スーパー巡りは楽しい
……というわけで、ピザをめぐってみたのだが、なんやかんやで、関係のない買い物もたくさんしてしまった。スーパー巡りは楽しい。
これからも、愛するスーパーたちを、いろいろ理由をつけて巡り倒していきたい。あと、ピザが大きすぎてまだ食べきれていないので、順次味わって食べていきたい。彼らは今、冷凍庫で眠っている。
物心ついたころからピザが好きだ。好きすぎてピザ屋で働いたこともあった。チーズとパンとソースが好きなのだから、それらが集合した姿を最高と感じるのは必然だったのだろう。
だけどわたしには盲点があった。スーパーマーケットのお惣菜売り場に置かれているピザである。なぜかずっと食べたことがなかったのだ。なんということだ。ここらで心して食べてみたい。
……というわけで、お惣菜コーナーでピザを販売しているスーパーを巡った。行ったのはロピア、ヤオコー、オーケー、ライフ、サミットの5つだ。
先に言おう。ぜんぶ最高だった。
まず値段が優しいのだ。しかもでかい。ざっくり言えば、450円〜690円くらいで、直径30センチくらいの具沢山のピザが手に入る。そんなのもう、泣くしかない。
しかも、安いことを忘れるくらいおいしいのだ。値段に魅力を感じていたはずが、いつのまにか、値段のことが頭から消えていく。そんなことってあるのか! あるのだ。この世界のユートピアってつまり、スーパーのお惣菜のピザなんだと思う。
だけどスーパーのお惣菜のピザにはひとつ、問題がある。たいがいの場合、手に入れた時にはもう冷めてるのだ。
ピザの命が最もたぎっているのは出来立ての瞬間。冷めてしまうと固くなり、あらゆるポテンシャルは発揮されなくなってしまう。電子レンジで温めても、生まれたてのあの感じは取り戻しきれないだろう。
思えば、それが辛くてスーパーのピザに手を伸ばすのをためらっていた。でも大丈夫だ。すべてフライパンが解決してくれるとわかった。
「ピザ 冷めた 温め方」でググったら出てきた情報だ。こうすれば、ピザ生地はふっくら感を取り戻し、チーズもとろりとしてくれる。ありがとうインターネット。わたしは今日もあなたに生かされてます。
おいしく食べる方法を身につけて安心したところで、ここから先は1店舗ごと語らせてほしい。まずはロピアからいこう。
筆者の生活圏にはないスーパーなのだが、編集担当の橋田さんに「次の記事はスーパーのピザ巡りがしたいです」とメッセージを送ったところ、「私の推しスーパーのロピアのピザ、おいしいです!」と熱量の高い返信が返ってきたため、いてもたってもいられずに向かった。
初めて訪れたのだが、絶叫したくなる気持ちをこらえるのが大変だった。いや、こらえきれずに、「すごい!」「えっ」「なにこれ!」「やばい!」を何度か発してしまっていた。
だって、A4サイズくらいのサーモンや、具がはみ出しまくった寿司、2日分の野菜が摂れそうなサラダなどがひしめきあっていて、見ているだけでお腹いっぱいになるのだ。 精肉専門店として創業したのが始まりというだけあって、お肉の種類も盛りだくさんだ。橋田さんが力強く「推し」と断言するのも納得である。
……と、すっかり目移りしまくってしまったのだが、今日の本題はピザである。マルゲリータとてりやきピザを買ってみた。
食べた感想をまとめるとこんな感じだ。
これ1枚で1日過ごせそうなくらいボリューミーなのだが、本当にこの値段で大丈夫なんだろうか。心配だ。ちなみにこの心配は、残りの4枚に対しても等しく抱くことになる。
つづいては、自らを「食生活提案型スーパーマーケット」とうたうヤオコー。お惣菜に定評がある。実際おいしい。行くたびに、胃袋のキャパを無視して買い込みたくなるのを必死にこらえている。
……と、またしても話がそれそうになっているのだが、ピザである。
続いてはオーケー。最近よく行くようになった。行きつけの店の美容師さんは、「物件を探す際は、近所にオーケーがあるかどうかを必ずチェックする。ないとだめ!!!」と力説していた。人類を熱狂させ、時に狂わせるほどの力を持つスーパーなのだと思っている。
そんなオーケーのピザの良い噂はかねてから耳にしていたのだが、実際に触れてみて、いちばん衝撃を受けたのは、ホスピタリティの高さだった。
なんと、予約ができるのだ。当日15時までに店舗に電話しておけば、買いたいピザを希望の時間に取りにいける。切り方も選べる。種類も8種類と多い。つまりおおむねピザ屋なのだ。
続いてはライフ。直訳すると「生活」。PB商品の充実っぷりに定評がある。規模の大きい店舗は、食品以外の生活用品もわりと充実している。名前に相応しい安定感を持ったスーパーだ。
最後にサミットである。直訳すると「頂上」。個人的には「サミットファンの歌」の動画の味わい深さを推している。
……というわけでいろいろ食べ、お腹はふくれにふくれた。満足だ。最初にお伝えしたとおり、全部おいしいが一番の結論だ。
加えて、お店の個性は、ピザの個性にも反映されているのを感じた。
ロピアとオーケーは「我々の思うピザとはこういうものだ!!」という声が聞こえてきそうだった。ヤオコーピザにはお惣菜の強さを感じ、ライフとサミットのピザには安定安心を感じた。
それにしても、くどいけど、本当にこの大きさとクオリティで、500円前後で大丈夫なのだろうか。もし値上がりしたら、そりゃそうだ!って全力で受け止めるので、なにとぞ無理だけはしないでほしい。
最後に。ピザの耳については、
がおすすめです。
……というわけで、ピザをめぐってみたのだが、なんやかんやで、関係のない買い物もたくさんしてしまった。スーパー巡りは楽しい。
これからも、愛するスーパーたちを、いろいろ理由をつけて巡り倒していきたい。あと、ピザが大きすぎてまだ食べきれていないので、順次味わって食べていきたい。彼らは今、冷凍庫で眠っている。
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