特集 2013年9月19日

ミルクティーで煮た水餃子がうまい

ミルクティーと餃子の意外な組み合わせ。予想外のうまさ。
ミルクティーと餃子の意外な組み合わせ。予想外のうまさ。
水餃子と言えば、塩味や醤油味のスープで煮ているのが普通です。しかし、モンゴルには塩や醤油ではなくミルクティーで煮た水餃子があるそうです。

いったいどんな味なのか。実際にモンゴルの方に作り方を教えてもらい食べてきました。そして、沢山感謝されました。
1972年生まれ。元機械設計屋の工業製造業系ライター。普段は工業、製造業関係、テクノロジー全般の記事を多く書いています。元プロボクサーでウルトラマラソンを走ります。日本酒利き酒師の資格があり、ライター以外に日本酒と発酵食品をメインにした飲み屋も経営しているので、体力実践系、各種料理、日本酒関係の記事も多く書いています。(動画インタビュー

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バンシタイツァイという料理

ミルクティーで煮た水餃子の名前はバンシタイツァイといいます。ミルクティーと言っても砂糖ではなく塩で味付けされていて、ミルク風味のスープ餃子という感じらしい。

と、聞いても全く味が想像できない。現物を食べてみなくては。
店の名前は違うが見覚えのある看板。
店の名前は違うが見覚えのある看板。
やって来たのは新宿歌舞伎町。こちらのモンゴル料理屋の方にバンシタイツァイを実際に食べさせてもらい、作り方を教えてもらいます。
スーホさん、お久しぶりです。
スーホさん、お久しぶりです。
こちらがモンゴル料理店「オッと屋」のスーホさん。以前記事で書いた羊一頭を食べ尽くす宴会が出来る店「チンギス・ハン」が移転して今の場所で「オッと屋」を営んでいます。
内装は大体同じ。以前の店より若干せまくなりテーブルが高くなった。
内装は大体同じ。以前の店より若干せまくなりテーブルが高くなった。
実はスーホさん、9月末にこの店を閉めて日本を離れてしまうそうです。いったいなぜ?理由を聞いてみました。
前回の羊一頭食べ尽くす宴会の様子。楽しい宴会だった。
前回の羊一頭食べ尽くす宴会の様子。楽しい宴会だった。
馬場「とつぜん店を閉めてなぜ日本を離れるのですか?何か問題でも?」
スーホ「いや、前から夢だった世界一周の旅に出るヨ!」

えっ?旅行の為の閉店?
この羊を50人で食べ尽くした。うまかった。またやりたかった。
この羊を50人で食べ尽くした。うまかった。またやりたかった。
馬場「世界一周旅行?どのぐらい行っているのですか?」
スーホ「1年か2年か。決めてないネ!」

子供の頃は草原の遊牧民として生活していたスーホさん。旅をすることが大好きで、昔から世界一周旅行に憧れていたそうです。その夢がいよいよ現実の物となるらしい。そいつは羨ましいぞ!
うらやましー!宴会の最中のモンゴル相撲は楽しかったね。
うらやましー!宴会の最中のモンゴル相撲は楽しかったね。
馬場「日本に帰ってきてまた店をやるのですか?」
スーホ「東京でオリンピックやるの決まったから、その前には東京に戻って会場の近くにまたお店だして見に行きたいネ!」

世界も見たいがそれも見たいのか。とりあえず、日本を完全に離れてしまうわけではないようです。また数年後にはスーホさんの歌声と共に羊一頭宴会が出来るでしょう。

宴会の申し込みは4、5倍に上がる

羊一頭宴会の記事の反響を聞いてみました。
記事をプリントアウトしたものが店に貼ってありました。
記事をプリントアウトしたものが店に貼ってありました。
馬場「羊一頭宴会の記事が掲載された後に何か変わりました?」
スーホ「凄い沢山羊一頭宴会の予約が来たヨ!馬場さんには凄く感謝している!」

記事が掲載される前は、羊1頭食べ尽くす宴会は月に1回有るか無いか。大体同じ人がリピートで利用してくれていたそうです。しかし、記事が掲載されると毎週のように予約が入ったそうです。お役に立ててよかった。
プリントアウトされた記事は大草原内に貼られています。トイレです。モンゴルだとそう言うのか。
プリントアウトされた記事は大草原内に貼られています。トイレです。モンゴルだとそう言うのか。
スーホ「新しい人が宴会をしてくれると、その宴会に来ていた別の人が私もということで宴会をしてくれてどんどん広がっていった。この記事を見て予約したんですと言って記事のコピーを持ってきてくれた人もいたヨ!」

自分たちが飲んで騒いで楽しんだ様子を伝えただけの記事がそれほどまでに役に立てたとは。しかし、あの記事が掲載されたのが2011年の2月末。掲載直後は色々あったようです。その辺りの話も聞けました。

