ハッピーイースター
ウサギはかわいい動物だとずっと信じて生きてきたが、表現のしようによってはおぞましいものになることが、ドイツのイースターチョコを見ていて分かった。
最初は戸惑ったが、そのギャップが逆に新鮮で、たまらなくクセになることも分かった。
こういうアクの強い絵をもっと描きたくなってきたぞ!
ドイツのイースターと言えば、ウサギ型のチョコ。
職場の人にプレゼントしたり、家族や子供にあげたりするものなのだが、このシーズンになるとありとあらゆるウサギチョコが店頭に出回る。
ウサギチョコは全部かわいいものだと思っていたが、よく観察してみると全然かわいくなかったり、ちょっとクセになる顔のウサギなどもいたので、まるっとご紹介したい。
日本でもイベントとして定着してきた、復活祭ことイースター。
ドイツではエッグハント(庭や家の中に隠された卵や卵形のチョコを子供たちが探す遊び)をしたり、卵に色をつけたり、家庭によって色々な過ごし方がある。
そして卵と同じくらいイースターに欠かせないのが、ウサギの形をしたチョコレートだ。
欧州のチョコレート業界にとってイースターは、クリスマスに次ぐ書き入れ時である。スーパーにはイースターの数週間前から沢山のウサギたちが並び、次々と買われていく。
毎年目にしていながらもじっくり観察したことがなかったウサギたちだが、よくよく見てみると本当に色んなタイプの顔や形があることが分かったので紹介したい。
ドイツのイースターチョコで最もメジャーなものと言えば、チョコレート大国スイスの大手メーカー「リンツ」のうさぎチョコである。
品の良い顔立ちとしなやかなフォルム。やっぱり一番人気なのか、どこの店でも最も大量に置かれている気がする。
前足を折りたたんだ上品な「箱座り」タイプは他のチョコレートメーカーでもよく見られる。
例えば、こちらの白いウサギもちょこんと箱座りしている。
このタイプのウサギの共通点を集めてみると、こんな感じになった。
次によく見るタイプは子供向けと思われる、色鮮やかでポップなウサギたちだ。
このタイプのウサギの特徴をまとめるとこんな感じだ。
その他によく目にするのは、一見メルヘンだけど結構クセの強いウサギたちだ。
この直立瞳孔パッチリタイプには、このような共通点があった。
もしかしたら服を着た直立タイプのウサギにはモデルとなるイースターバニーが存在するのかもしれないが、どうやったらこんな顔を描けるのか。ウサギってどう描いてもかわいくなるものだと思っていたから、不思議だ。
自分では頑張っても思いつかない顔なので、逆に新鮮でもある。
そしてこのタイプで一番強烈だったのがこちら。
足元にある卵のありかを秘密にしたいのか、人差し指を立てている。お菓子をくれても絶対ついて行っちゃいけないタイプの人(ウサギ)だ。
そしてもう一つ、サラミウサギに匹敵するぐらいホラーなウサギをご紹介したい。
作っているのは北ドイツのマジパンの老舗「ニーダーエッガー」社。由緒あるお菓子メーカーで、イースター商品も数多く出している。
出っ歯のインパクトといい、眉毛の濃さといい、全てが異様だ。顔の部分だけ色が違うのも、ねずみ男っぽさがあって面白い。
ウサギはかわいい動物だとずっと信じて生きてきたが、表現のしようによってはおぞましいものになることが、ドイツのイースターチョコを見ていて分かった。
最初は戸惑ったが、そのギャップが逆に新鮮で、たまらなくクセになることも分かった。
こういうアクの強い絵をもっと描きたくなってきたぞ!
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