3日目:電車にて
私は特に資格などを持っていない。だから俺は手柄が欲しいんだ。たとえ百年生きようと千年生きようと、手に入らねぇぐらいの手柄がな(フレイザードが似たようなことを言っていました)。そのためにダイの大冒険を見ているのだ。ダイ検で全問正解してWeb認定証が欲しいのだ。
受験勉強は自宅だけとは限らない。図書館ですることもあれば、カフェですることもあるだろう。移動中の電車ですることもある。時間が空けばひたすらにダイの大冒険を見る。過去の栄光はいらねぇのだ。新たな勝利を掴むために、命をかけるのだ。その前に私には過去の栄光がまだないけど。
ダイの大冒険は登場人物が毎回カッコいい。物語の中で「俺の部下になれ、世界の半分をくれてやるぞ」と敵である魔軍司令が勇者に言い、勇者はそれを断るシーンがあるのだが、私にはたぶんできない。マジっすか、とありがたくいただいてしまうだろう。
こういうセリフひとつからも、勇者とは何かを学ぶことができる。素直に半分もらっちゃダメなのだ。
4日目:自宅にて
アバンの使徒というものがいる。勇者アバンから教えられたものだ。ダイもそうだし、ポップやマァムなどがそれに当たるのだが、勉強が進むにつれ(ずっとアニメ見てます)、私もアバンの使徒な気がしてきた。ダイの精神を学ぶことで、ダイの使徒になった気がしてくる。
ところで、ここにきてダイの大冒険を見ながらあることに気がついた。これは何かの伏線なのではないか、というレベルの大発見である。
それはここまでの記事で私が描いた絵を見るとわかるように、数字が絡むとなぜかそれが「4」なのだ。たとえばハドラーのトゲトゲは4つ。
アバンのクルクルも4つなのだ。そう思いながら見ているとクロコダインのトゲトゲも4つだった。ザボエラも4つ。これは「4」に何かすごい意味があるのかもしれない、と興奮した。
これは検定に出るかもしれない。ただ物語を見ていくと「フレイザード」が出てきてトゲトゲだらけだった。私の気がついたことは何の意味もないとわかった。
検定に「この人のトゲは何本?」みたいな問題が出たら答えることができると思う。物語が進むと4つだったトゲが増えたり減ったりするので難しいのだけれど。
5日目:レフトショルダーの間にて
メモを取りつつ、寝ても覚めてもアニメを見ているとさすがに疲れてくる。
しかし私は逃げない。逃亡は敗北と同じ。戦うのじゃ、最後の最後まで希望を捨てずに、神は逃げ出したものに奇跡を与えたりはしないのじゃ(ロモス国王が言っていました)。
本来、私は勉強ができるタイプではない。掛け算を覚えるのも難儀したくらいだ。しかし、勇者になりたいのだ。いまこそ人生大逆転、検定で満点を取りたい。天空に散らばるあまたの精霊たちよ、我が声に耳を傾けたまえ(ラナリオンという魔法の呪文的なやつ)。
ちらりと耳にはさんだ情報によると、編集部・安藤さんもダイ検を受けるそうだ。じゃ、一緒に勉強しましょう!と思ったけれど、彼は一夜漬けで受けると言っていた。
たぶん安藤さんは散々な結果に傷つくだろう。私は言いたい。強い奴が生きて、弱い奴は死ぬんだよ、傷つくのが嫌なら戦場に出てくるじゃねぇ(フレイザードのセリフより)、と。