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一度キャンセルした人がまた来てくれた

記事が掲載された直後、一気に沢山の予約が入ったそうです。しかし、3月11日以降、全てキャンセルとなりお客様も全然来なくなってしまいます。
そういう時期だったよね。
そういう時期だったよね。
そんな状況で、スーホさんは大久保にあった店の契約も打ち切り一度は店を閉める事を決めました。ところが、キャンセルをしたお客様から、宴会の予約をもう一度入れたいので店を辞めないで欲しいとの連絡があったそうです。
あの頃から変わらず今も鬼ですね。ライターさくらいさん。
あの頃から変わらず今も鬼ですね。ライターさくらいさん
わざわざ店まで来てくれて、店を辞めないで欲しいとお願いする人もいたのだとか。そんな声に押され、スーホさんは店を続けることを決め、今の場所に店を移して店を再開しました。
あの宴会の時は凄い勢いで飲んでいたよね、ライターさくらいさん。
あの宴会の時は凄い勢いで飲んでいたよね、ライターさくらいさん。
今では客足も戻り、羊一頭宴会も毎週のように予約が入る盛況ぶり。そして、いきなり長期休業による世界一周旅行。
あの宴会の時は「なんでこんなことにー!」と絶叫しながら倒れていたよね、ライターさくらいさん。(矢印付近)
あの宴会の時は「なんでこんなことにー!」と絶叫しながら倒れていたよね、ライターさくらいさん。(矢印付近)
遊牧民、行動が色々突然すぎる。しかし、今回の突然は自分の夢をかなえる為。日本に戻ってきたら、世界中で見てきたことを聞かせてもらいながら飲める店がまた開かれる事を願います。
漫画家やアニメ関係の方も沢山来てくれたとメニューに描かれていたこんな絵も見せてくれた。ほほう。
漫画家やアニメ関係の方も沢山来てくれたとメニューに描かれていたこんな絵も見せてくれた。ほほう。

バンシタイツァイを食べさせてもらう

話がかなりそれました。ミルクティーで煮た水餃子「バンシタイツァイ」のに戻ります。
バンシタイツァイ。通常メニューにはなく、モンゴルの人が来たときだけ頼まれて作っていたらしい。日本人には初めて出すと言われた。大丈夫か?
バンシタイツァイ。通常メニューにはなく、モンゴルの人が来たときだけ頼まれて作っていたらしい。日本人には初めて出すと言われた。大丈夫か?
こちらが作っていただいたバンシタイツァイ。通常のメニューには無く、お願いして作ってもらっています。
生地は水から練って薄目に。あまり厚いと硬くなるらしい。
生地は水から練って薄目に。あまり厚いと硬くなるらしい。
食べてみると、確かにお茶の渋みや香りを感じますがあまり気になりません。使っていると言われなければ分からない程度。ミルクティーというよりか、サラサラのクリームシチューという感じです。

味の基本は塩味で、そこに肉や脂の旨味が入っている。これはうまい。体が温まりそうな味です。
こちらはホーショール。揚げ餃子のような料理。こちらも作り方のコツを教わる。生地はお湯で練り2度揚げするといい。
こちらはホーショール。揚げ餃子のような料理。こちらも作り方のコツを教わる。生地はお湯で練り2度揚げするといい。
使う材料は牛肉か羊肉。そこに塩やコショウ、タマネギが入り、水で練った小麦の生地で包みます。スープは紅茶と牛乳と塩。

これだけでこんな味になるとは驚きです。
こちらは小麦の生地にチーズを挟んで薄く焼いた物。これはモンゴル料理ではなくスーホさんオリジナルとのこと。これも作り方を教わる。
こちらは小麦の生地にチーズを挟んで薄く焼いた物。これはモンゴル料理ではなくスーホさんオリジナルとのこと。これも作り方を教わる。
スーホさんの話では紅茶はどの紅茶でもいいということでしたが、店ではモンゴルのハラ茶という物を使っていたようです。渋みは穏やかだが、焦げたような独特のクセのある発酵茶でした。
チャンサンマハ。羊肉の塩茹で。羊肉はうまいね。
チャンサンマハ。羊肉の塩茹で。羊肉はうまいね。
モンゴルでは紅茶は飲む物としてだけではなく、幅広く料理にも使われるそうです。日本でもお茶でご飯を炊いたりすることはあります。しかし、ここまで積極的に使われることはないだろうか。
スーホさん、行ってらっしゃい!
スーホさん、行ってらっしゃい!
バンシタイツァイ、実にうまかった。スーホさん、ありがとうございます。

早速家に帰って作ってみます。
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バンシタイツァイを家で作る

