようやく衣装をつけた女優にマイクがつくという段階まできます。あとは動画も撮れるデジタル一眼カメラで撮って音と合わせてください。
ちらっと映り込む大学生と笑う演技を練習する。たのしそうですがこの辺笑っていません
知り合いで部屋に壁紙を貼った者がいたので撮影場所に貸してもらった。「隣に赤ちゃんがいるので…」と早々に退散。NG出すなよ…と、赤ちゃん泣くなよ…で現場は緊迫した雰囲気に
撮影の大半を会社でやることにしよう、と大きな会議室をみんなで会社にする。パソコンや傘立てなど運び入れる。植物を置くとオフィス化するという逆説的なことが起こった
なんとなくそれらしくなるものである。感動。お手伝いの大学生とパソコンをたくさん借りてきた藤原浩一のおかげである。これでもう帰りたい
お手伝いに来てくれた大学生が作ってくれた社員証。90歳くらいの名前がならぶ。ちなみにヒロインの女の子の名前は「山内ソダ子」藤原浩一が青森で買った農産物の生産者の名前をそのままつけた。
イケてる会社は壁にふせんを貼るのではないか?というアイデア。だれもイケてる会社というものを知らないので正解がわからない
適当に日本の歴史が書かれている。どんな会社なんだ
俳優と音声さんが来た。デイリーポータルのおもしろ班と小劇場界隈のコメディエンヌたち。一日だけならこういうことができる。
そして編集段階に。音楽を入れたらそれっぽくなる。JASRAC登録されてる曲も本人の許諾が得られればYoutube上などでは使用OKらしい。知り合いのバンド
来来来チームの曲を使わせてもらう
今年のナレーションは仕込みiPhoneなどの
森翔太。無音のとこで録ると雰囲気がちがう。いつものラジオDJの岡田さんに頼む時間がなくなってしまった…
お金をかけると楽になるようだ
一体どうしてこんなにしんどいのかなと考えたらなんでも少人数でやるからである。
インターネット時代に入って一人でなんでもできるようになったが撮影のスピードやクオリティを考えると専門家を複数呼ぶのがやはり良い。
しかしWindowsアップデートを映像化したいという企画でどれだけの予算が組めるのだろうか。
今年もくだらないことに対するがんばりを見せてい
くプープーテレビは5日より毎日1本1分くらいの動画を公開しています。
予約開始は1月14日から。すでにやった東京公演の感想は
こちらです