特集 2016年12月22日

クリスマスが助走をつけて殴りかかってくるイルミネーションバスに乗る

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横浜では、クリスマスの時期にきらびやかに飾り付けをした「イルミネーションバス」というものが走るのをご存じだろうか。

一見普通に見えるバスに乗り込むと、そこにはきらめく電飾にクリスマスの装飾……圧倒的なクリスマス世界が広がっているのだ。私がそのバスをはじめて見かけたのは10年くらい前だったと思うが、改めて見せて頂いたらクオリティも高く進化していた。
生まれも育ちも横浜。大人げない大人を目指し、日夜くだらないことを考えています。ちぷたそ名義でも活動しています。(動画インタビュー

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横浜市西区に本社を置く、市営バスや市営地下鉄を運営する横浜の公営交通事業である横浜市交通局。そんな横浜市交通局では毎年クリスマスの12月25日までの期間中(開始時期は各営業所ごとによる)、「イルミネーションバス」というものが走行しているのだ。
夜の赤レンガ倉庫を走るイルミネーションバス
夜の赤レンガ倉庫を走るイルミネーションバス
この「イルミネーションバス」、もともとは職員発案で広がっていったもので、少なくとも10年くらい続けているものなんだそうだ。はじめて見かけた時は、内側に施されたイルミネーションに驚き、また、割と当時はチープな……といってはなんだが手作り感あふれる装飾だったのを覚えている。本数もめったにないため、思いがけずイルミネーションバスに遭遇できると非常にテンションが上がったものだった。
ちなみに通常の横浜市営バスはこんな感じ
ちなみに通常の横浜市営バスはこんな感じ
イルミネーションバスは営業所ごとに異なる飾り付けをしているのだが、今回2016年のイルミネーションバスの所有数が全営業所の中で一番多く、観光路線で走る「あかいくつバス」での飾り付けを行っている本牧営業所の方でバスを見せてもらうことに。

横浜市交通局本牧営業所

レトロ調のあかいくつバスの前で写真撮影に応じて下さったのは横浜市交通局本牧営業所副所長の足立さん
レトロ調のあかいくつバスの前で写真撮影に応じて下さったのは横浜市交通局本牧営業所副所長の足立さん
あかいくつバスは、みなとみらい21地区、赤レンガ倉庫、山下・中華街地区、元町・港の見える丘公園などの人気の横浜の観光スポットを毎日周遊しているバスだ。本牧営業所では3台のあかいくつバスがイルミネーションバスになっている。憧れのイルミネーションバス、乗せてください!
今回は走行待ちをしている2台のあかいくつバスを見せていただく。
今回は走行待ちをしている2台のあかいくつバスを見せていただく。
憧れのイルミネーションバスがついに目の前に。長年横浜に住んでいるがイルミネーションバスに実際に乗ったことは今まで1回か……もしかしたら2回くらいしか覚えがない。

今年2016年のイルミネーションバスは、全10営業所で16台走行している。全営業所一番イルミネーションバスの本数が多い本牧でもイルミネーションバスはあかいくつの車両の3台のみとなる。確実にイルミネーションバスに乗りたければ各営業所まで問い合わせるのが確実となる。(イルミネーションバス2016プレスリリース

ついに搭乗

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車両のレトロなデザイン自体にインパクトはあるものの、外から見た限りはあまりクリスマス感は感じられない。さて、これが中に入ると。
カラフルな装飾が!
カラフルな装飾が!
わあああ! 浮かれたクリスマス装飾が! リボンにプレゼントにベル。凝縮されたクリスマス空間を楽しむことができる。
レトロなバスの配色とクリスマスの装飾が絶妙にマッチする
レトロなバスの配色とクリスマスの装飾が絶妙にマッチする
かわいい。しかし、これはまだイルミネーションがついていない状態でまだまだ全力を出していない状態。ではイルミネーションを付けていただきましょう。

スィッチ……オン!

