短い記事 2022年4月13日

ドイツのかわいくないイースターバニーが好きだ

ドイツのイースターと言えば、ウサギ型のチョコ。

職場の人にプレゼントしたり、家族や子供にあげたりするものなのだが、このシーズンになるとありとあらゆるウサギチョコが店頭に出回る。

ウサギチョコは全部かわいいものだと思っていたが、よく観察してみると全然かわいくなかったり、ちょっとクセになる顔のウサギなどもいたので、まるっとご紹介したい。

1986年東京生まれ。ベルリン在住のイラストレーター兼日英翻訳者。サウジアラビアに住んでいたことがある。好きなものは米と言語。

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日本でもイベントとして定着してきた、復活祭ことイースター。

ドイツではエッグハント(庭や家の中に隠された卵や卵形のチョコを子供たちが探す遊び)をしたり、卵に色をつけたり、家庭によって色々な過ごし方がある。

自分で卵を染めるのが面倒な人は、色付けしてあるゆで卵を買うこともできる。
(以降の写真はベルリン市内のお店でお願いして撮影させてもらいました)

そして卵と同じくらいイースターに欠かせないのが、ウサギの形をしたチョコレートだ。

中身は普通のチョコレートで、パッケージにウサギの顔などが描かれている。

欧州のチョコレート業界にとってイースターは、クリスマスに次ぐ書き入れ時である。スーパーにはイースターの数週間前から沢山のウサギたちが並び、次々と買われていく。 

普通のスーパーでも立派な品揃えだが
業務用スーパーのチョコ売り場は半端なかった。目がチカチカするほどのウサギの群れ。

毎年目にしていながらもじっくり観察したことがなかったウサギたちだが、よくよく見てみると本当に色んなタイプの顔や形があることが分かったので紹介したい。

上品な顔立ちの箱座りバニー

ドイツのイースターチョコで最もメジャーなものと言えば、チョコレート大国スイスの大手メーカー「リンツ」のうさぎチョコである。

金色のボディと赤いリボンは1970年代から変わらぬデザイン。

品の良い顔立ちとしなやかなフォルム。やっぱり一番人気なのか、どこの店でも最も大量に置かれている気がする。

最近はヒョウ柄やシマウマ柄のウサギも出てきた。ウサギにヒョウ柄って不自然なはずなのに欲しくなってしまう不思議。

前足を折りたたんだ上品な「箱座り」タイプは他のチョコレートメーカーでもよく見られる。

例えば、こちらの白いウサギもちょこんと箱座りしている。

顔のパーツが小さくてかわいい。赤いリボンもリンツのウサギに似ている。
こちらは人気チョコレートメーカー「フェレロ」のウサギ。箱座りではないが、顔つきと色合いがリンツっぽい。
こちらは普段モーツァルトボンボンを作っているメーカーのウサギ。モーツァルトの格好をしているのがかわいい。

このタイプのウサギの共通点を集めてみると、こんな感じになった。

type 1.2.jpg

子供受けしそうなポップなウサギたち

次によく見るタイプは子供向けと思われる、色鮮やかでポップなウサギたちだ。

ドイツで子供に人気な「キンダー」ブランドのウサギ。マンガっぽいキラキラ目がかわいい。表情を出すために眉毛も描かれている。
チョコの中におもちゃが入っているタイプ。同じくデカ目・出っ歯でマンガっぽい顔。
人気チョコレートブランドの「ミルカ」のウサギ。こちらも大きな目、出っ歯、眉毛という要素が揃っている。
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中にはサングラスをかけているワルそうなウサギも。
こちらはデフォルメされすぎてウサギっぽさが消えかかっている。
横を向いたタイプのウサギ。このネズミっぽい顔もかわいい。

このタイプのウサギの特徴をまとめるとこんな感じだ。

ちょっと不気味な直立ウサギ

その他によく目にするのは、一見メルヘンだけど結構クセの強いウサギたちだ。

先ほどのタイプとは違い、人間のように服を着て立っているウサギたち。まつげもバッサバサだ。何となく知り合いの顔に似てる気がしてドキッとした。
こちらも古風な服を着ている。心なしか目の焦点が合っていないような……
こちらは絵のタッチが全く違ってまた面白い。一見メルヘンチックだけど、手にはウサギチョコが。共食いキャラっぽい!
パッと見かわいい要素が多いのだが、何かを企んでいるようにしか見えない表情だ。
イースターが楽しみすぎて目がイッちゃってる。

この直立瞳孔パッチリタイプには、このような共通点があった。 

もしかしたら服を着た直立タイプのウサギにはモデルとなるイースターバニーが存在するのかもしれないが、どうやったらこんな顔を描けるのか。ウサギってどう描いてもかわいくなるものだと思っていたから、不思議だ。

自分では頑張っても思いつかない顔なので、逆に新鮮でもある。

そしてこのタイプで一番強烈だったのがこちら。

先ほどのウサギ達と同じく、古風な服を着た、目を思いっきり見開いた出っ歯ウサギ。

足元にある卵のありかを秘密にしたいのか、人差し指を立てている。お菓子をくれても絶対ついて行っちゃいけないタイプの人(ウサギ)だ。

でも実はこれ、チョコレートではなくサラミだった。「サラミをあげるからボク達についておいで……」

ねずみ男ならぬウサギ男

そしてもう一つ、サラミウサギに匹敵するぐらいホラーなウサギをご紹介したい。

ウサギ……ちゃん?

作っているのは北ドイツのマジパンの老舗「ニーダーエッガー」社。由緒あるお菓子メーカーで、イースター商品も数多く出している。

他の商品はこんなにかわいいのに
IMG_7247.JPG
何をどうしたらこうなるんだ。

出っ歯のインパクトといい、眉毛の濃さといい、全てが異様だ。顔の部分だけ色が違うのも、ねずみ男っぽさがあって面白い。

でもこの顔がツボで毎年買ってます。好き。

ハッピーイースター

ウサギはかわいい動物だとずっと信じて生きてきたが、表現のしようによってはおぞましいものになることが、ドイツのイースターチョコを見ていて分かった。

最初は戸惑ったが、そのギャップが逆に新鮮で、たまらなくクセになることも分かった。

こういうアクの強い絵をもっと描きたくなってきたぞ! 

塗り絵を作ったので、良かったら印刷してみてください。

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