それでは作り方を教わったバンシタイツァイを家で作ってみます。
材料は小麦、羊肉、プーアール茶、牛乳、タマネギ、塩コショウ、水。
材料は小麦、羊肉、プーアール茶、牛乳、タマネギ、塩コショウ、水。
材料は以下の物を用意しました。
餃子生地
小麦粉 200g
水 約100ml

餃子具材
羊肉 200g
タマネギ 100g
塩コショウ 小サジ1/2程度

ミルクティー
プーアール茶 600ml
牛乳 400ml
塩 小サジ2程度
羊肉はジンギスカン用に売られていた薄切りの物。調べてみると、ハラ茶はプーアール茶に近い物らしいので、ミルクティーはプーアール茶を使います。
水は何回かに分けて少しずつ混ぜていく。
水は何回かに分けて少しずつ混ぜていく。
まず小麦粉に水を入れて練って餃子生地を作ります。
ジップロックなどでもいいです。
ジップロックなどでもいいです。
練った記事は3、40分ぐらいラップに包んで室温に置いて落ち着けます。この間に具材を作ります。
せっかくなのでモンゴルの岩塩使いました。
せっかくなのでモンゴルの岩塩使いました。
具材はミンチにした羊肉にみじん切りのタマネギを入れ、塩コショウで味付けをして良く混ぜます。肉は牛肉でもよく、味付けは塩だけでもいいそうです。
市販の餃子の皮よりか少しだけ厚く。モチモチとした食感が楽しめる。
市販の餃子の皮よりか少しだけ厚く。モチモチとした食感が楽しめる。
続いて生地を小さく切り分けて薄く伸ばします。生地に具材を適量包み、通常の餃子の様に口を閉じて餃子部分は完成。これをミルクティーで煮ます。
最初に牛乳を入れると泡立ってしまい大変。仕上げに入れてひと煮立ち。
最初に牛乳を入れると泡立ってしまい大変。仕上げに入れてひと煮立ち。
まずプーアール茶と塩を鍋にいれ、作った餃子を煮ます。10分ほど煮て餃子に火が通ったら牛乳を入れます。煮立ったら出来上がりです。
家で作ったバンシタイツァイ。お茶の種類が違うからなのか、店で食べた物よりクセが少ない。
家で作ったバンシタイツァイ。お茶の種類が違うからなのか、店で食べた物よりクセが少ない。
早速食べてみましょう。
店で食べさせてもらったものよりマイルドだな。これはこれでうまいぞ!
店で食べさせてもらったものよりマイルドだな。これはこれでうまいぞ!
家で作ったバンシタイツァイは店で食べた物よりも香りやクセが少なく、かなりマイルドな味でした。使っているお茶がプーアール茶だからかもしれません。

味はコクのあるクリームシチュー。サラサラなのでクリームスープと言った方がいいか。涼しくなってくるこれからの季節に丁度よいでしょう。実にうまいです。また作ろう。
モンゴル料理なので馬乳酒と思ったが無かったのでワインで。ワインによく合う味でした。
モンゴル料理なので馬乳酒と思ったが無かったのでワインで。ワインによく合う味でした。

具材を変えてもいいかも

バンシタイツァイは実に美味しかったです。餃子の部分を作るのが若干面倒なので、市販の餃子で代用してもいいかもしれません。また、餃子ではなく、肉の塊など違う具材でも美味しく食べられそうな味でした。

今回は以前書いた記事の反響を直接お店の方に聞けたのも新鮮でした。記事が役に立っていて嬉しかったです。スーホさんが数年経ってまた日本で店をやる時には是非行きたい。

その時には世界の話を色々聞かせてください。行ってらっしゃい。
店から帰る時にスーホさんからモンゴル岩塩を5kgほどいただいてしまった。この塩どう使い切ろう。
店から帰る時にスーホさんからモンゴル岩塩を5kgほどいただいてしまった。この塩どう使い切ろう。

日本酒のイベント開催します。

神社で日本酒を飲むイベントを企画しました。開催は10月6日。場所は板橋区のときわ台の天祖神社内です。詳細は以下のFacebookページを参照してください。
チケット残りわずかです。経営している店や協力店、ネット申し込みでの郵送での販売をしています。

初心者にもやさしい、気軽に参加できる、酒蔵と地元飲食店等との協力による地域密着型の日本酒イベントです。お気軽にご参加ください。

「ときわ台 天祖神社 酒まつり」
Facebookページ
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【出展蔵】
岩手県 菊の司酒造 「菊の司/七福神」
秋田県 阿櫻酒造 「阿櫻」
茨城県 森島酒造 「大観」
群馬県 龍神酒造 「尾瀬の雪どけ/龍神」
埼玉県 麻原酒造 「琵琶のささ浪/武蔵野」
新潟県 青木酒造 「鶴齢」
新潟県 新潟第一酒造「山間・越の白鳥」
滋賀県 上原酒造 「不老泉」
兵庫県 本田商店 「龍力」
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