電車から見える観音様
東海道線に乗っていると、大船駅あたりで車窓から観音様の頭が見えるのをご存じだろうか。

僕はよく東海道線を利用しているので大船を通るたびにこの観音様を見かけていたのだが、いままで近くで見たことはなかった。見に行けるのに行かないなんて、そんな怠惰な人生を送っていていいのだろうか。ある日とつぜんそう反省した。疲れていたのかもしれない。
とにかくいい機会だと思ったので大船駅で降りてみた。



駅から観音様までは案内標識に従って歩いていけばすぐだが、標識がなくても、降りたらすでに観音様が見えているので迷うことはないと思う。
観音様の立つ寺までは、急な坂道をすこしだけ上る必要があった。


拝観料は300円だった。
最近はキャッシュレスに慣れてしまっていて小銭を持ち歩かなくなっていたので困った。無人の箱に入れる方式なのでおつりが出ないのだ。
ポケットやら筆箱なんかをひっくりかえして手持ちの小銭を集めたらちょうど300円あって運命を感じた。


大船の観音様は最初に建立が決まってから、戦争を挟んで30年かけて完成したのだとか。高さは25メートル。胸から下は埋まっているわけではなく、全身を作ると重さで地盤が崩れることを危惧して胸像になったのだとか。
すべてにおいて「なるほど」である。こういう情報は現地で知ってこそ頭に入るから、愛知の小学生が遠足のたびに古戦場をめぐらされていたのにもきっと意味があったのだ。
観音様がでかい
掲示板のすぐ脇にある階段を上ると、すぐに観音様が正面に現れる。このときのインパクトがすごかった。まさに
ばーん!
なのである。
こればっかりは写真で表しきれないのでぜひ現地で体験してもらいたい。



でかすぎて言葉にならない
いままで電車の車窓から見える風景の一部だった観音様だが、間近で見るとでかすぎて言葉にならない。映画を4DXで見たときみたいな、体験でしか得られない感動がある。
観音様は近くで見るとつるっとしておらず、意外と鮫肌だった。そしてまぶしいくらいに白い。



観音様は後ろにまわると内部に入ることができる。



観音様の裏側には手すりが切れた部分があって、そこは観音様のからだに触れることができた。


大きなものというのはそれだけで説得力がある。遠くから見えていた景色も近くで見るとまったく別の印象だったりするのだ。スカイツリーだってふもとから見るとぜんぜん違って見えるだろう。やはりでかいものは積極的に近くから見上げて驚いていきたいなと思った。