特集 2020年9月23日

農機具小屋収集家にその魅力を聞いたら「自分で工夫すること」の大切さに気付かされた

魅力的な農機具小屋の画像がたくさん出てきます

農機具小屋。農作業で使う道具の保管場所のほか休憩スペースなどとして使われ、効率よく農作業を行うために畑や田んぼの傍らに建てられた小屋のことだ。

都会で暮らしているとそうそう目にする機会もないので正直これまで気にかけたことすらなかったが、そんな農機具小屋を収集して本まで出してしまった人がいるという。

いち路上観察好きとして、農機具小屋にどんな面白さ、魅力があるのかとても気になる。居ても立っても居られず農機具小屋収集家にその面白さを聞いてきた。

1992年東京生まれ。普段は商品についてくるオマケとかを考えている会社員。好きな食べ物はちくわです。最近子どもが生まれたので「人間ってすごい」と本気で感じています。(動画インタビュー)

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作り手の欲望をダイレクトに感じる

話を聞いたのは農機具小屋収集家で、『小屋の本』という本まで出してしまった辰巳雄基さんと、同著で専門家の目線から小屋を分析する建築ユニットの安川雄基さんと冨吉美穂さん。

京都に住む辰巳さんは毎週末、電車で20分ほどの亀岡市に出かけていって農機具小屋収集にいそしんでいるという。

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ご夫婦で建築ユニットの安川さんと冨吉さん(右上)、辰巳さん(右下)、編集部からは安藤さん(左上)、筆者(左下)というメンツでお送りします。

辰巳さんは農機具小屋以外にも色々集められていて、以前記事にした箸袋趣味の会にも所属しているほか、海辺に流れてきた漂流物や川で薄くなった石、無造作に切られた街路樹の写真なども収集している。全部見たい。

 

今泉:さっそくなんですが、農機具小屋を集めようと思ったきっかけは何ですか?

辰巳:京都駅から亀岡に向かうと、どんどん山奥に入って電波もなくなって、「どこにいくんや…」という不安な気持ちになるのですが、トンネルを抜けると一気に田んぼが広がってすごい遠くに来たような気持ちになるんです。

そんな気持ちで車内から田んぼを見ていると家ではない「小屋」がポツポツとあるのが妙に気になって、「あそこに行ってみたいな…!」とずっと思っていました。

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畑にポツンと建つ農機具小屋。確かにこれは興味をそそられる。(この画像含め、以後の写真は全て辰巳さん提供)

辰巳:あるとき亀岡の街歩きをする機会があって、その時に電車から見えていた小屋を見てみたり、そこから見える別の小屋まで行ってみたり、ちょっとしたRPGみたいな感覚で小屋を巡ったらすごく面白くて。

そして近づいて見てみるとそれぞれにすごいクセがあって、使い勝手の良さを日々研究しているんだろうなと思い出したらもう興味が止まらなくなって、毎週時間を作っては農機具小屋を見に行っています。

安川:僕らは辰巳くんが本格的に農機具小屋を見て回り始めた頃に声をかけてもらいました。だから農機具小屋の面白さは辰巳くんから教えてもらった感じです。

もともと農機具小屋が好きだと言っていたわけではないんですが、例えば洗濯機が普及し始めた頃、それまではどの家も風呂場で洗濯していて洗濯機置き場がなかったので洗濯機を置くために勝手にベランダを作るというのが頻繁に行われていて、そんな風に明らかに後付けで勝手にスペースを作っちゃった建物が好きでよく見ていました。

そういう欲しい場所を自分で作って手に入れることの根性とか創作意欲が好きなので農機具小屋は自分の興味にドンピシャで、逆に農機具小屋のおかげで視野が広がった部分はかなりあります。

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どんどん機能が足されていく、それが農機具小屋

今泉:農機具小屋って自分勝手にやるというのが凝縮された空間ですもんね。

辰巳:農機具小屋を見始めて分かったんですけど、農家さんは畑をめちゃくちゃ見に行かなくちゃいけないんですよ。下手したら、家にいる時間よりも長くいなくちゃいけない。

いる時間が長いから、だんだん必要なものが増えてくるんです。農作業に水がいるからと水溜めができ、ここに日影があれば一服できるなぁ…と庇と椅子ができ、という感じでだんだんと畑の中に居場所ができていくんです。次第に小屋に生活が寄っていく。

