勇者になりたい
「ドラゴンクエスト ダイの大冒険」は一人の少年が正真正銘の勇者になるお話だ。スクウェア・エニックスの人気RPGシリーズ「ドラゴンクエスト」の設定や世界観を元にしたオリジナルストーリーで、1989年から1996年まで週刊少年ジャンプで連載された。
2020年からは完全新作アニメ化もされ(厳密には1991年にもアニメ化されています)、現在も大人気放送中だ。これを書いている今は50話くらいまで放送されている。ダイという12歳の少年が魔王軍と戦いながら正真正銘の勇者へとなっていくお話だ。
私も勇者になりたいとは思うけれど、どうせなれないからな、とあきらめて、今テレビでやっているダイの大冒険のアニメは見ていなかった。
そんな私に、ある日、当サイトの編集部・安藤さんから「ダイ検」の話が降ってきた。
スマートフォンでプレイする爽快“大爆進”RPG「ドラゴンクエスト ダイの大冒険 -魂の絆-」の企画でダイの大冒険の検定が行われるという。全問正解するとWeb認定証がもらえるそうだ。
「それはもう勇者の証でしょう」安藤さんは言う。そうだろうか、と僕はいぶかる。でも憧れの勇者になれるのならばやるしかないだろう。
勇者になるためには勇者から学ぶのがてっとりばやいだろう。つまり今放送しているダイの大冒険を見て学ぶのだ。ダイも勇者であるアバンから学んでいた。
受験勉強は1週間
ただここで問題が発生する。安藤さんいわく「ダイ検」までは1週間しかないとのこと。1週間の猛勉強で私はダイの大冒険を習得しなければならないらしい。無茶だ。
私は受験勉強に弱い。高校受験も苦労した。何がわからないのかがわからない、という状態から1年ほど受験勉強をして、ギリギリ合格した気がする。最後の方はもう勉強ではなく近所の神社とかに行っていた。
大学受験は高校1年生の時から勉強した。3年間、ほぼ毎日である。夏休み冬休みなどは週7で朝9時から夜9時まで。休みでない時も、17時から21時まで。土日は朝9時から夜9時まで勉強して、それでどうにか合格したのだ。
そんな私に与えられた今回の受験勉強期間は1週間である。大丈夫だろうか。
1日目:自宅にて
にわかファンだった私が、たった1週間勉強しただけで「ダイ検」を受けていいのだろうか。本当のファンだけが受けるべきなのではないか。しかし、これを書いている今は勉強を終えた後なので言える。受けていいのだ。
言ってしまえばダイだって勇者アバンからわずか3日しか教えてもらっていない。それで勇者への道を歩み始める。バランだってカール王国を5日で壊滅に追い込もうとしていた。
そう考えると7日(1週間)も勉強期間を与えられた私は恵まれているとすら言えるだろう。勇者になるには1週間もあれば十分ではないか、たぶん。おれ大人だし。
ダイの大冒険は面白い。ダイの成長していく様、敵が仲間になる展開、ピンチに助けに来る仲間のタイミング、それらすべてがとにかく熱いのだ。アニメを今まで見逃していたことを後悔した。
ただ俺は男の価値というのは、どれだけ過去のこだわりを捨てられるか、で決まると思っている。つまり今からでも遅くはないということだ(勇者らしく熱く言ってみました)。
2日目:カフェにて
正直大学を出てから勉強というものを長らくしてこなかった。つまり久々の勉強が「勇者」なのだ。不安な気持ちを勇気で封じ込め、ひたすらダイの大冒険を見る。
ダイは勇者アバンから「1週間で勇者になれるスペシャルハードコース」を受けている。まさに私が置かれている状況ではないか。私はもはやダイなのかもしれない。コーヒーを飲んでいる勇者だ。私はダイではなくて、ケイだけれど(名前が恵亮(けいすけ)なので)。
もちろんひたすら見るのは疲れる。たまにトイレで鏡を見ては「大王イカのように真っ白な顔をしているな(ダイのセリフより)」と思ったりもした。ただ大丈夫なのだ。あいにく俺の心臓は左右に1つずつあってな。つまり、バリバリに勉強できるのだ。