クリスマス戦略に自ら引っかかりに行く
クリスマスに関係ないけど便乗して売ってやろう、そんな下心が見え見えだけど、なんだか心惹かれてしまうクリスマスサラミ。私みたいな客がいるから成り立つ商売なのかもしれない。
これからもクリスマスサラミを見つけたらついつい買ってしまうと思う。
ドイツのクリスマスといえばクリスマスマーケット、ホットワイン、シュトレンなど、伝統的なイメージがある。
だが同時に、そんなロマンチックなクリスマスの雰囲気をぶち壊す、ゆかいな商品が存在する。
それが、クリスマスサラミだ。
私が住むドイツは、現在クリスマスシーズン真っ只中である。
ドイツの家庭ではキャンドルに火を灯したり、クッキーを焼いたり、クリスマスマーケットでホットワインを飲んだりと、ほっこり温かい気持ちになるシーズンだ。
しかしドイツには、そんな清らかなクリスマスムードをぶっ飛ばす、最高にゆかいなクリスマスアイテムがある。
それが、クリスマスサラミだ。
そう、ドイツではクリスマスシーズンになると、クリスマス仕様のサラミが売り出されるのだ。
別にサラミとクリスマスは特に関係はないのだが、なんて言ったってドイツはソーセージ大国。肉屋がクリスマス商戦に負けぬよう考え出した商品なのだろう。多分。
とにかくクリスマスシーズンになると、サンタや雪だるまなどのデザインのサラミが売られるようになるのだ。
キャンディケーン型のサラミ。欲しかったけど、ベルリンでは見つからなかった。
さて、このクリスマスサラミだが、中身はごく普通のサラミである。
別にクリスマス限定のサラミなわけではなく、クリスマスっぽい包み以外にはクリスマス要素は特にない。
肉屋の SNS を見ると「チョコレートの代わりにサラミはいかが?」と言うように、ちょっとしたプレゼントなどにクリスマスサラミがおすすめされている。
せっかくなので、クリスマスサラミを誰かにプレゼントしてみよう。
いつか、スーパーで見かけたことのあるクリスマスサラミ。簡単に見つかるだろうと高を括っていたが、スーパーをはしごしまくっても見つからない。
クリスマスサラミは廃れてしまったのか。それともそもそも幻だったのか。藁にもすがる気持ちで街中の大型スーパーに足を運んでみると
雪だるまと、雪景色のパッケージのクリスマスサラミが売っていた。幻じゃなかった。
そして量り売りコーナーに行ってみると
さらにはこんなクリスマスサラミも。
なんだか見覚えがあるなと思ったら、そういえばイースターにも似たようなサラミが売っていたのを思い出した。
ドイツでは、イースターでもクリスマスでも関係なく、無理に理由をこじつけてサラミを売る文化があるようだ。
ついでに、自家製クリスマスサラミを売っている肉屋さんがあるという情報を聞きつけたので、そっちの方にも行ってきた。
もしかしたら本場の肉屋のクリスマスサラミはなにか特別な工夫があるのか聞いてみたが、
やっぱり普通のサラミだそうだ。
でも肉屋のサラミなら確実においしいだろう。買ってみよう。
スーパーや肉屋をはしごして手に入れたクリスマスサラミを、早速誰かにプレゼントしてみよう。
ちょうどいつもお世話になっている友人に会う機会があったので、感謝の気持ちを込めてサラミをあげることにした。
二人とも少し戸惑っていたが、なんだか嬉しそうだ。喜んでもらえたようで私も嬉しい。
クリスマスサラミは、ちょっとしたプレゼントにピッタリのアイテムなのだ。多分。
クリスマスに関係ないけど便乗して売ってやろう、そんな下心が見え見えだけど、なんだか心惹かれてしまうクリスマスサラミ。私みたいな客がいるから成り立つ商売なのかもしれない。
これからもクリスマスサラミを見つけたらついつい買ってしまうと思う。
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