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農機具小屋は機能が凝縮された空間なのだ

安藤:先に機能があってそこからモノができていくって面白いですね。デザインとかじゃなくて機能を充実させていった結果が小屋になったということですもんね。

安川:欲にたいして真面目に、本当にほしくて作っているという。

今泉:欲望がもろに出ているって感じですね。

冨吉:増設を重ねているので全体のデザインとしてはどうなの?というものが多いのですが、それぞれのパーツを見ていくと、あぁこれが必要だったんだなというのが分かって、一個一個のものに手垢が見えてくるのがすごく面白いです。

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これなんかは使用者にとってすごく使い勝手がいいんだろうなというのが伝わってくる

安藤:じゃあ使っている人にとってはものすごく居心地が良いんじゃないですか?もはや身体の一部というか。

安川:そうだと思います。前からよく、家建てる時は絶対に住む人が柱建てるのを手伝ったほうがいいと言っていて。実際に建築に参加するのは難しいこともあると思うんですが、例えばお父さんだけでも柱1本立てるのを手伝うだけで「俺が建てた家」になると。

安藤:自分事になるんだ!

安川:「人が建てた家」より「俺が建てた家」の方が絶対大切にするんですよ。その意味で農機具小屋は「俺が建てた」が詰まっている。作業の効率化や居心地をよくするために自分の知恵と工夫を凝らしてそこにあるものでなるべくお金をかけずに作るというのは、もうクリエイティブそのものですよね。

今泉:自分の家より愛着湧きそうですね。

安川:もう家みたいになっちゃってるのありました。

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家みたいになっちゃってる小屋。横に塀が残っていてこれはもとが何かしらの建築物だった可能性が高いらしい。

安藤:「家みたい」となると、法律的に畑のよこに建築物建てちゃうのってアリなんですか?

安川:かなりグレー、アウトも多いです(笑)。とはいえ役所も目をつぶっているという感じですね。

辰巳:アウトだから本に載せないでくれという小屋がいくつかありました(笑)

安藤:アウトとセーフの線引きってなんですか?

安川:建築確認申請を出しているかどうかですね。10平米を超えたら建てる際に建築士が行政に法律を守っていることを届け出る必要があります。10平米未満でももちろん法律は守らないといけないのですが。

安藤:なるほど…未公開の小屋が気になります!

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これは2階建てと思われる小屋。ここまでくるとアウトかセーフかは置いておいてとりあえず拍手を送りたくなる。

機能性最優先だからこそ作り手の欲が全面に出るのが農機具小屋なのだ。誰かに見せるために作られるものではないので、ただただ自分の使い勝手を追求して作られる。だからこそどれも個性的な小屋に仕上がるのだ。

ただ面白いのが、道路など人目に触れる機会が多い小屋には微妙に美意識が表れるという。

辰巳:山奥の誰も入ってこないような場所にある小屋は「自由」という感じのものが多くて、これみたいに。

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発電機やCDコンポまで備え付けられた究極の自分空間

安藤:スピーカーついちゃってるな。放送できる。

辰巳:でも道沿いにある小屋はどこか凛とした佇まいのものが多いんです。すごく日本人的だと思うんですが、意外に世間の目を意識した小屋が多かったです。

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道路からもみえる美しいこの小屋に辰巳さんがつけた名前は「昭和の看板女優」

安川:デザインの視点ではそこまで意識はしていないんだろうけど、世間的にちょっときれなものを作ろうという意志が感じられます。

安藤:「社会とのつながり」が感じられるんですね。そういう目線もあるのか。

安川:いろんな目線で見られるんですよ。だからいろんな人と見たいですね。前にイベントをやったとき、小屋の画像見ながらみんなでコメントしあうことやったんですが、僕らだけでは思いつかないコメントがどんどん出てきて、やっぱりそれぞれの仕事とか好きなもので見方が変わるのが面白いですね。

うん、だんだん小屋の面白さが分かってきたぞ。これは見れば見るほど面白いやつだ。もっと魅力を教えてもらいたい。

作り手の性格が小屋に人格を宿す

辰巳:いろんな小屋をみていると、だんだん小屋自体が人のように見えてくるんですよ。

今泉:いきなりレベルの高い見方ですね(笑)

辰巳:例えばこの小屋は屋根を重ね合っているところとか、どちらの建物も扉が内側についているところとか、仲の良い二人が寄り添っているように見えるので「おしどり夫婦」と名付けました。

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扉も屋根も2つがぎゅっと内側に寄っていて、長年連れ添った夫婦のようにみえる

安川:農機具小屋に感じている面白さはメンバーそれぞれでちょっと違っていて、辰巳くんはだんだんと人に見えるように境地に至っていますね(笑)

今泉:それはたくさん見ていくうちに人に見えるようになってきたんですか?