イルミネーション、スィッチオン!
イルミネーション、スィッチオン!
イルミネーションが点灯した。青いイルミネーションが一斉に輝きだす。だが、ここはバスだ。
点滅する様子をご覧ください
点滅する様子をご覧ください
チカチカ輝く。だがここはやっぱりバスだ
チカチカ輝く。だがここはやっぱりバスだ
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何じゃこのバス! こんなの……大人でも一瞬にしてクリスマスを待ち望む子どもに戻ってしまう。バスであることを忘れてしまいそうだ。
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これでもか! ってぐらいにクリスマス要素を盛り込んでくる。色彩の暴力。クリスマスが助走をつけて殴りかかってくる。
イルミネーションバスにかかると、ルート案内板もこの通りの浮かれっぷり
イルミネーションバスにかかると、ルート案内板もこの通りの浮かれっぷり
寿司? なんで寿司??
寿司? なんで寿司??
10年ほど前見かけたイルミネーションバスはここまでクオリティは高くなく、もっと手作り感のあふれる装飾だったことを記憶している。装飾が進化、している……!

営業所ごとに飾り付けが異なるイルミネーションバス。本牧営業所では1日がかりで職員さんが飾りつけをおこなったが、近隣の学校と提携して飾り付けをしている営業所もあるそうだ。

別の車両も

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こちらでは2台、イルミネーションバスを見せていただいた。このバスは、先ほどに比べると小さめの車両となる。
もうやだ……かわいいしか言えない……
もうやだ……かわいいしか言えない……
先ほどとは少し異なる装飾がまたかわいらしい。こちらもクリスマスクリスマスしている
つり革にも赤いリボン
つり革にも赤いリボン
見る要素がいっぱいあるので座っても楽しいし、立っていても楽しい。
はーこれは楽しいものですなー
はーこれは楽しいものですなー
すっかりイルミネーションバスに魅了された私は、このままクリスマスが永遠に来ないで、イルミネーションが施されたバスが走り続けたらいいのにと考えていた。

期間内、あかいくつバスに出会えたらイルミネーションバスの可能性があるのでぜひ注目していただきたいのだが、本牧営業所ではもしかしたらイルミネーションバスよりもレアかも? という「あかいくつもどき」のバスも見かけた。

レア車両? な「あかいくつもどきバス」

こちらがあかいくつバスもどき
こちらがあかいくつバスもどき
こういったものがあるのは長年横浜に住んでいたが気が付かなかった。この角度からだと一見、あかいくつバスに見えるが、正面に回ると。
横浜市営バスだ!
横浜市営バスだ!
正面に回ると横浜市営バスの顔をしている。
この角度からだと二つの顔が楽しめる
この角度からだと二つの顔が楽しめる
この角度からが一番わかりやすいだろう。こちらの「あかいくつもどきバス」もあかいくつバスの走る観光路線で使われている。あかいくつバスは内装も外装も特殊で、通常のバスよりも多くの購入費用がかかるため、なかなかすぐに購入というわけにはいかない。そこで、暫定措置としてこうした通常の路線バスの外装をあかいくつに仕立てたものも走っているということなのだ。もしかしたらイルミネーションバスよりもレアなのかもしれない。

終わりに

イルミネーションバスは外からだと後ろがわかりやすいかな(ふわふわ)
イルミネーションバスは外からだと後ろがわかりやすいかな(ふわふわ)
今回憧れのイルミネーションバスに実際に乗ることができてうれしい取材だった。赤レンガ倉庫のバスターミナルに張り込んで実際の夜の走行中のバスの撮影をおこなったが、タイミングが合えば夜の運行中の車両に乗ってみたいものだ。

こうしたイルミネーションバスは横浜以外にもあるのだが、大阪のイルミネーションバスの方が有名だったりする。そして横浜市民でもイルミネーションバスの存在を知らない人がいるので、こうして記事を書くことで興味を持ってもらえるといいなあと思っている。

走行期間が12月25日までと記事掲載日から日がないので恐縮だが、今年見られなかった人も、今後も継続する予定だと嬉しいコメントを頂いたので、来年のさらなる進化に期待して頂きたい。
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