辰巳:はい、だんだんと。

冨吉:私も最初は建物として見ていたんですが、たくさん見ているうちに、「かわいい」とか「きれい」とか、それこそ人を見るような目線で見るようになっていました。「村の花嫁」を見たときは思わず「あっ可愛い…!」と言ってしまいました。

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花の冠を被ったような姿はまさに花嫁

安藤・今泉:あ~~~これは可愛い!!

冨吉:農機具小屋って普通は荒削りな男っぽいイメージだと思うのですが、こうやって人に見えてくるものは女性に例えてしまうものが多くて。無骨なものの中から女性らしい小屋がちらほら見えてくるというのは私の中で発見でした。

安川:「人に見えてくる」って一見突飛な見方ですが、意外とそんなことないんですよ。

例えばこのかまぼこ型の小屋、扉の上の波板が明らかにあとから貼られているんですが、波板って本当は下から上に貼ってかないといけない。

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ビニールハウスの骨組みをもとにつくられた可愛いかたちの農機具小屋

安藤:あ、水が入ってしまうからですね。

安川:はい。それが分かっていると「多分これ穴空いたからあとで貼ったんだな」というのが分かってくる。

そういう見方をしていると、この樋がビョーンと飛び出て垂れているのとかも絶対作った人の「性格」なんですよ。どうやって小屋をつくっているかを考えていると、最後は作った人の「性格」にたどり着くんですよ。

だから擬人化の話も実は小屋と近いところにあるというか、相性がいいんですよね。僕もハードを見ながら性格を見てる感じです。

安藤:作り手の意図が見えてくるってことですね。それは家にはあんまりないですもんね。

冨吉:最初はどこ見たらいいか分からないんですが、さっきの波板みたいな予備知識があると急に解像度があがってくるんです。

安川:僕らでいうと手を動かして物をつくるという視点で見ているので、小屋じゃないものの見方も変わります。例えば小屋の柱をどうやって建てているんだろうと考えていたら、いつの間にか電柱の見方も「これはどのくらい深く掘ってるんだろう」と変わっていて。これがどうやってできているのだろうと考えるのは、何になるかは分かんないですけど、いい頭の使い方だなと思います。

なるほど、人に例えてしまう背景にはそんな理由があったのか。専門家の目線で小気味よく解説されてしまった。これは手作りの小屋だからこそ味わえる楽しみだろう。

 

作り手の性格を超えていろいろな想像が広がってしまう小屋もある。辰巳さんイチオシのその名も「リボンちゃん」だ。

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遠目から見ると特に特徴のない普通の小屋

冨吉:これはオーソドックスな小屋なんですけど、入り口の止め方が…

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ピンクのリボン!これは見つけた瞬間にやけてしまうやつだ。

安藤:あっ、女の子なんですねぇ

辰巳:じゃりじゃりの鎖の上にピンクのリボンが結ばれてるギャップですよね。この隙間の先を覗きたくなる感じ。

今泉:これはストーリー性がすごいですね。

辰巳:普通の小屋だと思ったらこういう細部にやられちゃって…。どういう人なんやろってすごい想像しちゃうんですよ。

今泉:これは掻き立てられますね。小屋って中に何があるか分からないところも、より想像を掻き立ててきますよね、中に何があるんだろうっていう。

路上鑑賞系って、こういう意外なものをみつけると急に愛着がわいてしまって、全体が愛おしく見えてしまうのだ。筆者も路上観察好きなのでよく分かる。ここからバックボーンを想像し始めてしまったら最後、もうこの沼からは引き返せないのである。

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細部にも宿る小屋の魅力

小屋をつくる素材も見どころのひとつだ。例えばこのパンチングメタル小屋。

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本来はスクラップとして回収されるようなパーツの派材で作られている

辰巳:これはご主人の娘の旦那さんが金属会社に勤めているのでその派材を使っていて、柵などもこれで作っています。

安藤:かっこいい!!

辰巳:「自分の持っているものを使う」という制限のある環境で作っているのがいいですね。

安川:これは絶対通気性を狙っています。身近にあるものをただあるから使うわけではなく、ちゃんと利便性を考えて作られているのが面白いです。

辰巳:昔やっていた仕事を活かしているパターンは多くて、これもこの農家さんがもともと電気工事士さんだったらしく、自分の持っているものを活かして作っています。

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電柱のカバー?に棒が収納されている

安川:こうやって細かく見ていくと見どころが多すぎるんですよ。見る人によって視点が違うので。

この小屋は建物のスケールに対して明らかに柱が太い。たぶん表の材料も家の扉とか雨戸を使っていて、きっと家を解体した材料を使っているんだろうなと思っていたんですが、持ち主に聞いたら実際そうでした。

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小屋と呼んでよいのかを迷うくらいの重厚感

安川:でもこれも上部には陽の光を入れるために透明な素材が使われていて、しっかり機能性が考えられているんですよ。

あといまは亀岡しか調査してないので分からないですが、地域性は絶対現れるだろうなと思っています。作っている農産物や土地の気候で使われている素材も違うだろうし、近隣の人のアイデアを解釈しながら作っている人も多いのでその地域だけに見られる特徴なんかもありそうです。

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これは辰巳さんが飛騨高山で見つけた小屋。豪雪地帯なので雪がつもらないように屋根が丸くなっている。

今泉:この工夫はすごいなとグッときたモノはありますか?

安川:工夫がみられる部分といえば水溜めです。

辰巳:水溜めはいろんなパターンありますよ。

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大きいバケツから小さいバケツにリレーされるパターン
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バケツ2つとクーラーボックスが連結された大容量パターン
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果たして意味があるのか、木に沿わせるパターン

今泉:ピタゴラスイッチみたいだ。

辰巳:細部を見ていくと止まらなくなるんですよね。

安川:こういう水の集め方や棒の置き方は工夫の塊ですね。長い棒を収納するのが難しいので棒を収納するために増築している小屋がけっこう多いんです。

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小屋の奥の部分、屋根を渡して貯水している下の部分に棒を収納

今泉:「棒をどうしまうか」は小屋のこだわりポイントのひとつなんですね。

安川:たぶん農家さんによって棒の使い方が違うのでそれによってしまい方が変わるんですけど、例えばこの「BORO」はわきにあるように棒をしまうところを増築してますね。

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東北地域の衣類に見られた「ボロ」のような屋根

安藤:これ、屋根がパッチワーク!可愛いな、これ…

冨吉:あ、いま思わず可愛いって出ましたね(笑)

すっかり安藤さんも私も小屋の魅力にとりつかれてしまっている。
 

安川:工夫といえば、この小屋は本当によくできています。

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シンメトリーに2つの小屋が配置された物件

安川:設計の世界でよく言われる話なのですが、建物と建物の間にスペースを作る、いわゆる「余白を設ける」ことで、絶対人が集まりやすくなるんです。この小屋も時期によっては二つの小屋の間に仮設の屋根がかかってその下に椅子が置かれたりしていて、憩いのスペースになっています。

住んでいるわけではないので住宅とは考え方が違いますが、こういうちょっとしたスペースがあるとそこで世間話が生まれたりして、そういう「余白」が個人的に大好きです。

おそらくこの小屋の持ち主は、何かの作業をするためなど何らかの必要があってこのような構造の小屋を作ったのだろう。しかしそれが結果的に「余白」に繋がり交流を生んでいるというのはあっぱれとしか言いようがない。

移り変わりの早い小屋を追い続ける

いくつかの小屋の見どころを伝授していただいたが、こういった見どころが短期間で変化するのも小屋の魅力だという。

辰巳:小屋ってすごい短期間で移り変わるんですよ。例えばさきほどの「花嫁」の小屋、掲載許可を貰いに再訪したらこんなことになっていて…

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花嫁の面影はなく、もはやおばけのような姿に。

安藤:うぉーすごいことに(笑) はかなさもありますね。

辰巳:花嫁が一気におばあさんになってしまいました…。

あとこの小屋はパレットを駆使して作っていて「かっこいいなぁ」と言っていたんですが、1年後くらいに見に行ったらこうなっていて。こういう残念なこともあります。

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この無骨さの塊ともいえる男らしい小屋が
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すっかりいまどきのオシャレ物件に。

安藤:よかれと思って外壁付けたんでしょうけどね。

今泉:鑑賞者としては「やめて~」って言いたくなります。

安川:必要だからやったことなんで、残念とか言っちゃダメなんですけどね(笑)

辰巳:こういう風に自然と人の営みに寄り添ってすごい変化をするのも小屋の面白さですね。

安川:作りやすい絶妙なスケールなので修復も自分でできてしまうし、ちょっとした拡張もできる。逆に取り壊しもしやすいので小屋は本当に新陳代謝がいい建物です。

今泉:そういう意味だとずっと追っていくのも楽しいですね。

辰巳:でも取り壊しがしやすいということもあって、区画整理や農家の高齢化で小屋がどんどん減ってきているんです。

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この中に何が入っているのかめちゃめちゃ気になるながーい小屋も区画整理で取り壊されてしまい、中身は永遠の謎に…

今泉:早く記録しないとなくなってしまう絶滅危惧種ですね…

辰巳:一方で、さいきん亀岡では小屋が盛り上がってきていて、小屋の解体と再生と小屋コンペみたいなのも始まろうとしています。

小屋が減ってきているからこそ小屋をつぶす前にちゃんと組み立てられるように解体して、また別の場所に建てて有効活用できるようにしようという取り組みや、建築家から素人まで参加して共同農園にどんな小屋を建てるか競い合って選ばれた小屋を実際に建てるという小屋コンペといった活動です。

安藤:小屋、来てますね…!

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誰がどう見てもロッカーだがそれに屋根と重しを加えることで「農機具小屋」に仕立てている。こういう自由さも小屋の魅力だ。

辰巳:自分たちの手で自分たちの心地良い空間を作るという魅力を発信していかないと小屋は生き残れないと思うので、そのために色々やっていきたいです。

安川:自分の居場所を自分で獲得していくのって今の法律だとやりにくいんですけど、本来はみんなやらなきゃいけないことなんです。

いまの人ってそこにあるもので何かを作ろうという力が昔の人より絶対に劣っているなと思っていて。例えば子どもの遊びも昔は例えばここに空き缶しかないという状況で工夫を凝らして遊んでいたのが、いまはテレビゲームがあればある程度道筋が決められている。家も同じで、いまの家はきれいに仕上がりすぎていてどんな風に出来ているのか全然分からないんですよ。今の家だったら昔の人も勝手にベランダ作れなかったかもしれません。

そういう意味で工夫する力はどんどん減っているだろうなと普段から思っているのですが、だからこそ小屋をみるとかなりリスペクトしてしまいますね。

今泉:小屋が自分で何かを工夫して作ることの大切さを気付かせてくれるんですね。

安藤:これ秘密基地ですよね。大人がつくる秘密基地。僕らは子どもの時は毎日材料集めて秘密基地作っていましたが、それが高じるとこうなるのかな。

辰巳:そうですね。僕にとって小屋は「文化遺産」なのでこれからも小屋を盛り上げていきたいです!


集まれ色んな地域の農機具小屋

農機具小屋の魅力をたくさん教えてもらったが、きっとまだまだ色んな魅力が農機具小屋にはあるだろう。小屋は要素が多いから見る人によって色々な気づきがあるのだ。気になった方は『小屋の本』を読んで自分なりの気づきを得てほしい。

あと文中でも書いた他の地域の農機具小屋もたくさん見てみたい。この記事を読んで自分の町の農機具小屋が気になったらぜひSNSなどでつぶやいてみてください。農機具小屋収集家がきっと見に行きます。

参考文献:『小屋の本』

https://kiribue.stores.jp/items/5ed8dec472b9112ad4bc90c1?fbclid=IwAR1XRHRdAfqtrgsJ4KYAserINmwJ65qcp0g7EtL1vkHawf-YSnxVyrX3UqI

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開くと小屋のかたちになる可愛い本です!

 

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